10/01 伊藤舞さん ソプラノヴォーカルコンサート | いぽぽぽぱんぱのブログ

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主に聴きに行った演奏会のことを書こうかと。

新潟市で2011年から演奏会に頻繁に行くようになりました。
主に地元で活躍されている演奏家さんメインです。
楽器経験もなく技術的なことはまったく書けません。
素晴らしい、楽しいなど抽象的な感想になると思います。

ソプラノ:伊藤舞さん
ピアノ:小黒亜紀さん

ソプラノ伊藤さんの新潟市内での初の正式リサイタル。

伊藤さんの歌声は何度かジョイントコンサートなどでは聞かせていただいたことがありますが、非常に独特というか伊藤さんの世界があるな~、という印象で、ず~っともっと聴きたいとは思っていました。

毎年地元の胎内市ではソロリサイタルを開催されてはいますが、移動を公共交通機関に頼っている私にとっては結構気合が必要な場所なんですよね。

 

それでも何年か前に「よし、行こう」と出かけたのですが自宅近くの駅についたら、財布を忘れたのに気づいて結局電車に乗れず、、、、なんてこともあったりして(汗)。

そんな感じでしたけど、今年はいよいよ新潟市内での開催ということで楽しみにしていました。

この日はメモリアルオケの公演もあり、そちらも非常に魅力的だったのですが、上記の通り私は「だいしホール」へ。さすがに満員とはいきませんけど、まずまずの入りという感じでしょうか。私はいつもの席へ。

(光の関係で色が違っていたらすみませんが)伊藤さんは薄いベージュの細身のドレス、小黒さんは伴奏ということもあって黒のシンプルなドレスで登場です。


前半は日本語の童謡や歌曲などを8曲。伊藤さんの日本の曲は定評がありますね。

 

私も今までみた伊藤さんのパフォーマンスで一番印象に残っているのは「越の風」で歌われた「みずかみかずよの詩による歌曲」なんですよね。この曲自体は正直有名な曲というわけでもないですが、「さわさわ、、、」という歌詞と、伊藤さんの歌声のベストマッチだと思っています。ホントに自分でも不思議なくらいに記憶に残っています(全曲ではなく、部分的に、、、ですけど)。


この日の伊藤さんもなんというか、ちょっとはかなげではありますけど、情念がこもっているというか、ホール全体に溶け込みつつも全体に広がっていくような独特な歌声は日本語の曲に非常にあっていると思います。


また、こういうと伊藤さんに失礼かもしれませんが、伊藤さんご本人も非常に細身でいらっしゃるし(ドレスも細身ですし)、ピアノに片手を付いて歌うようなスタイルも、ちょっと押したら折れて倒れてしまうのでは? と感じてしまうようなところもすべて含めて「伊藤舞さんの世界」という感じがするんですよね。

ピアノの小黒さんもよかったです。小黒さんの伴奏って実はあんまりイメージにないのですが、情感豊かに緩急自在といいましょうか、溜めるところ、落ち着いてしっとりとするところ、歌い上げるところなどなど、伊藤さんとの息がぴったりという印象です。

曲間のお二人の雰囲気がまたよかったです。緊張がほぐれているのが見て取れるというか、なんだか観ているこちらもちょっとほっこりするような(笑)。

また前半は途中伊藤さんのトークもありました。ちょっと緊張しているのも見えましたけど、自分の言葉で実直に丁寧にお話されているな、という印象ですね。ただ、ひとつだけトークで冷や汗が出る場面(なぜか、私自身の、、、ですが)もありましたけど、まあそんなのもヨシです。

...最後マイクのスイッチを切り忘れて、「落葉松」のときにピアノの音がマイクに拾われてしまったのはご愛嬌ですね(笑)。


休憩後はミュージカルだったりドイツ歌曲だったりオペラなど外国の曲を中心に。伊藤さんは黄色のドレス、小黒さんは白のドレスに着替えています。伊藤さんの胸の部分といいましょうか、全体が大きなお花のようなデザインになっているのも素敵ですね。

前半の日本語の曲に比べれば、当然ですけど非常に明るく伸びやかな歌声です。非常に迫力のある歌声ではあるのですが、耳と脳には非常にやさしく聴こえてくるのがまた伊藤さんらしいな~、と。

 

誤解を恐れずに書くと、この辺は非常に個性的な感じもしますし、前半にもちょっと書きましたけど「伊藤舞さんの世界」なんですよね。聴く人の好みによってはひょっとしたら「もっと鋭く直線的に聴こえてきて欲しい」という人もいるかもしれませんけど、好きになったらとことんハマッってしまう、、、そんな歌声のような気がしますね。

そして後半には小黒さんのピアノも一曲「ラ・カンパネラ」も。超絶技巧で有名なこの曲ですけど、前半は小黒さんにしては珍しくちょっと固いかな、、、という印象もうけなくはなかったのですが、中盤から後半は素晴らしかったです。

最後はプッチーニの歌劇「トスカ」から。このときには伊藤さんは再び着替えて濃いピンクの細身のドレス。伸び伸びとした歌声ですね。ドレスも色とりどりでしたけど、歌声も前半の日本の曲からミュージカル、歌曲、オペラとまさに色とりどりのパフォーマンス、堪能させていただきました。

鳴り止まないアンコールに応えて、アンコールというよりは伊藤さんもおっしゃられていましたけど第3部(笑)。
毎年の胎内でのリサイタルでは歌謡曲を含めるのが定番なんだそうですが、そんな中から今井美樹さんの「PRIDE」も含めて3曲披露してくれました。なんだかとっても新鮮でした。

終演後には一言ですけど簡単にご挨拶もできましたし、とてもいい演奏会でした。ぜひとも新潟市でもまたコンサートを開催して欲しいものです。

(だいしホール 2000円)