チェンバロ：飯田万里子さん
辻音楽師グループ「楽路歴程」さんが蔵織で開催する４日連続の公演。
4日間の締めは笠原さんと飯田さんの２台チェンバロ。「今度はＢ面抜きで」。
笠原さんと飯田さんは年に１～２回程度、定期的に公演を開催していますけど、大体が２部構成で、
Side-B：[B]alloc（バロック）
Side-A：Adventure（アドベンチャー：バロックに限らずいろいろなジャンルの曲）
という内容のことが多いのですが、去年7月の公演ではあえて全曲バロックで開催した反動（笑）で、今回はバロック抜きということなんですね。さらにはせっかくなので「全曲ハイテンション」という縛り（笑）も加えたとのことです。
開演30分前くらいに蔵織さんに到着し、飯田さんと笠原さんが順番に調弦している中、会場へ。今回はせっかくなので最前列を確保しました。元々蔵織さんは非常に響きが良いですけど、さらに至近距離で楽しみです。
時間通りに開演。
「全曲ハイテンション」通りにノリの良い曲が連続です。
ディズニーのパレードのテーマ曲「バロック・ホーダウン」に始まり、タンゴの名曲など。
普通は繊細なチェンバロの音色ですけど、今回最前列で聴いていると、テンション高めの曲ということもありますけど、ものすごい迫力。
左から笠原さん、右から飯田さんとスーパーステレオ状態。音を浴びる感じです。
なんというか、これだけの音を浴びつづけていると、チェンバロの音がチェンバロではなくシンセサイザーというかちょっと電子的な響きをもっているかのような錯覚も覚えます（私だけだと思いますが）。バロックと現代ともっともかけ離れているとは思うのですが（汗）。
また最前列ですから、笠原さんの演奏している指先なんかも見えるわけですが、ハイテンションの曲を演奏しつつも指先の動きは非常に繊細。ピアノと違って鍵盤を強く叩いたからといって音の強弱につながるわけではないので当然といえば当然なのですが、そんなギャップもなんだか楽しいです。
笠原さんソロでギターの名曲「タンゴ・アン・スカイ」では本家ではギターのボディを叩いて音を出すところを、チェンバロのボディを叩いたりということも。正直、チェンバロのボディってそんなに厚い板ではないのでちょっと見ていて怖かったです（笑）。
さらには笠原さんのソロで真田丸のテーマ。
一旦ブログ記事を書いた後、Youtubeを検索したらこんな動画も、、、、
そして、お二人のデュオに戻って情熱大陸などが演奏されたあとで、今度は飯田さんのソロで２曲。
ミュージカル「アニー」からの「Tomorrow」は、もちろんいい曲ですし、演奏も素晴らしかったですけど、今回の「ハイテンション」の縛りに含まれるのか？ というちょっと野暮なことも考えましたけど、飯田さん自身のテンションがあがっているようだったのでＯＫでしょうね（笑）。
最後はさらにテンションをあげて、お二人でのルパンにシャカタクにプリプリ。
いや～、本当に楽しゅうございました。
そしてアンコールはやっぱりヘビメタでしょう、ということで「バレスタイン城」。
私も聴きたかった曲です。ホントに良かったです。
４日間連続の公演という大変な企画。終演後、笠原さんに伺ったところさらに前日に別場所での本番があって、笠原さん自身は５日連続だそうです。
それも毎日違う相手、内容ですから恐れ入ります。最後の方はしゃべりすぎて喉も痛くなってきたということですが、ゆっくりお休みくださいませ。
私も４日間観させていただきましたけど、非常に楽しかったです。
また、笠原さんは3/31にスタジオＡでもリサイタルがありますね。今回の４公演では演奏されることがなかった「バッハ」オンリーだそうです。
笠原さんが絶大な信頼をよせる音楽仲間との共演ですね。こちらも楽しみです。
（蔵織 1000円）
さらにどうでも良いことですけど、毎年年末にいろいろなデータのまとめの記事をあげていますけど、その中に「演奏者別公演回数」というものもあって笠原さんは現在３連覇中。そして今年も笠原さんは年始のARS NOVAも含めると1月だけで5回になりました。万が一、私が今後笠原さんの公演に全く行けなくても今年のベストテン入りは確実ですし、４連覇に向けて大きくリードです（笑）。
---ちょっと蛇足---
アンコールで演奏された「バレスタイン城」。
・いつかは忘れましたけど、笠原さんの公演で初めて聴いて、その時は全然知らない曲でしたけど「面白いな～」と思い
・さらにはネット動画で見て、やっぱりなかなかすごいな～、と思い、
やっぱりまた生演奏で聴きたいな～、と思っていたんですよね。
そして去年9月のリクエストアワーの時に候補には含まれており、1票は入れたのですが、さすがにこの曲に他の人からの票は集まらず（当然ですね）、落選だったんですよね。
聴けてうれしゅうございました。
こっちの方は「バレスタイン城」は4分33秒くらいからですけど、前半の曲もロックです。動画でも面白いですけど、生演奏はもっと凄いですよ！！