05/10 ラフォルジュルネ新潟 公演番号361 井上静香さん | いぽぽぽぱんぱのブログ

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主に聴きに行った演奏会のことを書こうかと。

新潟市で2011年から演奏会に頻繁に行くようになりました。
主に地元で活躍されている演奏家さんメインです。
楽器経験もなく技術的なことはまったく書けません。
素晴らしい、楽しいなど抽象的な感想になると思います。

ラフォルジュルネ記事は1日目みたいに1日で1記事にしようかと思いましたが、
だらだら書いていたら非常に長くなったので公演ごとにします。

【ヴァイオリンが奏でる日本のパシオン】

ヴァイオリン:井上静香さん

私が一番好きなヴァイオリニストの井上さん。
ラフォルジュルネのプログラムが発表になった際に、

井上さんが今年も来るのか? 
そして、来てくれるとしたら演目はなにか?

というのをまず最初に確認して、

プログラム内に井上さんの無伴奏のソロの公演を見つけたときに、
「これはなんとしても行かなくては!!」
と非常に楽しみにしていました。
私にとって今回のラフォルジュルネでのメインイベントです。

会場はメインのりゅ~とぴあ周辺ではなく、
旧小澤邸。

開場の10分前くらいに到着。列の2番目に並びます。
並んでいる最中も耳をすますとリハーサルの音も漏れ聞こえてきます。
ある意味音楽専門の施設ではないですし、それも良し。

開場し、最前列を確保。
会場は45席しかないという贅沢なものです。

黒をベースとした衣装を身にまとい井上さん登場。
元々、日本人作曲の曲で公演をしてみたかったということもあったそうで、
ラフォルジュルネのテーマにも合わせて今回の公演となったとのこと。


まずは小林亜星さんの「風の盆~越中おわら節~」
正直、プログラム名で曲名をみただけではヴァイオリンで民謡?って思ったのですが、
当然ですが、こういったメロディを聴くと日本人の血が騒いできますね。

狭い部屋で、井上さんから1mか2mくらいしか離れていない距離で聴くヴァイオリンは、
音が振動となって直接からだに響いてきますね。また、演奏中にヴァイオリンの側面というか床面をたたいての音というかリズムも印象的でした。


続いて、竹内邦光さんの「落梅集」。
この曲は3つの小品からなっているとのことでしたが、
私が知っているのは2013年にコンチェルトさんでのインストアライブやソロリサイタルで聴かせていただいた「古謡」のみでしたが、
この公演では3曲全曲演奏でした。

「古謡」を2013年に聴いたときの感想をブログから振り返ると
・ものすごい迫力
・メロディが予測つかない
・緊張感がある

的なことを書いているのですが、繰り返し聴いているとメロディもかなり耳になじんでくるだけでなく、なんとなく印象がつかめて来るような感じがするんですよね。
「古謡」はYouTubeで井上さんの演奏動画が上がっています。


全体的に悲しみというか哀しみというか、怒り、、、それも爆発される怒りではなく静かに内に秘める怒りてきなものが伝わってきて、
それが途中に挿入される子守唄のメロディに象徴されているような。。。。
(ぜんぜん見当違いの感想だったら恥ずかしいですが)。

今回のラフォルジュルネのテーマ「パシオン」で、この曲は胸躍るような愛のパシオンではないですが、まさに日本人のパシオンかな、なんて思いました。

「流離」「古謡」「たぎりおつ」の全曲とも非常に緊張感あふれ、
また本当に大迫力。本当にしびれました。息をするのもはばかられるくらい。
特に弦を弓ではなく指で直接はじいて音を出すときが、なんというか遠慮なく、
かなりきつく弾いているのも、なんとなく観ているこちらがびびってしまいます。

演奏がおわると「ほ~っ」とため息です。


続いてイザイの無伴奏ソナタの3番「バラード」。
これまた、井上さんも演奏前にトークで「緊張感のある曲が続きますが...」とおっしゃられていましたが、「バラード」なんて曲名だとなんだか優しい感じの曲を想像してしまいますが、激しく緊張感がある曲ですね。
まだまだ聴きこなせないのですが、この曲のどの辺が「バラード」なんだろう? という感じ。

でも、落梅集もそうですがこういう激しく緊張感満載の曲での井上さんの演奏は本当に大好きです。


プログラム最後は、ヴィオラに持ち替えてのヘンデル(細川俊夫編)「私を泣かせてください」
前の2曲が非常に緊張感あふれる演奏だったということもあり、ちょっとクールダウンさせてもらった感じです。
でも、ヴァイオリンとはまた一味違ったヴィオラの重厚な演奏を聴くことができてお得でした。

最後、この公演にお客さまとして「落梅集」の作曲者の竹内邦光さんご本人がいらっしゃったということもあり、鳴り止まない拍手に応えてのアンコールは竹内さんが編曲されたという「この道」で締めとなりました。

旧小澤邸という和風情緒あふれる場所で、大好きな井上静香さんの演奏。
本当に大満足でした。

(旧小澤邸 前売り3000円)

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井上さんの演奏はシャープで演奏中の表情も厳しい感じですけど、
それに反してトークは本当に柔らかいんですよね。
「今日はお世話になった方たちや知り合いも多く見えて緊張してしまいます」
なんてちょっと照れ気味に話す井上さんは演奏とのギャップがすごいです(笑)。


井上さんはこの公演の終了後2時間後には場所をりゅ~とぴあに移して2つ目の公演が予定されているということもあったと思うのですが、
演奏後、数分くらい小澤邸を見学していると軽く着替えられた井上さんが出てこられて、そのまま小澤邸前で待機させてあったタクシに乗り込みました。
大変ですね。。。

まあ、私は井上さんの次の公演まで2時間。
ゆっくり時間をかけてりゅ~とぴあに向かいました(笑)。

演奏会場
小澤邸は「和み時間」さん、笠原さん大作さんの公演に続いて3回目でしたが、今回は初めて入る部屋でした


庭園


重要文化財でもある小澤邸の展示物のごく一部。