チェロの公開レッスン | iPhone De Blog

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2009年12月7日からスタート
iPhone3GSからiPhoneユーザのLEONがiPhoneやAndroidなどを中心にしたデジタル系ガジェット、IT関連ネタ、趣味のコントラバスやチェロを中心としたクラシックネタ、2022年から始めた自家焙煎に関する話や日常の話まで幅広く書いてます。

Facebookでは書いてたので忘れていたが、先日、公開レッスンへ参加した。

講師はN◯K交響楽団のFさん。

僕がチェロを手にして1ヶ月程の時にチェロの手ほどきを受けた最初の師匠で、今回で1年ぶり2回目となる。

場所はこの辺りでは数少ない小規模音楽ホール。

ちなみに、僕の住んでる街は規模の割りに小規模の音楽専用ホールが少ない。

関東辺りに行くと何処でもありそうな感じだが、幾つかある市民ホールも昔ながらの多目的ホールと言うやつなのでまともなコンサートでは使い物にならないものばかり。

アナウンサー出身の市長が居るが、そう言う文化面は一向に改善されることも無く、パフォーマンスばかりでどっちへ走ってるのか良く分からない。

まあ、それはともかくとして、先日の公開レッスンはその数少ない小規模の音楽ホールで開催された。

時間も朝から夜まで終日で贅沢な一日だったが、平日だったのもあるのか聴講も少なく、そう言う意味では箱があっても使う人間が居るのか?と言われたら一言も無い気もする苦笑

僕は主催者とは知り合いで、朝、遅れた主催者の代わりに鍵を開ける事になって、暫く貸切状態となり、贅沢に1人でホールの響きを楽しめた。

早起きは三文の得と言うやつだキャハハ

レッスンは個人、デュオ、カルテットと言う内容で、僕は個人のみで他は聴講した。

レイトスターター向けの公開レッスンと言う事だったので、それ程弾ける人間もおらずレベル的には大したこと無い内容だったが、チェロは1年ちょっとの自分には「なるほど」と言う事も多かった。

コントラバスでも随分沢山の公開レッスンへ参加したが、公開レッスンの良い所は他の人がレッスンを受けているのを見られることで、何処に問題があってそれをどう解決すれば良いのか?と言う筋道を見ることができるので、人の振り見て我が振りを直せる訳だ。

もちろん、他の人に見られながらのレッスンだから緊張するので、それも良い。

まあ、場数は多いので、ステージに上がる事は実はそれ程緊張は無かったが、さすがにピアノ伴奏も無く丸裸だとビビるのは言うまでもない。

僕はレッスンではフォーレの「夢の後に」を受講したが、昨年来、5回ほどFさんのステージを見てきて、あれこれと質問したい事があった為、1時間のレッスンの半分はそれらの質問や、今こんな風にやってるんですけどどうでしょう?と言うアドバイスを貰う事で、曲に関しては、原曲の歌の解釈とフレージングに関して非常に共感されて、興味を持って頂いた様で、研究の成果があった。

※フォーレの「夢の後に」に関する話はこちら

その際に、往年のチェロの名手トルトリエはフランス人だからフランス語でチェロを弾いてますよ。と言う話をしたところ、Fさんもトルトリエからチャイコフスキーの「ロココ調」のレッスンを受けた時に歌いまくったら「これは語りだ」と言われて、何か喋りながら弾かれていたらしい。

僕がYouTubeで聞いたトルトリエの「夢の後に」もまさにそう言う語りの様な演奏だったのを思い出して二人で共感していた(笑)

技術面では、Fさんの後輩に当たるK響の首席チェロ奏者の師匠から月に2回のレッスンでみっちり鍛えられている為、基礎的な面は全く指摘が無かった。

楽器の構え方も1年ぶりに確認して貰ったところ「全く問題ない非常に自然です」と言われたので安心した。

お互いに共感したのは左膝のフィーリング。

楽器の高さの決め方は色々あるのだが、左膝に当たる楽器のフィーリングはかなり重要で、Fさんも若い頃は、師匠と同じようにかなり楽器を上向きにして膝の上に乗せていたが、今は内側に当たる程度に構えている。と話されていた。

僕の師匠はFさんよりも7,8歳若く、かなりエンドピンを伸ばして楽器を上向きにして弾いているので若干膝の上部に楽器の裏板が当たる状態となっている。

僕も師匠のレッスンをスタートした当初は、師匠と同じようにエンドピンをかなり伸ばして膝の上に楽器が乗るくらいの状態だったのだが、この姿勢は背筋もある程度必要で、中々ツライ物があり、徐々にエンドピンを短くしていきながら現在の状態へ来た。

ここには書ききれない程の収穫があったが、ひとつ紹介すると、
僕以外のレッスンで、「あ!」と思ったのはビブラートのイメージ。

「僕が日曜大工とかして作った様な、単なる板に脚を4本釘で打って付けただけのテーブルを作ったとすると、そう言うテーブルの上に手を乗せてちょっと押すとグラグラするでしょう?ビブラートの動きってそんな感じです。」

と言われて「あ!」と思った。

普通、ビブラートを意識する時は弦を直接押さえてる指先の方を意識するが、そうすると指先に力が入って固くなり「グラグラ」しない。

要するにテーブルの脚の下側が固定されている訳だから動く筈がないし、弦を押さえている点に対して回転させるイメージになってしまう。

手の甲をテーブルとして見て、それを平行に動かすイメージを持てば、変に手首を回転させるローリングビブラートにもならない。

もちろん、指先を意識的にグニャグニャ曲げて掛ける訳でもない。

テーブルの脚が自分で曲がることは無い。

手の甲から先の関節がグラグラするのは自然な状態に任せてテーブルの上の面(手の甲)を(前腕で)動かす様にすれば良いのだ。

これはどの楽器にも通用する素晴らしい例えだ。と感心した。

それにしても、その前々日にオーケストラの演奏会、翌日はヴァイオリンとのデュオをやって、朝から晩まで、12時間近くレッスンをされて、次の日は又リサイタル、東京へ帰るとカルテットの練習。と言うハードなスケジュールをこなして行かれるFさんはまさに「鉄人」だ
すげ~

そのFさんの新しいCDが出来たが、ハープを伴奏で使ったチェロの名曲が並んだ素晴らしいアルバムとなっている
ぺこ

レッスンではFさんの音色の秘密も色々質問して「演奏の時にこんな事をされてますけど、何か理由があるんですか?」など、かなり技術面に肉薄し、中には「えー確かにそれやってるなぁ。。でも、それは生徒にはやっちゃいけないって言ってるから(笑)、それにしても、良く見てますね。自分でも今気が付いた(笑)」と言うのが多く、感心され、夜、たまたま二人で食事した時に「お仕事は何か分析をされる仕事でしたっけ?」と聞かれたほどだった
苦笑

僕は、これ!と思った奏者は徹底的に研究する。その為、「追っかけ」と言われるくらいコンサートも行く。

もちろん、その人が全てでは無いが、やはり一流奏者をじっくり研究すると、1回めでは気が付かないけど2度めのコンサートで「うん?」と思い3度めのコンサートで「やっぱり」と思うことも多い。

最近はYouTubeなどの動画で多くの奏者の演奏が見られるが、やはり学ぶならライブに限る。

僕はこの公開レッスンでは真後ろから見える位置にも行って右手の動きなどを見たが、僕は機会があれば、奏者の後ろか見る事も多い。

後ろか見ると前から見て気がつかない事も多く、自分が弾いてるイメージにラップしやすい
かお

日本でもトップクラスの実力派チェリストなのに、非常に気さくで、こちらでもFさんを慕っているお弟子さんは多く、こんな素晴らしい人にチェロの手ほどきを受ける機会を得て、「先生」と呼べるのは幸せなことで、今の師匠も本格的に定期的なレッスンを受けたいと思った頃にこちらに来られてのだが、自分には金運は縁が無い様だが(笑)、これまで振り返っても「音楽的な出会いの運」というのはある様な気がする
にこ

但し、そう言う「運」を活かせるかどうかは自分の精進次第なので、これからもしっかり練習をしなければいけない
苦笑