03/20 岩渕仁美さん クラリネットリサイタル | いぽぽぽぱんぱのブログ

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主に聴きに行った演奏会のことを書こうかと。

新潟市で2011年から演奏会に頻繁に行くようになりました。
主に地元で活躍されている演奏家さんメインです。
楽器経験もなく技術的なことはまったく書けません。
素晴らしい、楽しいなど抽象的な感想になると思います。

クラリネット:岩渕仁美さん
ピアノ:品田真彦さん

 

岩渕さんの初のソロリサイタル。

岩渕さんは留学から帰国されて新潟に拠点を移されてから約2年とのこと。
私は2015年12月にトリオ(ピアノ、ヴァイオリン、クラリネット)での演奏を初めて観ましたけど、第一印象が「非常に姿勢がいいな~」だったのを覚えています。

 

その後も、何度か聴かせて頂いていますが、確実に活動の幅を広げていらっしゃるな、という感じでした。でも、やっぱり「ソロ」でのリサイタルはまた別物なんでしょうね。

 

またプログラムも意欲的で協奏曲が2曲含まれています。
この日の主催のコンチェルト佐藤さんの挨拶時の言葉にもありましたけど、なかなか珍しいとのことですし、また共演者にも負担が大きいようです。その点、品田さんのような信頼できるピアニストがいらっしゃるからこそだとは思いますが、ご本人の強い意志が感じられますね。

 

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開場時間ちょいすぎくらいにスタジオAへ。既に結構なお客さん。ただ、うまいこと前から2列目で見やすい場所が空いていました。

 

まず目につくのはやっぱり会場に飾られた山口さんの雨の絵。スタジオ内に飾られた2枚の絵は過去の展示会でも何度か見た記憶がある絵です。席をキープしてちょっとロビーへでると、さらに3枚の絵が飾られていました。


こちらは私の記憶にはないような、、、、でも、花をモチーフにした雨の作品のようで非常に華やかですね。また受け取ったプログラムには岩渕さんのかなり長文の挨拶および演奏曲に対する思いなどがあり、それを読みつつ、開演を待ちます。

 

そしてピンクのドレスを身にまとった岩渕さんが登場し開演となりました。

まずはクラリネットの音色をじっくりと聴いて欲しいということで「亜麻色の髪の乙女」からでしたけど、聴きなじみのよいメロディですけど、クラリネットの音色はしっかりしています。

 

ただ、結果として全体的な感想として、観客側も気楽に聴ける曲というのは最初のこの1曲だけで、その後のドビュッシーの狂詩曲からは雰囲気が変わりましたね。。

 

前半最後のウェーバーの協奏曲の前には息を再度整えるということもありましたけど、主催の佐藤さんの挨拶も挟まります。それだけの大曲ということなんでしょう。

 

実際に曲の長さだけでも通常の曲だったら3曲分くらいを休み無しで演奏するようなものですからねぇ...

 

演奏は曲自体は非常に華やかでメリハリの聴いた美しい曲という感じなのですが、岩渕さんおよび品田さんお二人ともに非常に緊迫感がただようというか、別人になっているというか、入り込んでいるというかそんなのが伝わってきます。
そして岩渕さんの身体の動きも非常に大きく、(こういうのも変ですが)ちょっと驚きを感じるくらいです。

 

それは曲に対する念が込められているようにも思えますし、それだけでなく実際に演奏中にはアイコンタクトも難しいですし、身体の動きを大きくすることによりお二人のタイミングを合わせているのかな? なんてことも考えてしまいました。

 

クラリネット、そしてピアノともに見どころ、聴きどころたっぷりですね。協奏曲ですからクラリネットがしばしお休みするようなところもあるわけですけど、演奏なしでじっと待つソリストさんというのも見どころの一つかな、なんてことすら思ってしまいますね(ひねくれていてすみません)。

 

そして最後、盛り上がりを迎えて演奏しきった岩渕さん、そして、少し遅れて品田さん、緊張がゆるんで、会場からは盛大な拍手。本当にお見事でした。

お辞儀をしたり舞台袖に下がるお二人に「出し切った感」が見えるのもまたヨシです。

 

でも、まだ前半ですし、後半は「雰囲気を変えてサロンコンサート的に、、、」なんて変わるわけでもなく、後半がさらにメインというんだから、、、なんだかスゴいプログラムだな~、と改めて思ってしまいました。


後半は岩渕さんは黒の衣装にチェンジ。配布されたプログラムの写真に使われている衣装のようですね。

 

まずはバリバリの現代曲。作曲者本人から直接指導を受けたこともあるそうですけど、いろいろな奏法を駆使した緊張感のある曲。ただ、曲は現代曲でも見た感じ最初の「亜麻色の髪の乙女」を覗けば、岩渕さんは一番楽に演奏しているように見えましたね。

 

そして非常に情感あふれる品田さんのピアノソロを挟んで、最後がモーツァルトのクラリネット協奏曲でした。本日2曲目の協奏曲。

 

もちろん曲自体がいい曲というのもありますけど、それを見事に引き出す演奏でした。

 

最後は「ブラボー」の声もかかっていました。私もいつものことながら恥ずかしいので声は出しませんけど(ブラボー!!)です。

 

これだけのプログラムですからアンコールはあるわけない、というか、逆に不要ですね。
最後はお二人で手をつないで観客に挨拶をして終了となりました。

 

本当によくこれだけのプログラムをやろうと思ったな~、というのと、それを見事にやりきったのお二人にホントに拍手です。そして、お疲れ様でした。

 

(スタジオA 前売り 2000円)