10/01 ジョン・ダウランドと同時代のヨーロッパの作曲家たち | いぽぽぽぱんぱのブログ

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主に聴きに行った演奏会のことを書こうかと。

新潟市で2011年から演奏会に頻繁に行くようになりました。
主に地元で活躍されている演奏家さんメインです。
楽器経験もなく技術的なことはまったく書けません。
素晴らしい、楽しいなど抽象的な感想になると思います。

リュート、ギター:佐々木勇一さん
ソプラノ:風間左智さん
ヴィオラ・ダ・ガンバ:白澤亨さん

 

現在はドイツのケルン音楽で研鑽を積まれている佐々木さんが一時帰国してのライブです。
お話によると佐々木さんはここ数日連日本番だあったそうで、さすがの人気ですね。

 

佐々木さんといえば「ギター」を思い浮かべる人が多いとは思いますけど現在は「リュート」を専門にやられているそうです。
※3月にも白澤さんとリュートデュオのリサイタルを開催されていますね。

 

そんなことでこの日はリュートをメインにギターを少しという構成でした。

 

まずは会場時間ちょい過ぎくらいに会場のスタジオスガマタさんへ到着すると、佐々木さんがさらりとリュート演奏中。いつもの気楽なトークタイム(笑)ですね。これを聞いているだけでも楽しいです。

 

そして本公演ですが、今回は公演名「ジョン・ダウランドと同時代のヨーロッパの作曲家たち」のとおりに、1500年代~1600年代の曲がとりあげられていました。

 

前半は佐々木さんのソロで、リュートのソロのあとはギターのソロ。

リュートの素朴な感じでありつつ、華やかでもある音色は目を閉じてしんみりと聞き入りました。また、ギターもリュートのあとで聴くとかなりの迫力を感じますね。佐々木さんが使用しているギターも音がよく響くような工夫がしてあるということでしたけど、普段なら普通に聴こえると思うのですが、リュートのあとだと、いかに音が前面に押し出てきているのか、というのが実感できますね。

 

休憩のあとは風間さんと白澤さんも加わってトリオでの演奏。佐々木さんは全編リュートです。

リュートにガンバという組み合わせもよいですね。ちょっと不思議な感じなのですがリュートにガンバが加わるともちろん華やかにはなるのですが、一方で哀愁というかしっとり感が増すというか(うまく表現できませんけど)、不思議な感じもするんですよね。

 

そんなリュートとガンバの伴奏に乗せて、風間さんの綺麗な歌声が本当にマッチしていましたし、イギリスのダウランドとイタリアのいろいろな作曲家の曲を聴けて面白かったですね。

まさにサロンミュージックという感じです。また、この日は会場のスガマタさんを縦でなく横につかって、3名を中心に半円形っぽく座席が配置されていました。この配置も距離感が近くって良かったと思います。

 

また最後のフレスコバルディの曲なんかは1600年頃と今から400年くらい前の曲ですけど、古さを感じずにどことなく新しさというか現代風のようなイメージにも聴こえてきました。

 

最後は観客の皆さんとあわせて合唱。私は楽譜も読めないのでじっと聴いていましたけど、その場で「アルトの楽譜もありますよ」みたいに楽譜をもらってそのまま歌えるなんて素人の私には信じられませんね(汗)。 素敵なトリオの素敵な演奏でした。

 

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ただ、良かったのは演奏だけでなく、わかってはいましたけど佐々木さんのトークも面白かったんです。
(トラブルは発生しないのは一番なのは間違いないですけど)曲説明中にあるお客さんの携帯から着信音が(汗)。

 

もちろん、瞬間的にはその場の空気がちょっと緊張してしまったのですが、佐々木さんは

 

「地震速報でなくて良かったですね」
「地震速報といえばドイツで同じ大学に通っているフジモトさん(たぶん2012年に新潟室内さんと共演された方だと思うのですが)からこんなの教えてもらったんですよ」

 

ということで、ギターでさらりと地震速報のアラーム音を演奏。これがまた見事な再現度(笑)。

 

正直、この日の公演の中で一番盛り上がったのではないでしょうか。

上記以外でも、トークだったり風間さんとの掛け合いなどでもぱっと気の利いたトークネタがでてきますし、アンコール後の最後も「皆さんで1本締めで締めましょう」。

 

本当に意外性があって面白かったです。

(スタジオスガマタ 1500円)