映画『レジェンド&バタフライ』 | みののかみのブログ アメブロ版

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美濃国出身・在住のみののかみが日々気付いたこと・感じたことを書き出すもの也

史跡および日帰り天然温泉の訪問記が殆どと成り候

昨夜、映画『レジェンド&バタフライ』を観てきた。🎥

木村拓哉さんが主人公の織田信長役を演じ、

その正室の濃姫(帰蝶)を綾瀬はるかさんが演じた、

戦国時代の信長・濃姫夫妻の物語。

 

 

 

昨年岐阜市で開催された「ぎふ信長まつり」で、

毎年市民の公募や岐阜市ゆかりの著名人が務める

騎馬武者行列の織田信長役を木村拓哉さんが務めて

全国ニュースで大々的に報道されたが、

この『レジェンド&バタフライ』の撮影中に、

信長家臣の福富平太郎貞家を演じた伊藤英明さんが

伊藤さんの出身地の岐阜市のこの「信長まつり」を

木村拓哉さんに信長役が毎年替わることなど紹介し、

木村さんが興味を持ち信長役にと話が進んだことから、

映画『レジェンド&バタフライ』とコラボが出来た。

結果的に、『レジェンド&バタフライ』の映画製作が

「ぎふ信長まつり」のPRにつながり、

逆に「ぎふ信長まつり」でもその騎馬武者行列に

木村拓哉さんと伊藤英明さんが映画の衣裳で出演して

『レジェンド&バタフライ』のPRにもなった。

 

「ぎふ信長まつり」との相乗効果でPRが充分で、

上映初日はかなり混雑するだろうと予想していたが、

仕事帰りにショッピングモールの映画館へ

20:05からのレイトショーのチケットを購入に行くと、

ほとんどの座席が取れる状態だった。💺⭕

しかし夕食と買い物を済ませて映画館に戻ると、

上映時刻に近づくほど着席者が増えていき、

いつも上映初日のレイトショーで観る映画と違い

大部分の座席が埋まって館内は混雑した。

 

映画は織田信長と濃姫の結婚生活のストーリーで、

舞台は現在の名古屋と岐阜が多くなっていて、

登場人物のセリフも尾張弁や美濃弁が多かった。

完全に尾張弁と美濃弁になってしまうと、

愛知県と岐阜県の人は理解出来ても

他の都道府県の人が分からなくなるのだろう、

また愛知にも岐阜にも縁がない出演者は多いので

標準語に寄せたセリフも目立ったが、

尾張弁と美濃弁が出てきただけでも

地元民としては嬉しかった😂

ただ、「~さっせる」という美濃弁のセリフは、

標準語で「~される」、関西弁で「~しはる」だが、

後の方の「せ」の音に強いアクセントが欲しかった。

このアクセントの入れ方によって

ネイティブに聞こえる・聞こえないの違いになる。

もっとも、美濃の斎藤道三家臣から濃姫に従って

織田信長家臣になった福富平太郎貞家

(美濃国山県郡福富村、現在の岐阜市福富出身で

 息子の秀勝が本能寺の変で討ち死にした

 信長の重臣だったことは知っていた)の

伊藤英明さんの話すセリフは、

さすがに安心のネイティブな美濃弁だった。

 

その映画の脚本を手掛けたのは古沢良太氏で、

今年のNHK大河ドラマ『どうする家康』でも

脚本を担当していて、古沢氏の時代劇脚本は

映画『レジェンド&バタフライ』を通して

『どうする家康』の一年間の放送内容にも

見通せる部分はないかなと思った。

この2作品で共通した点としては、

家督相続以前のいわゆる“不良息子”として

近習を連れていた頃の若き信長の姿が

2作品で被ってはいた。

『どうする家康』での信長役の岡田准一さんと

『レジェンド&バタフライ』での木村拓哉さんを

比較することは出来ないが。

 

また、さすがに東映が巨費を投じた映画だけあって、

舞台セットや背景描写が凄かった。

岐阜城は山上の天守閣も山麓の御殿も再現が完璧で、

岐阜市教育委員会が発掘調査をもとに製作した

(何年か前に岐阜市立中央図書館で公開していた)

岐阜城山麓御殿の想定復元CGがそのままに

映画で岐阜城の舞台セットになっていた。

安土城も同様に想定復元CGそのままのセットで、

織田信長ものの時代劇として

建築系の再現は映画を観て良かったと思えた。

 

それから、史実の濃姫だが、

実父の斎藤道三が長良川の戦いで

異母兄の髙政(義龍)に敗れて討ち死にして、

その高政の斎藤家も織田信長に美濃を追われると、

プッツリと生存記録が無くなり行方不明になる。

なので信長が岐阜城に移って以降の濃姫は

どの時代劇でも推測・想像でしかあり得ず、

逝去や信長との別れは作品によって

それぞれに異なった描き方をされている。

『レジェンド&バタフライ』での濃姫も

結婚生活から推測・想像とは分かっていても、

今回の描き方は非常に面白かった。

信長の革新性や人間性も描かれ

主演の木村拓哉さんも非常に格好良く、

濃姫役の綾瀬はるかさんも非常に美しいが、

信長と濃姫の夫婦を描いた内容は

時代劇として独特で非常に面白く、

『RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ』など

夫婦関係にテーマを置いた映画で同類に括っても

まったく問題ない映画だと思った。