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チェロを始めた頃は本来コントラバス弾きなので、高い音が出るよりも低い音が出ない不満の為、セッティングがマイルドな方向へ行っていたが、最近、チェロの音色に耳が慣れてくると、どうしても華やかな音に憧れる様になって来た。
特にイタリアの楽器などは実に華麗な音がする。
そこまで行かなくとも多少音色が明るくならないか?と思って駒を替えてみることにした。
知らない人も居るかもしれないけど、駒にはベルギー駒とフランス駒(ドイツはフランスと基本同じ)があって形が違い、形が違う為、音色のキャラクタが変わる。
基本はベルギーは脚が長くて華奢、フレンチは脚が短くてしっかりしている。
見た目で言うと、駒の真ん中に空いてる穴がハート型が源氏パイ型かの違い。
ハートの方がフレンチで、源氏パイの方がベルギーで、ベルギーが源氏パイ型なのは駒の脚を長くする為の工夫の様だ。
フレンチ駒は当時の馴染みの楽器屋さんに頼んで付けて貰ったオーベルトのフレンチ駒。
当初フレンチ駒へ替えて、テールピースをローズ・ウッドに替えて、エンドピンをチタン+真鍮製に替えて低音が出るようになったんだけど、前述の通り、もう少し明るい音色にしたくて駒をちょっと替えてみる事にした。
駒の形状から見ても捩れる部分から上の体積がベルギーの方が少ないので低音は鳴りにくくなるかもしれないけど、脚が長くなって華奢になる分、中域から高域は良く反応する様になる筈で、楽器の音色が明るい方向へ行くのと弦のキャラクタがハッキリ出そうなのは予想出来る。
駒が厚くて重たいと言う事は大きなフィルターが掛かってるのと同じなので、弦の細かいキャラクタも出にくくなるような気がする。
ただ「気がする」だけで替えるのはチャレンジャーなので、テストする為に、元々付いていたベルギー駒を自分で取り付けてみた。
方法は何度かやってるタイベルトで魂柱部分を締めて外す方法
ただ「気がする」だけで替えるのはチャレンジャーなので、テストする為に、元々付いていたベルギー駒を自分で取り付けてみた。
方法は何度かやってるタイベルトで魂柱部分を締めて外す方法
結果的には予想以上で、高音は明るくなると言うより力強くなり、低音のパワーも残りながら音が前に出る感じになった。
恐らく、最初に駒が付いていたセッティングとはテールピースやエンドピンが変わってるのでその関係だろう。
丁度翌日レッスンだったので師匠に聴いて貰ったら「悪くないけど何か詰まった感じがする」と言う事だったが、確かに、自分もそう言う(鳴りきって無い)気がしていた。
恐らく、駒の材質(何処の駒か不明で、自分が見てもあまり品質が良くない駒)と駒に合わせて魂柱の調整をやってないからだろう。
そこで今の行きつけの楽器やさんへ持ち込んで良い材質のベルギー駒へ替えて貰った。
もちろん、調整も含めてだが、やって貰った結果、かなりイメージに近い音色になって来た感じだ。
なんちゃってベルギー駒よりは駒の材質も良く、音質は比較的上品だが前に出るパワーがある感じだ。
弦楽器というのはこんな板切れ一枚で音色が劇的に変わってしまうんだから面白い。