8mm、10mmのベンド型のエンドピンを練習室で比較してみました | iPhone De Blog

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iPhone3GSからiPhoneユーザのLEONがiPhoneやAndroidなどを中心にしたデジタル系ガジェット、IT関連ネタ、趣味のコントラバスやチェロを中心としたクラシックネタ、2022年から始めた自家焙煎に関する話や日常の話まで幅広く書いてます。

こちらも3月頃の話で、前回記事の続きです。
 

午前中は公共施設の小練習室でエンドピンの比較をして来ました。

 

 

同じアルフェのエンドピンの太い物(9.8mm)と細いもの(8mm)です。

 

 

聴いた印象は、生音にしても低遅延Bluetoothでモニターにしても自宅とは印象が変わりましたが、方向性は同じでした。

 

但し、自宅だとより輝かしく聴こえる8mmの輝かしい部分が減って、自宅だと野暮ったく聴こえる9.8mmはそれ程でも無いと言う事で、音色は比較的近くなった印象で、9.8mmの方が音量が大きい印象でした。

 

やはり自宅の場合は様々な物があり形状も複雑となっているのに対して小練習室は部屋の形状もシンプルで何も無い状態の為だと思いますが、実際演奏する場所はこちらに近い状態でしょう。

 

自分の耳の感覚では方向性は分かってもやはり定量的に把握したいので、iPadのRTAアプリで測定してみた所、印象がそのまま数値に出ていました。

 

 

今回の測定は単線ではなく、各弦を自由に開放だけでなく押さえたりして高い所から低い所まで同じ様な弾き方で幅広く音出しをしてピークを測定してみました。

 

実音の帯域となる100〜1kHz辺りは帯域によってムラはあるものの明確に9.8mmの方が音量が大きい帯域もあります。

 

一方、8mmの方はピークの音量は劣るものの、この帯域でのムラが少ない様です。

 

太い方が音量が大きく聴こえるのはやはり抜けて大きく聴こえる帯域がある為でしょう。

 

低い音域は予想通り9.8mmの方が良く出ている様ですが、高い音域では9,8mmは綺麗に落ちているのに対して、8mm は比較的高い音域で伸びてる音も多く、この辺りが細い方が輝かしく聴こえる理由でしょう。

 

自宅で聴くとこの差がかなりある印象でしたが、小練習室で聴くとそれ程感じ無かったのは部屋の残響の影響もあるかもしれません。

 

今回のデータに現れなかった印象で、音の伸びがありました。

 

太い方が音が伸びるんですよね。例えば、スピード感のある2分音符で中身が詰まった音が欲しい場合に、細い方は途中で音量が失速しそうになるので右手でカバーしないといけませんが、太い方は最後まで音が伸びる様で弾きやすく感じました。

 

但し、細い方はその分手応えが軽いので小回りは利く感じです。

 

恐らく、エンドピンの質量の違いによる慣性の差によるものだと思われます。実際、音を出している時にエンドピンを触ると結構振動していますが、質量が大きい方が慣性が働いて一度与えられた振動が持続する傾向にある為でしょう。

 

ここはシンプルにある程度太い(重い)方が音量が出ると言う一般的なエンドピンの特性と差は無いと思います。

 

自宅で弾いている時はこれが右手で重く感じるのですが、こう言う、一定の残響がある場所ではそれ程差が無い様です。

 

凡そ自分が自宅で比べてみて得た印象と同じで、細い8mmは明るくてムラがない音色で、パワーは落ちる部分もありますが軽いA線を多用するチェロアンサンブルや音量は不要だけど細かいニュアンスの必要な室内楽等ではこちらのエンドピンの方が良いかもしれません。

 

太い9,8mmは全般的にパワーがあって音の伸びが必要なソロ曲やオーケストラ等で良いかもしれませんし、太い方は楽器も安定する為、その点でもメリットがあります。