2020年1月の再販を機に手に入れた旧キット「1/48 ビルバイン」を、レビューを兼ねて製作していきます。以前の更新から約1年ぶりとなります。今回の製作編では、気になるポイントを改修しながら各部を組み立てていきます。
 

 

 

まず胴体の製作です。両腕の位置を斜め上に移動するためピンバイスで穿孔し、元の差込口は裏からプラ板でフタをします。首はノーマルパーツを活かしつつ、パーツを反転して取り付けています。また腰部にはビルダーズパーツを埋め込むことで胴長にし、自由な取り外しと捻る動作を可能にしました。
 

 

 

変形機構は完全にオミットしたため、機首にあたるコクピット部分や、コクピットハッチの取り付け部などを接着しています。後ハメ加工を施した頭部は、取り付けを上に移動したため、アゴを引く動作ができるようになり、かなり雰囲気が変わりました。

ちなみにこの写真より先はすべて合わせ目消しが終わった後です。パーツの合いが悪いため合わせ目を消すのは大変でしたが、旧キットは手を加えれば加えるほど応えてくれるのでやりがいがあります。

 

 

 

 

脚部は爪先や踵、関節など全てのパーツに後ハメ加工を施します。脚部の取り付け位置を変更するため斜め後ろに穿孔し、元の差し込みパーツを逆に取り付け固定しました。これにより両脚をハの字に開けるようになりました。ちなみに元の接続口は腕部同様にプラ板でフタしています。またふくらはぎの排気口はポリパテで埋め、そこに完成後には見えなくなる脚部内部のバーニアを移植します。
 

 

 

腕部は旧キットの割にはパーツ分割が良好なため、ヒジ関節のみを後ハメ加工したのみです。手首は昔ながらのモールドがないツルンとした形のものですが、今回は別パーツに置き換えずあえてそのまま使用することにします。
 

 

 

背面に取り付けるオーラコンバーターは接着するためのダボが無く、パーツ同士の合いが悪いこともあって、合わせ目消しに非常に苦戦しました。またウイングの取り付け部も小さなパーツでフタをするように接着するため、流し込み接着剤を使うとウイングごと固定されてしまう恐れがあるので、組み立て時に難儀しそうです。
 

 

 

背部のレール式オーラキャノンは複雑な形状ですが、ここもモナカ合わせのため合わせ目を消すのがとても大変でした。また塗装のことを考えて、キャノンの取り付け部は後ハメ加工しています。
 

 

 

最後に武器の組み立てです。オーラソードライフルは複雑な形状ですが、直線が多いデザインのため比較的合わせ目を消しやすかったです。折りたたみできるストックは後ハメ加工しましたが、手首は後ハメを諦めて接着し、後で塗り分けることにします。またオーラソードは一体成形ですが、鞘はモナカ合わせのため合わせ目があります。

 

なお旧キットにありがちな不要箇所の切断には「ファンテック カービングヒートペンCH-1」を使用しました。切断面が溶けるのが難点ですが、スイッチを入れると刃先が即高温になるため、関節の後ハメ加工を行ったり、不要なダボを切断する際などに大活躍で、大幅に時間短縮できました。

 

 

 

 

 

すべての作業が終わったので、一旦仮組みしてみました。主に各部の取り付け位置を見直しただけですが、これほどプロポーションが激変するとは思ってませんでした。ちなみに旧キットのオリジナリティを保つため、外観にはジャンクパーツなど別キットのパーツは一切使用していません。
 

 

 

 

アニメの設定に忠実なボリュームあふれるプロポーションはそのままに、腰部を中心とした重心の位置が変更されたため、全体的にドッシリした佇まいとなりました。ここまで約8ヶ月もの時間を費やし、ここまでの作業で満足感でいっぱいでした。
 

 

 

 

無改造のままの仮組みとの比較です。こうして見ると全体の雰囲気は一変しましたが、個々のパーツそのものは合わせ目を消しただけで特に大きな改修を行っていません。実は各部の取り付け位置に問題があるだけで、キットそのもののの造形はとても優れていることが分かります。

 

 

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