私は体育会出身ですが、
世に言う「体育会系」のステレオタイプの体験をした覚えはありません。
確かに上下関係は厳しかったのですが、
理不尽な体罰は体験していません。
身体を壊すようないじめもありませんでした。
人格を否定するような罵詈雑言もありません。
重箱の隅をつつくような細かなマナーもありませんでした。
会社員になってからの接待で、
「お前は体育会の出身なのにビールの正しい注ぎ方も知らないのか」って文化部出身の先輩から叱られた事があります。
先輩にお酒を注ぐのは下級生の役目ですが、
注ぐ角度だとかラベルの向きなどにルールがあるなんて知りませんでした。
もちろん練習は厳しかった。
汗も涙も流しました。
倒れるくらいしごかれました。
実際に気を失った事もあります。
練習の前と後とでは体重が2〜3kgも違います。
でも勝つためですから耐えられました。
訳のわからない「変な伝統」もありましたけど、
決して身体を痛めるものではなく、
後から思い出せば悪戯のレベルです。
先輩を立てるために、
一般の人に迷惑をかけることは絶対にさせられませんでした。
ただ、ライバルの中には、
やたら上下関係やマナーにうるさい学校があったのは知っています。
そういった学校は強いのですけど、
何故かメダルや賞状に手が届かないのです。
今から思えば、
強くなると言う目的以外にやらなくてはいけない事が多すぎると、
強くなりきれないのではないでしょうか?
そして、
こう言った事が一人歩きして「体育会」ではなく「体育会系」なのではないかと思うのです。
体育会系と同じようなものが、
昔は軍隊でした。
海軍に入った父の話しだと、
確かに厳しくてしごかれたけど、
絶対に兵隊の身体を痛めるようなことはされなかったそうです。
「靴を足に合わせるのではなく、
足を靴に合わせろ!」と言って合わない靴を無理やり履かせられた。って逸話を聞きますが、
そんなことは無かったそうです。
上官が足を測って「川井二等水兵に合う靴はこれだ」とピッタリの靴を支給されたそうです。
足に合わない靴を支給されたら、
まともに戦えないですからね。
でも、
もしも「足を靴に合わせろ」なんて言う根性論やいじめが当たり前になったから、
日本軍は弱くなったのかもしれません。