その香水に出会ったのは、男主人の経営する小さな香水店だった。
「それは「TRUE LOVE」というんです」
思いのほか低い男主人の声。何の気なしに手に取った、
小さなガラスの小瓶のパフュームは、ほのかなピンク色をしている。
「ホワイトローズやロータスといった花の香りなんです。」
男主人は香水を私の手首に吹き掛けた。
すると、ふわっとした花々の甘い香りが体を包み込こんだ。
不思議だ。これからあの人にさよならをしにいくのに
私の手首には「真実の愛」と言う名の香水が香っている。
約束まであと一時間。小さな小瓶をいくら見つめても
私の答えは決まっている、そしておそらくこれから聞くであろう
あの人の答えも。。。
私たちはお互いの真実になれなかった、それだけだ。
あれから2ケ月。私の手元には終わった恋の代わりに
「TRUE LOVE」という名の香水がある。