また?って言われそうですが、奥が深くてブログ一回程度の内容では無理なので・・・

 

エンジンオイルってただ入っていたら良い、と思っている方が多いと思います。

でも、私的にはパワーアップパーツ、車のエンジンの延命パーツであると思っています。

 

さて、じゃあ純正オイルっていい?

いいと思います。ただし、車両に無理をかけない運転の仕方で壊れないというような感じで良いと思われるならば・・・

 

純正指定オイルは近年、燃費を重要視してからか0W20と言ったような低粘度オイルを指定しているものが殆ど。

高温油膜特性の優れた10W40みたいなタイプは、オイルに粘りがあり、エンジン回転の抵抗になりレスポンスが悪くて回転抵抗(フリクションロス)が多くなりがちです。

 

・・・以上が一般的な話。

 

たしかにそうなのですが、純正指定オイルグレード(一部最高級オイルメーカー最高グレードでもありました)の0W20や0W30を使って発生しやすい現象を経験から・・・

 

朝一のエンジン始動直後に、ガラララとかカチャカチャとメカノイズがエンジンからする時はありませんか?

そして、直ぐに走らせない場合、数十秒後にはなくなる。

 

このパターンは粘度が低いので、停車時にオイルが下に落ちてヘッド部分のオイルが少なくなっていて、油膜保持がされていなくて直接金属同士が当たる(本当はその直前状態なのですがあまり良いとは言えません)感じになっている音なんです。

また、油圧を利用したバルブ調整システムを持っているものは、油圧が低下していて規定値のクリアランスが保ててない状態なのです。

無負荷で暖気運転を行うのは油圧上昇を待つという意味合いもあるんです。

 

私がAir Repair Rspec 5W30を作った目的は、以上の現象の対策なんです。

某高級メジャーオイルメーカーの最高級グレードの0W20を、Air Repair iQに使っていたのですが容量最大3.5L必要な1NRエンジン。

偶然に3.2L(通常ならば問題ない量)入れた時があり、その時に始動直後30秒程ガチャガチャ音がしたんです。

慌てて0.3L追加したらその現象はなくなりましたがちょと不安になったんですね。

 

高級なレース&ラリー対応のオイルなのですが・・・

そして、微妙に気になっていたのがトルク感の無さ。

これは、エンジンのシリンダーとピストンリングの隙間から爆発ガスが吹き抜ける事によって起こる現象なんですね。

オイルは潤滑という役目とシーリングという役目を持っています。

低粘度オイルの弱点はここなんです。

 

オイル添加剤で、硬めのオイルに微粒子を混入してベアリング効果で、とかシリンダー表面に皮膜を造り金属表面を滑りやすくする効果でというものがあるのですが、オイル性能を極限まで追求した場合にはそれらはほぼ無意味になります。

 

機械的な耐久性の不安感とトルク感の不満。

これを解消して、尚且つフリクションロスを少なくするオイルが欲しい!

そんな事は不可能だろうな・・・

と思っていました。

 

そこにLubrossさんというメーカーが登場!

社長のN氏とは旧知の仲でこの話をしたら”作りましょう”という話に・・・

ただ、こちらのオイルメーカーさん、”まず使ってみて気に入って貰ったならば使って下さい。取引はそこから。”という自信満々のメーカーさん。流石、86レース他モータースポーツの現場でしかみないメーカーさん(年間チャンピオン車両にも使用されていますね)。

 

0W20指定の1NRエンジン用に打合せを行い出した答えの粘度指数が5W30。

要は、高温に対応して硬めのオイルにして、油圧の保持を行うというもの。ここまでは目的に応じた普通のアプローチですね。

でも、小排気量の1NRですから高回転まで回さなければパワーは生まれません。

 

低回転では吹き抜けロスが少ないゆえにトルクが増す。硬めで油圧の保持ができて機械部分の保護ができる。尚且つフリクションロスが少なくてレスポンスが良い。

というような、贅沢でわがままなオーダーで試作品製作依頼を行いました。

実際の粘度が0W20でオイルの粘度指数は5W30という不可能に近い特性のものですね。

 

試作品が出来上がったのが昨年11月。

そしてオイル交換。100Kmほどから馴染みが出始め、低速~高速クルージング時でのトルク感と静寂性の向上が認められました!

「これは良い!」

 

 

値段は今まで使っていた最高級オイルの2800円/Lを上回る3000円/L!

それだけの手間とベースオイルや調整添加剤のグレードを持っていますが少々高い・・・

と思いきや、耐久性が半端ない!

 

メジャーな最高級オイルを3000Kmで交換してきたのですが、こいつは5000Km~7000Kmまでその性能を維持するという!

結果的には安くなる方向ですよね~

 

そして、次の交換時期(5000Km走行)の今年の4月テストレポート提出と共に正式発注。

その時に”何か気になるところはないですか?”と聞かれたので、”無理だと思いますが全般にこの傾向で燃料カットの働くリミットまで一気に吹き上がるような特性が欲しい”と伝えました。

すると”やりましょう!”と・・・(@_@;)

 

そして、出来上がっったのがAir Repair Rspec5W30のベースタイプ。

 

 

これに入れ替えて、数百キロ離れたヒルクライムレースに自走で参戦しました。

結果は上々!

 

 

こうやって、お仕着せのメジャーメーカー品ではなく、私が納得のオイルが生まれたわけです。

オイルだけでこうも変わるのか?というのを実感しています。

ウンチクはまだあるのですが、続きはまたの機会に・・・

 

基本、拘りの対応品がかなり少ないトヨタiQ。

私が素性に惚れ込んだ車種ゆえに、妥協のモノを使って評価を出したくないんですよね。

私が納得したモノを使って、性能が伸びない車ならば要らないんですが、幸運な事にどんどん良くなるiQです。

私の経験を他のiQオーナーさんや、流用が効く車のオーナーさんに活かしたいですね。

 

http://www.t-san9.com/original.html

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