遠方で1泊2日だったので、もしヤバかったらいつでも張替えが出来る様に元の4度の弦も持参していた。
結果は無事に終了。
その県を代表する様なアマチュア奏者である大先輩と同じプルトで、その隣のプルとの表には元T交響楽団のプロ方を両隣に迎えて、正直「やば!」っと思ったが、この5日間、珍しくコントラバスばかり弾いて何とか仕上げていたので「◯◯さん音程悪いわよ」とクレームは言われなかったので安心したが、まだ自分の譜面台を立てて5度調弦のフィンガリングを書いた専用の楽譜を見てないとサッと弾けないのが問題。
途中から随分見なくても弾けるようになったが、本番は普通の何も書いてない楽譜を見るので、身体に入れておかないといけない。
5度調弦の一番のメリットであるC線もしっかり活用出来た。
例えばブラームスの初期の交響曲のチェロバスの楽譜を見ると、コントラバスが4弦で下はEまでしか出ない。と言うのを明らかに意識して書いてた事が伺える。
上記の楽譜は2番の4楽章で左がコントラバス、右がチェロだが、チェロは下のC#から音が上がっているのに対して、コントラバスは上のC#から上がって、一度下がって再び下から上がっている。
これなどはチェロと同じC線があれば明らかに下から上がって欲しかった場所だろう。
これ以外にも少し分かり難いが、こう言う場所も実は1オクターブ下で弾いて欲しかったのだろうと言う箇所があって、随所にこう言う処理が見られる。

5弦ならば、こう言う場所も適時下げて弾いても4弦は難しい。
そう言う場所を4弦でも下げて弾けるメリットは大きい。
特にアマチュアが5弦を持ってる事は少なく、5弦は総じてボディサイズと弦のテンションの関係か鳴らない楽器が多い。
それに反して弦が少ない4弦では弦のテンションも低く箱を押さえつけないので比較的音が良く通る。
もちろん指板が狭いので運動性も良いし、E線にExtentionを付けて長い状態で弾くのとはまた違う鳴り方をして面白い。
一度始めると、結構病み付きになりそうで、昨日は帰ってチェロも弾いてみたが5度調弦の地図が一緒なので、今まで長い時間コントラバスを弾いた直後にチェロを弾いて感じる「違う楽器を弾いてる」と言うフィーリングが少ない。
もちろん、コントラバスの方が楽器が大きいので「小さ!」と言うのはあるけど、左手に関して言えば、少し開き過ぎるところはあるが、寧ろ良く手が開いて良いかもしれない。
もちろん良いこと尽くめではない。
チェロを弾くと、弦を押さえる力が強くなってるので無駄にしっかり押さえてしまい、ヴィブラートで上手く力が抜けない感じがするし、コントラバスの場合はとにかく長3度は一度で取れない場合が多い。
極力第4ポジションへ上がって同じポジションで取れるようにしたいが、それも限界がある。
例えば、ラド#ミなんてのは第4ポジションで取ればシフト無しで取れるが毎回そうとは限らない。
4度調弦なら全くシフトなしで例えば、ラド#ミなんてのは取れるのに、5度だとG線でラを取って同じG線でド#ミと取ればシフトが最低1回、D線でミを取る必要があると、全てシフトで取る必要が出る。
これは忙しい曲では非常に大変で、3度など音が跳びやすいので、押さえた瞬間に音が正しいかどうかを一瞬で判断するソルフェージュ力も必要となる。
もちろん、それまでに正しいシフトができてる事も重要で、それまで当たるも八卦当たらぬも八卦で取ってた様な人は無理だろう。
但し、幸いな事にこちらが押さえてる場合、他のメンバーは開放弦で弾いてるケースも多く、下のラは押さえないと出せないが他のメンバーはほぼ開放弦の場合が多いので、押さえてる時に周りの音に合わせれば良いしソも同様だ。
逆にこちらが下のソや上のラを弾いてる時は他は押さえてるのでできるだけ開放弦を使えば正しい音程を伝えることが出来るので、1人5度調弦で弾ける人間が入ると良いコンビネーションが出来る筈だ。
実際に合奏に参加してみてその辺が分かってきたが、冬まで今のところ4回はコントラバスで客演の予定があるので、それらを通じて完成度を上げて行きたい。