02/20 淺香みのりさん ピアノリサイタル | いぽぽぽぱんぱのブログ

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主に聴きに行った演奏会のことを書こうかと。

新潟市で2011年から演奏会に頻繁に行くようになりました。
主に地元で活躍されている演奏家さんメインです。
楽器経験もなく技術的なことはまったく書けません。
素晴らしい、楽しいなど抽象的な感想になると思います。

ピアノ:淺香みのりさん

ドビュッシー前奏曲集 第1集より
■第7曲 西風の見たもの
■第8曲 亜麻色の髪の乙女

ショパン
■幻想即興曲
■ポロネーズ第6番「英雄」

リスト
■スペイン狂詩曲

ブラームス
■創作主題による変奏曲

シューマン
■ピアノソナタ第3番

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淺香さんのピアノを聴くのは結構ひさしぶりです。
去年(2015年)は残念ながら一度もなかったので1年以上ぶりになりますね。
楽しみにしていました。

会場は蕗谷虹児記念館ということで、専門の音楽ホールではなく客席に段差もありませんし、
なるべく前の方でみたいな~、ということでちょいと早めに開場時間ちょい前くらいに到着したのですが、既に結構なお客さんが来ていました、さすがの人気です。
ただ、そんな中でも最前列を確保しました(汗)。

淺香さんのおっかけ応援団長(笑)の司会進行で、真っ赤なドレスに身を包んだ淺香さんが登場。本当に美しいです。

全般的な感想として演奏が素晴らしいのはもちろんですが、なによりも普通にお話しているときの淺香さんとピアノに向かっているときの淺香さんから受ける印象のギャップがすごすぎます。

お話をしているときの淺香さんは一部新発田弁を交えたりして、非常に親しみやすい上品なお嬢様という感じですけど、演奏となるとまるっきり人が変わってしまいますね。

なんというか一曲一曲に念を込めるというか、その曲にのめりこむというか、全身全霊をかけて演奏している、というのがわかりやすく伝わってきます。体も大きく動きますし、表情もさまざまに変化しますが全体的には険しい感じで、「楽しそうに演奏している感」はゼロですね(汗)。
この辺が一番の淺香さんの特徴なのでしょう。

また、最初の挨拶でも淺香さんは「音楽のすべての原点は【言葉】だと思う」というようなこともおっしゃられていましたが、演奏中も、あたかもなにか歌っているような口の動きだったり、時には大きな息遣い(というか声にならない声)も聞こえてきました。

この辺の細かいところまで観れたのもず~ず~しく最前列に座ったからですけど、今日は本当に最前列に座ってよかったと思いました。
(それも、普段は指使いが見やすい向かって左側に座ることが多いのですけど、今日は表情が見やすい右側に陣取ったのが大きかったです)。

聴覚だけでなく、視覚からも受ける刺激が大きかったです。

アンコールまで含めて2時間みっちり(アンコール曲は私では曲名がわかりませんでした)、
浅香さんも汗だくの熱演で、曲間および楽章間で頻繁に淺香さん自身およびピアノを拭いていたりしましたね。

とにかくどの曲もすごい迫力で、新発田まで遠征しただけの価値が十分ありました。

ただ、司会の方および淺香さんご本人もおっしゃられていましたが、今日の公演はピアノが万全の状態ではなく、思ったとおりのパフォーマンスができずに残念なところもある、とのことです。私にとっては今日の公演でも十分すごかったですが、もっと良いピアノでの演奏だったらさらにどうなるのか、というのも興味はありますね。


小さい会場ではありましたけど、お客さんは本当にいっぱいでしたし、各曲が終わったあとの「お~っ」という歓声や拍手もすごかったです。
本当に淺香さんが地元の皆さんに応援されているんだな~、というのが伝わってきました。
これだけの後押しがあれば、そんなに遠くないうちに今日のような小さな会場ではなくもっと大きな会場でソロリサイタルが開催されるのではないかな~、なんてことも思いました。


休憩時間中、「お子様もいらっしゃるようなので参考になれば」ということで、淺香さんが練習で使用している楽譜が公開されていました(本番演奏はもちろん暗譜です)。
私もお客さんがいなくなった隙をついてちょろっと見させてもらったのですが、付箋が貼られていたり、隙間なく楽譜が真っ黒になるくらい書き込みがされていたりして、それはすごいものでした。
他の人が使っている楽譜というのは見たことがないので比較はできませんが「ここまでするものなんだ」と感嘆するばかりです。
なんだか、個人秘というか見てはいけないものを見てしまった感じまでしてしまいます。


最後の曲が終わったあと、淺香さんにはたくさんの花束が渡されました。その中にお一人小さなお嬢さんがいたのですが、淺香さんと一言二言会話したあと、席に戻るときに非常にうれしそうな表情をしていたのが印象的でした。
もちろん会話の内容なんてわかるわけもありませんが、お嬢さんにとってはいい思い出になるんだろうな~、なんて思いました。

また、皆さんの花束も全体的に赤系の花でアレンジされているものが多く、淺香さんのドレスとぴったりだな~、なんてことも思いました。(もちろん、偶然だとは思うのですけど)

(蕗谷虹児記念館 1500円)