ネット総研(4741)、監理ポストに割当て | IR担当者のつぶやき

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ネット総研株を監理ポストに 東証2007/03/30, 21:15, 日経速報ニュース

 インターネット総合研究所は30日、2006年12月中間期の半期報告書を関東財務局に提出した。監査法人トーマツは上場廃止になった連結子会社のアイ・エックス・アイについて十分な監査手続きができないなどとして意見を表明しなかった。東京証券取引所は同日、上場廃止基準に該当する恐れがあるとしてネット総研株を監理ポストに割り当てた
 ネット総研は2月、IXIを連結からはずした暫定的な中間財務諸表を発表。その後の監査法人との協議で、IXIを連結に含めるものの財務諸表に反映させない方針に変更したが、適正意見を得られなかった。トーマツは「コメントできない」としている。ネット総研は既にIXI株を全株売却している。
 監査報告書で意見が表明されない場合、影響が重大と東証が認めれば上場廃止になる。東証はネット総研から聞き取りや資料提出を求めるなどして総合的に判断する。ネット総研はIXIの決算の確定を待って訂正報告書を提出する方針だ。
 ネット総研は同日、07年6月通期の連結業績予想の下方修正も発表した。最終損益は163億円の赤字の見通し。


ありゃ~。

ネット総研、やっぱり監理ポスト入りですかダウン


東証のHPでも、監理ポスト入りが明示されています http://www.tse.or.jp/jokan/kanri/kanri.html


トーマツ、監査意見を表明しなかった、って、どうなってるんだ?

意見不表明?それとも、監査報告書添付せず?

おもしれ。それ、見に行け!


インターネット総合研究所(EDINETコード941335 または 「い」の8ページ目)


中間監査報告書の中では、こんなことを言ってます。

「    記

「第5 経理の状況-3 子会社である(株)アイ・エックス・アイに関する事項-(2) 当中間連結財務諸表作成上の取扱い」に記載のとおり、(株)アイ・エックス・アイは管財人の管理下で再生計画案を策定中であり、また、自らの半期報告書が未提出である等、中間連結財務諸表の基礎とすべき仮決算を行うことが困難な状況であることから、中間連結財務諸表を構成すべき㈱アイ・エックス・アイの中間財務諸表項目に対して十分な監査手続きが実施できず、上記の中間連結財務諸表に対する意見表明のための合理的な基礎を得ることができなかった。

なお、同じく「第5 経理の状況-3 子会社である(株)アイ・エックス・アイに関する事項-(2) 当中間連結財務諸表作成上の取扱い」に記載のとおり、今後、(株)アイ・エックス・アイの決算が訂正された場合には、会社の当中間連結会計期間及び前中間連結会計期間の中間連結財務諸表並びに前連結会計年度の連結財務諸表が訂正される可能性がある。

当監査法人は、上記の中間連結財務諸表が、上記事項の中間連結財務諸表に与える影響の重要性に鑑み、株式会社インターネット総合研究所及び連結子会社の平成18年12月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する中間連結会計期間(平成18年7月1日から平成18年12月31日まで)の経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する有用な情報を表示しているかどうかについての意見を表明しない。

追記情報

1.(重要な後発事象) 1に記載のとおり、会社は、平成18年11月28日付でSBIホールディングス(株)と締結した経営統合を目的とする株式交換契約を、平成19年1月16日付で合意解除した。

2.(重要な後発事象) 2に記載のとおり、連結子会社(株)アイ・エックス・アイは、平成19年1月21日に大阪地方裁判所に民事再生手続開始の申立をし、同日付けで保全管理命令が発せられ、平成19年1月29日に民事再生手続開始が決定されている。

3.(重要な後発事象) 3に記載のとおり、会社は平成19年3月5日及び3月29日に、子会社である(株)アイ・エックス・アイの全株式を譲渡している。

4.(重要な後発事象) 4に記載のとおり、会社は円貨建転換社債型新株予約権付社債45億円について、平成19年1月25日に10億円、平成19年2月6日に5億円、平成19年3月5日に30億円というスケジュールで全額償還している。なお、平成19年3月5日にSBIホールディングス㈱より当該社債の償還資金として35億円の借入を行っており、担保として会社の保有する上場子会社株式を提供している。」


うーむ。

激しく意見不表明ですな。


それにもぅ~、後発事象のオンパレードあせる


後発事象っていうのは、決算日後に生じた事象をいいますが、当期の財務諸表を修正する必要がある性格のもの(修正後発事象)と次期以降の財務諸表に影響がある性格のもの(開示後発事象)の二種類があります。


監査論の学習素材としては最適かも(爆)


しかし、中間会計期間の12月末から3ヶ月以内、つまり法定提出期限の3月末が迫ってくるにつれて、会社側と監査法人トーマツとでは、ギリギリの綱引きが行われたことでしょうね。


意見不表明なんてだされたら、上場企業としては致命的ドンッ


まぁ、いきなり出されたわけではなくて、これだけあちこちに問題が飛び火しているわけですから、ある程度、覚悟はできていたかもしれません。

不適正意見や意見不表明は、証券取引所の上場規則においては、上場廃止基準に該当しますから、いったん監理ポストに入れて、一応の審査はするのでしょう。


上の記事では、「影響が重大と東証が認めれば上場廃止になる」と、慎重な表現を使っていますが、そもそも監査報告書上、重要でない理由によって意見不表明という伝家の宝刀を抜くわけないでしょーが。ドクロ


一方、東証だって、意見不表明の監査報告書がついているのに、その影響が重大でない、という判断をするわけないでしょ。爆弾

(いや、まったく可能性がないわけではないかも。あの日興だって・・・・


こういう決め付けた書き方をしては、IR担当者としてはいけませんな。失礼しました。


まぁともかく、時間の問題・・・ってとこかな。


デイトレーダーさんたちにとっては、IXIに続いて、またまた鉄火場到来!!

月曜日が待ち遠しいことでしょうね(爆)