新GRヤリスにオプションで縦引きサイドブレーキが採用される、ということで注目を浴びていますよね。私も興味津々!・・・なのですが・・・
気になる事が多くあるんですね。



レバーの高さと支点の位置や作動軌跡はどうなんだろう?
ワイヤーの取り回しは?

昔の商用車に採用されていたロッド式Tレバーサイドブレーキの要領なのかな?それならば結構効かせられるはず。もし支点が存在する弧を描くような軌跡ならば高さと距離の関係を考える必要性がありますね真顔

私が今までモータースポーツ用車両として40セリカ、60セリカ、JT190ジェミニ、GC8RA-STI(C1)、CT9A-RS(9MR)に乗ってきました。どれも苦労したのが実はサイドブレーキターンについてなんですね。
 

サイドブレーキターンの出来不出来はタイムに直結する重要な事!
1回のターンで失敗すると秒単位でロスが生まれるのが普通・・・


すべてその時代においてのベストアイテムで、パットやシューの素材、ローターとの相性、サイドブレーキのワイヤー調整とかかなり試行錯誤してきました。

でも、なかなか納得がいくターンができない・・・
ようやく安定したターンが出来るようになったのはCT9Aの時代から(それでも自分的判断では失敗と判断する事が多い)。

大切な事は引き切って車輪が瞬間に止められる力を発揮できるレバーの角度と腕の各パーツの角度が筋力を活かせる位置になっているかどうかなんです。
だからやたらとシートをローポジションにするとサイドブレーキとの距離が縮まり有効的に力を入れられなくなってしまうんですよね。
モノを持ち上げる時や引っ張る時って適当な距離が必要でしょ?

私がCT9Aの時にやっていたチューニングというかメンテナンスは?
競技(特にジムカーナ)用インナーシューは大体のメーカーとも初期制動重視なので熱をもったら効かなくなるのが当たり前。

(そんな中でサポートしてくれていたプロジェクトμ様の試作シューは終始安定していて良かった。ただしローターへの攻撃性が高くて2回練習置きにクリアランス調整が必要だった。コンマ数ミリ単位だけど)

だから普段はレバー側のワイヤー調整はくたくたになるまで緩めていてローターの熱が普段入らないように考慮していました。

大切なのはレバー側ワイヤーで調整するのではなく、シューとローター内面(接触制動面)とのクリアランスで調整するのです。ここはかなりシビアに調整しましたね。あとは足回り側のサイドブレーキワイヤーアウターの取り回し。

ここの取り回しが標準のままだとロールした時にワイヤーアウターが引っ張られて引いてもないのに半端に引いたと同じ現象がおきて、既にシューには熱が入った状態となり、サイドターンセクションより以前で初期制動力が得られなっている状態になっているんです。

あとはバケットシートのショルダーサポートの張り出しや形状。右ハンドル車の場合だと左サイドターンの時にGで身体は斜め右後ろ方向に持っていかれます。そうすると左肘は自然と上がりますよね。そうすると勢いよく力の入るレバーの動きの方向に引っ張る事ができないのです。

GC8の時はショルダーの張り出しが大きめのレカロSPG-Nを使っていましたがターンの成功率は意外と低かったと思っています。車両の旋回性能で何とかできた感じ・・・
CT9Aだと旋回性能よりも短い直線的走行ラインでの走法が必要になるのでサイドブレーキターンの成功率の向上と精度が必要になるんですね。





そこで選んだのがブリッドのアーティスというショルダーサポートの片側が小さいやつ。これでショルダーサポートと肘の干渉がなくなり安定した引きができるようになりましたね。

さて私的に今まで他の選手のマシンも含めて乗ってきて、ターンがしやすい力の入りやすいサイドブレーキの支点位置をもった車というのは実は少なかったんです。この支点位置が重要で力の入れ加減や調整のしやすさに影響するんです。


その良さで記憶にあるのがSW20ですかね。SW20の競技車両は練習会とかで他の選手のを借りて運転させてもらったりしました。あとは今の当社のデモカーのiQ。iQは本当に最高の位置なんですね。今のドラポジを作ったら文句なしの状態になりましたから。


※SPARCOのラリー向けタイプのものが角度、深さ、座り心地ともに良い感じ

※肩関節の位置が自然になり引き切れて最高に効く位置に無理が無いんです。シフトレバーにもステアリングにも程よい距離感で戻し切れない現象が起きにくいんです。





そして最期に忘れてはならない重要な事・・・
サイドターンを終えた後のクラッチミートとスロットルONの事。失敗するパターンではクラッチを瞬時に切り瞬時にパワーオンが必要なのに(私はFFでもきっかけ作りのためにクラッチは瞬間切ります)クラッチを切る時間が長くて車速が死にヨーモーメントが無くなりターンを行うための物理的条件を無くしてしまっているパターン・・・

ターンのきっかけから加速までを瞬時にやることで姿勢変化を早くすることがサイドターンの目的ですからね(それによって短い走行距離、減速&加速距離をかせぐ)。

競技用ドライビング(ラリー、ダートラ、ジムカーナ、ドリフトもかな)ポジションはステアリング角度高さ距離、シート高さ、ペダル距離、シートバック角度、シフトレバー高さ、に加えてサイドブレーキ操作に力を入れやすいシート位置というに全ての条件と使用状況を考えながら決めないといけないのです。

私がアドバイスする時に先ずはドラポジのセッティングからというのは、ドラポジが出来ていないと他のパーツの機能に関してのインフォメーションを自身がが得られなくて、セッティングの方向性に対しての判断をミスしてしまうというところからなんですね。

注)サイドブレーキターンのやり方(奥義)は選手によって違いがでますので今回の記事はあくまでも私流
 

 

静電気除去抑制技術によって空力特性や通電特性を良くして最高のパフォーマンスを引き出すエレスタビシリーズ。燃料の改質によりエンジンの本来の力を引き出すタンクタイガーはこちら。むろん直接販売も大丈夫ですよ


Air Repair 株式会社ホームページ