iQの6速M/T(GRMNも含めて)用の強化クラッチは存在しません。
GRMN用は若干ダイヤフラムスプリングの強さを増してはいるようですが・・・

タマ数が少ないうえに、欲しいと思うオーナー数がまた少ない、すなわちマーケットとして成立しないという図式が成り立ちます。

しかし、それ以外にも不可能(?)なポイントが・・・

強化クラッチはダイヤフラムスプリングを強くして圧着力を増し、滑りを少なくする方向にもっていくのが基本。

ダイヤフラムスプリングを強くするとその分踏力が必要になりますよね?
通常の車だと動作させるレリーズ機構(レリーズシリンダーでテコとなるレリーズフォークを動かして動作)があるのですが、このおかげで常識的な踏力でクラッチの操作が可能なように設計されているのです。



じゃあiQの6M/Tは?

レリーズ機構が油圧式一体型なんです。すなわちクラッチペダルを踏んだ時の油圧でレリーズベアリング一体式のシリンダーを動かしてクラッチを切るんです。
上図のレリーズフォーク部分が存在しないんです。

パスカルの原理でシリンダーサイズを変えれば良いのですが圧力と移動量の関係からやたらと大きな力の増幅は無理な話。

そもそも小さいスペースに収めるための方法としてこの油圧直押しの方式が採用されているのですから・・・

ですからダイヤフラムスプリングを強くすると、その強さが直接的にクラッチ操作の重さに繋がるんですよ。iQ130の発進時でのトルクの無さはご存じの通りでクラッチ操作がシビアな重さになったらエンストのオンパレードとなるのは目に見えています。

あと、私の予想なんですが、油圧シリンダー式にするとオイルシールの耐久性を考えなければいけません。標準クラッチのダイヤフラムスプリングを動かすレリーズシリンダーのピストンはそれ用の圧力を考えたオイルシールが採用されているはず。

それ以上の強さでの動作を与えると耐久性に難がでてくる事は簡単に予想できます。

iQ130M/Tのクラッチはシフトアップしていく際に繋がる時に滑る感じがあります。ただ、これは”こういうもの”と思う方が正解かな?とこの頃思うようになってきました。

理由は、競技シフトを行うと滑らないからなんです。
クラッチを完全に切る時間を短くしミートも極力時短に努める・・・
やり方は

  1. クラッチペタルは足首で操作し切ると同時にギヤを抜く
  2. ニュートラルに一瞬いれたのちにクラッチを戻しながら次のギヤのゲートに移動開始しギヤが入るのとクラッチリリースが同時くらい
  3. ギヤが噛みながら自身でゲートに吸い込むように、これはシフトアップ回転数がシンクロしている事が前提になるので回転数がシンクロしていないとシフトは弾かれます。強引に入れるとギヤ鳴りしながら入りますが確実にダメージを与えています。

余談ですがフェラーリ512TRではギヤは鳴らずに相当な勢いで弾かれる、もしくは無反応で入らなかったですね(笑)

以上の操作方法を行えば滑る感じはありません。たとえ6450rpmでも・・・

今考えているのがフライホイールを少し軽量化するとどうなのか?という事。
シフトダウンで回転を合わせやすくするのとクラッチシステムの切れのレスポンスを良くする・・・
圧着力を増す事が出来ないならば、フェーシングに対しての負荷を少なくしてやって初期性能の維持を目指すのです。

ターボチャージャーによるチューニングはトルクが増すのでクラッチが大幅に触れない以上実現が難しい。熱的問題やエンジンルームスペースについて考えても難しい。

だから、回転数(によって車速が乗る)が上昇してトルクが増す、自然吸気方式やタービン型スーパーチャージャーでのチューニングしかないのですよ。

 

 

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