自動車業界でパワーについて話すときによく言われる言葉が”リッター換算馬力”というやつ。
エンジンの排気量を1Lとして、1Lあたりの出力は何馬力かというもので、エンジンそのものチューニングの度合いを比較するための数値ですね。
例えば、2000ccで160馬力のエンジンだと160馬力/2L=80馬力/Lとなります。もう一つのエンジンが1600ccで140馬力だったとした140馬力/1.6L=87.5馬力となり、エンジンそのもののチューニング度合いは後の1600ccエンジンの方がある、というふうになるのです。
じゃあ過給機付きエンジンの場合でのリッター換算馬力もそれで算出していいの?
本来の意味での原動機同士の比較をする際に、補器としての過給機によりパワーアップされた原動機と自然吸気の原動機を同軸で比較するのはフェアじゃないんですね。
過給機を使うと、単純に言えば自然に吸い込む混合気の何割も多い混合気がシリンダー内に入って燃焼するので当然ながら出力は大きくなるのです。
モータースポーツのクラス分けのレギュレーションがあります。排気量で分けるのですが例えばiQ130の自然吸気エンジンを例にとると正式な排気量は1329cc。
これにターボなりスーパーチャージャーが装着されるとJAF規定ならば1.7倍×1329cc=2259.3CCとなるのです。それの意味するところは自然吸気エンジンの2259.3ccのエンジンの出力になっているはず、と見立てられるのです。
(私がヒルクライムレースで既にKITがあるスーパーチャージャーを装着しない主な理由がこれです)
モータースポーツに使用する場合、公認チューニングで車検OKとなった場合でもクラスを上げられる事が必至なので、そのカテゴリーの他車比較でメリットがあるのかないのかを見極める必要性があるのです。
例えばダイハツのブーンX4や初代マーチRなんかのモータスポーツ用グレードは、排気量を落として過給機係数をかけた排気量で当該クラスで走れるようにしています。
仮にターボ付き2000ccで280馬力だったとしたら・・・
まずは280馬力/1.7=164.7馬力
そして164.7馬力/2L=82.4馬力
というのが過給機付きエンジンのリッター換算馬力だと思うのです。
単純に140馬力/Lだから高度チューニングエンジンとは言えないですよね~
確かにタービンを回す力をもっているとは言えますが・・・
逆に一つの例としてホンダのEK9シビックタイプRのエンジンを見ると本当に高度なチューニングがなされているという事になります。1.6Lで185馬力ですから115.6馬力/L!
これが市販チューニングエンジンといわれる所以なんですよ。
ダウンサイジングターボエンジンはこれらの考えを逆手にとって、大排気量自然吸気エンジンの出力を過給機を付けて排気量をどれだけ小さくすることができるか?そして燃費向上できるか?エンジン重量を抑えられるか?を具現化する考え方なのです。
だからパワー上限が見えている・・・
ちゃんとした知見をもって自身の見る目を養っていかないと、ついつい無駄なことをしてしまいがちなのが自動車絡みの事柄・・・
私自身も痛い目をたくさんしてきました。私を信じてくださる方だけは無駄なことをして欲しくない(自身がそういうことを納得してそれを楽しむならばアリ)と思うのです。
※いつものように事務用品消耗品の買い出しや庶務関係の仕事で今日も終わりました
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