安全は他人任せでは手に入らない | iPhone De Blog

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2009年12月7日からスタート
iPhone3GSからiPhoneユーザのLEONがiPhoneやAndroidなどを中心にしたデジタル系ガジェット、IT関連ネタ、趣味のコントラバスやチェロを中心としたクラシックネタ、2022年から始めた自家焙煎に関する話や日常の話まで幅広く書いてます。

先日、中国から輸入されているナゲットを作る状況が酷いと言うニュースが入って来て、これを使ってる多くの企業が取扱を止めたり自粛など始めている。

気になったのは、検査で確認出来なかったと言う事。

独自検査をやっているところもあった様だが、結局、元々の製造までは管理しきれて無いから、そこでやられれば、全品検査しない限り難しいだろうし「自分達が食べる物じゃないから何やっても(金になれば)良い」と言う感覚の人間が多い国の様で、「鰻の養殖池にも怪しい薬を沢山投入しているので、中国の輸入鰻は食べない方が良い」と聞く。

もちろん、中国に限らず、ベトナムからの輸入品も同様の事があると言うニュースもあったし、中には、同じ日本人で、そう言う原料は安い為、安全に製造されていない事を承知で輸入し、それを偽装して販売する人間もいるから、どうしようも無い。

結局、安全は他人任せじゃ難しいと言う事だ。

これは食品に限った事では無い。

例えば、最近あったベネッセのデータ流出にしてもそうだ。

個人情報の管理を丸投げにして、それをまた丸投げしてるんだから、そこで流出してしまっては、どうしようも無い。

また、原発に関しても以前から、下請けの孫請けの曾孫請けなんてのが存在しているのは公然の秘密となっているし、震災以後も丸投げ体質は以前と変わっていない様で、再稼働する為の根拠付けまで他人任せとなっていて、安全を保証する人間なんて居る筈が無い。

再稼働して、最悪何かあった時でも「想定外」と言う便利な言葉でチャラにするつもりだろう。

食品の材料は殆どが輸入品、仕事は外注を中心とした外部委託。

元々、日本と言うのは終身雇用により人を雇い、企業と人は共に生きて行く宿命だった。

大企業と言うのは雇われている従業員が沢山いるから大企業であり、だからこそ大切にすべき存在でもあったし、その頃は企業が潤う事でそこで働いてる人間も潤うと言う事実はあった。

ところが、コストや利益を優先して行く時代の流れに加えて、息子が役者をやってる総理大臣が「派遣」と言うシステムを表舞台に引き上げてやった事から、人員はどんどん少なくなり、大企業と言っても実質的に雇用されている人間はごく一部、昔の企業規模にしては非常に少ない人間で構成され、それ以外は全て派遣会社や外注企業への外部委託を取る様になってしまった。

個人的には、この辺りから一気に日本という国はおかしくなってしまった気がする。

現代では、大企業を幾ら大切にしても何のメリットも無いのに相変わらず法人税減税して企業が儲かれば庶民が潤うなんて夢の様な話をほざいてる政治家や御用学者は一杯だ。

昔の日本製品は技術力や製品の品質と言う点では比類ないものだったが、今は必ずしもそうとは言えない。

重要なことは全て外部へ委託して、今は主流の部品関係はアジア諸国で製造して、国内では組み立てるだけと言う様なレベルとなっているので当然だろう。

第一、国内で仕事している連中だって外注や下請け、派遣なのだから「所詮、俺には関係ない」と思いながら仕事してる人間は大半なのだから当然で、正規雇用の人間も何かあったら自分の身が危ないので、普段から「ミスしない、ミスしても人の責任にして自分は逃げられる様にする」と言う事にしか注力してないからまともに仕事が出来る奴が居る筈もない。

公務員にしても同様で、最近、パスポートを作りに役所へ出掛けたが、パッと見たところ在席している人間の殆どは正規職員ではなさそうだったし、調べて無いが、
実際、数字的にも非正規雇用者は年々増えていると言う話を聞く。

当然、彼らがミスしても正規職員は「自分たちの責任ではない」と言う感覚はあるだろうし、バイトの連中も「私はアルバイトなので」と言う感覚はあるだろう。

先のベネッセが謝罪する為に外注企業を使ってると言う話を聞いたが、これはベネッセに限らず、他の企業でも同様で、社会に大きな影響を及ぼすくらいの企業にも関わらず、実はまともな社員はそれ程居ないんだから当然だろう。

この様に、社会全体の流れを他人任せにしておいて、何故、防衛だけを他人任せにしないのか?

わざわざ憲法の解釈を変えてまで、自前でやろうとするなら、それ以前に自前でやらなきゃいけない事は沢山あるだろう。

例えば、食料自給率の向上もそうだ。

現在の非正規雇用か正規雇用と言いながら使い倒すブラック企業の中で疲弊しながら働いてる若者達の生活環境を変える。

教育の現場での予算をもっと増やし、本来の学問への意欲を起こさせる。

結婚して子どもを生むことが素晴らしいことなんだと分かるような社会的なシステムを作る。

将来を見据えて、やらなければならない事は沢山ある訳で、自国を守るというのはそう言う事だろう。

愛国心を振りかざす前に、そう言う、国民に愛される国を作るべきであり、国民が活き活きと暮らせない様な国は守る価値は無い。

単なる縄張り争いで命を亡くすくらいなら、どうせ他人任せの国だ。強いものに巻かれる方がナンボかマシだろう。

だからこそ、以前は仕事を途中でほっぽり出して辞めた癖に、しゃあしゃあと演説をぶってる現在の総理大臣の底の浅さが垣間見える。