この数日間はAir Repair iQのドライビングポジションの見直しとチューニング(調整)を行いました。シートはリクライニング機構のないフルバケットシートです。ただ、シートモデルは私の体形と用途から角度や幅について吟味して選択してあるので基本的なポジションや乗り心地は満足なものなのですが・・・・
実はサーキット走行やヒルクライムレース時に使うHANS(衝突時に頸椎を保護するための装具)をヘルメットに装着した際に首がHANSの厚み分前に出てしまい強制的な猫背になってしまうこと・・・
※HANS装着で乗り込むところ(肩の部分をショルダーハーネスで共締めします)
普段乗り状態では不満は全くないのですがHANS装着時のみ少々ストレスがあったのです。HANS装着時用ポジションのフルバケットシートはあるのですがそれを謳い文句にしているメーカーのシートは個人的にデザインが好きじゃない(勝手ですね~(笑))。
それを改善するためにようやく重い腰を上げました┐(´д`)┌
Air Repair iQに採用しているSPARCOシートは、ストリート使用も考えたもので後ろまで生地で覆われたタイプです。そのためかシートレールへの固定は、よくあるフルバケットシート用のサイドステー方式ではなく座面下からボルトで止める方式です。メーカー指定の角度調整はそのボルトにワッシャーを何枚か重ねて行う方式。
しかし、その方式だとボルトが細いのでワッシャーの厚みが取れない(=大きな角度調整が難しい)のとシートレールとシートを車体から外して分解する必要があるということで面倒なのです。
そこで、私はシートレールの車体に取り付けてある部分に純正シートレール用のワッシャを2枚(合計6.6mmの厚み)重ねてシートレール前側の二か所に入れて固定しました。
調整後に近くを試し乗りしてみる良い感じ
この僅かのシート後傾がHANS使用時の首にかかるストレスを軽減してくれると思います。これによってシートのスライド量が1ノッチ遠くなりシフトレバーの高さが遠くなりました。このシフトレバーについてのチューニングも行いましたがそれはまた後日に・・・
このシートポジションというやつは本当に大切で時間がかかると共に、モータースポーツ時においては身体の動きに関わるので成績そして安全性に関わる重要なチューニングになるのですよね。
ステアリングを回した際の腕の可動角、ペダル操作時の微調整(クラッチの当て具合、ブレーキのタイミングや踏力コントロール、クラッチとブレーキを操作しながらのアクセル開度調整)、サイドブレーキ操作時の一番力の入るポイント、シフト操作時の効率の良い手首&腕の距離、身体にかかる様々なGや振動などの感覚を伝える事に影響してくるのです。
これ、普段の車の動きに置き換えてみると・・・
咄嗟の時の対処の速度と精度にかなりの影響がでてくるのです。
私が街中でみるほぼ99%の方のドライビングポジションは、ステアリングからの距離が遠くてペダルからの距離も遠いんですね。おそらく慣れていてリラックスできる(?)楽なポジションなのでしょうが・・・
実はそれ色々と弊害がありまして、その例でいうと・・・
・ブレーキペダルからの距離が遠いのでブレーキ踏力が不足する(ABSが使いきれない)
・スロットルペダルまでの距離があるために微調整ができない(ON&OFFスロットル)
・ステアリングを回す際に持ち替えないと回せない(転舵時間ロス、転舵角の不正確さ)
等等・・・
ただでさえ純正シートは快適性を重視した造りなので、車輛からのインフォメーションを伝える能力は専用スポーツシートよりも劣る部分があります。だからこそ、きちんとシートポジション、ステアリングポジションを調整する必要性があると考えるのです。
窮屈に思えるモータースポーツポジションは過去からのモータースポーツ経験から言うと長時間乗っても疲れにくいんですよ。まあ、確かに疲れますよ。ただし、偏った疲れではなく全身がまんべんなく疲れるというか・・・
また、モータースポーツはその特性上、限界走行をしているわけで危ないシュチエーションはしょっちゅうです。そのリカバリー能力を含めてスポーツなのです。ただ、リカバリー動作という部分を考えれば公道上での普段の運転(モータースポーツよりも予期せぬ危険は多い)はモータースポーツドライビング並みの操作条件は必要であると個人的には思っています。
今回はドライビングポジションの重要性(シートポジション)について書かせていただきました。本当はもっとスペースや時間がかかる内容なのですがこのあたりで・・・