弦楽器奏者必見 KRENTZ MODULATORとは? | iPhone De Blog

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2009年12月7日からスタート
iPhone3GSからiPhoneユーザのLEONがiPhoneやAndroidなどを中心にしたデジタル系ガジェット、IT関連ネタ、趣味のコントラバスやチェロを中心としたクラシックネタ、2022年から始めた自家焙煎に関する話や日常の話まで幅広く書いてます。

これを見て、一体何なのかわかった人は相当な楽器オタクだろうが恐らく居ないだろう。

日本でこれを紹介するのはこのブログが初めてだと思う。



この箱に入った状態を見ても多分良く分からないと思うがこれはいわゆるウルフキラー(ウルフエリミネーター)だ。



構造は下の図の様に、両端が強力な磁石で塞がれたポリカーボネート製のチューブの中に同様に両端の磁力で反発して中空で留まっている磁石が入っていてる。

この本体を内側、帽子の様な形のマグネットを表板側に置いて磁石で表板を挟む様にして取り付ける。



これを開発したKRENTZ氏の話ではウルフトーンと言うのは表板と裏板の振動の差によってお互いの振動が相殺されてしまう状態だと説明している。

振動が相殺された状態とそうでない状態が発生する為、狼の遠吠えの様なウルフトーンが発生する。

この事から、表板に錘を取り付け、振動の周波数をズラせば消えるだろう。と言うのが理論だ。

説明書はこんな感じだが、多分、実際に使ってる動画を見ないとわからないだろうから、そのリンクも張っておくが説明は当然英語。
でも実際の使い方はイメージ出来る。

https://www.youtube.com/watch?v=e5YznCPjzZM





これを取り付ける方法は二通りあって、動画では落とす方法を使っていたが、一番最初は怖くて添付のモールで吊るして取り付ける方法とした。


その後、思い切って落とす方法をやってみたが、案ずるよりで、動画の様に簡単に固定される。

外す時は出来るだけ表板を下に向けてf字孔の場所へズラして行くと表板側のマグネットへパチッとくっついて孔から引き出せる。

このマグネットは相当強力で運搬の振動等で外れる事は無いと思うが、仮に外れた場合でも表板を下にして何処かある程度場所が分かる場所にコロコロと持って来て表板側からマグネットを当てると、取り付け同様にパチンとくっつく。

一番問題は取り出す時に表板側のマグネットと一緒に下に落としてしまう場合。

この時はf字孔の下の部分までコロコロと持って来て、磁石のくっつく棒の様な物、例えばドライバーなどを孔から入れると表板側のマグネットがそれにくっつくので釣り上げると簡単に取り出せる。

果たして肝心の効果は、動画同様に。。。

抜群キラキラ

最近オークションで30年ほど前のヘフナーを格安で手に入れたんだが、これが気持ちいいくらいウルフが出る
苦笑

古いタイプのロゴで、シリアルはまだ3万番台なのでかなり古い事が分かるが、これが又良く鳴る。



裏板も中々綺麗だ

良く鳴る=裏板もよく振動するからだと思うが、Fの部分にウルフの見本の様に面白い様に出る。

頭書は当たり前のウルフキラーを探していたが、たまたまこれを見つけたのでアメリカのKRENTZのサイトからオーダしてみたと言う訳だ。

使ってみると分かるが、このウルフキラーの最大特徴は表板の振動の特性を変える働きをするポリカーボネートのチューブの中にある中空で留まっている磁石「MagneticPiston」だろう。

表板に単に錘を貼ると言うタイプもある様だが、それだと表板の振動を完全に減衰させるので全体の音量にも影響が発生するが、これは共振しているポイントを探してその一点の周波数だけをPistonで強力に吸収しようと言う発想だからウルフを吸収する効果に比較して減衰させる力が非常に大きい。

当然、取り付ける場所によって効果を加減する事も可能で、ピンポイントで狙えるのが嬉しい。

弦に取り付ける単に錘を付けるだけのタイプの様に特定の弦の音色が変わったりする事も無く、ミュートの付け外しの邪魔にもならない。

欠点といえばズレる可能性があると言う事。
例えばちょっと楽器を拭いたりする時に表のマグネットに触れてズレる可能性がある。
楽器の表板に当たる部分はフェルトが張ってあるので傷が付くことは無いだろう。
ちなみに、これが振動で外れることは先ず考えないで良いだろう。
これが外れる様な振動が加わる時は楽器そのものにも相当影響が出てる筈。

後は値段が高い事汗

現在の為替レートだと1本2万円弱するので、それをどう考えるかだろう。

これはチェロ用だが、バイオリンからコントラバスまで揃っている。

チェロだけはサイズが2種類あって「Slim」と言うタイプが存在する。

これはf字孔のサイズが標準的な物以外に、古い楽器では小さい物が存在する為らしく、自分のもしオーダするなら楽器のf字孔のサイズを確認した方が良い。

ちなみにこれは標準サイズで、当然標準サイズの方がマグネットの質量が大きく吸着力が大きいので外れ難いからf孔が標準的な大きさなら標準サイズをオーダする方が良い。


https://krentzstringworks.com/innovations/modulator/