チェロの弦の寿命というのはどのくらいなのだろうか。
12月の終わりに張り替えてみた「オブリガード」だが、ほぼ毎日弾いてる頻度の高さからか、音質がイマイチな感じになってきた。
張った当初からすると明らかに音量、音質ともポテンシャルが下がって来た感じだ。
約4ヶ月で少し早い気もするが「オブリガード」は寿命が短いと書いてるのをネットでも散見するので、「イマイチな感じ」と言うのはそうそう外れでも無いのかもしれない。
楽器を購入当初張ってあった弦は「ラーセン」だったのだが、駒がベルギータイプであった為、ただでさへ高音が鳴るラーセンの高音がキンキンして気に入らず、その後、駒をフレンチタイプへ変えて弦も「オブリガード」へ交換して比較的落ち着いたセッティングにしていた。
ただ、前述の様に、音に精彩を欠く印象が強くなった為、当初のラーセンを張ってみた。
A線は中々クリアさが増して、他の弦も比較的明るくはなったのだが、もう一つインパクトが無いものの、やはり多少音量や音質のポテンシャルは上がった感じだった為「オブリガード」の劣化と言う結論になった。
確かに外したオブリガードを見てみると、A線や他の弦も固くなりつつある様だ。
実は2月にコントラバスの弦を頼んだ時に、C線が爆音らしい、スピロコアのタングステン巻のC線を購入していたので、C線だけにそれを張ってみた。
オブリガードを張って1ヶ月くらいの時に買ったと思うが、その時にオブリガードのC線と交換してみた時は、それ程差がない感じだったので、もう少し経ってから使おうとお蔵入りしていたのだ。
さすがに4ヶ月経過した現在では明らかに新品のスピロコアが最強だ。
ただ、この弦は相当音量にインパクトがあるが、コントラバスの弦と同様、金属音が多いスピロコアの音で、若干ザラつく感じはする。
まあコントラバスの音に近いと言えば近いので違和感は無いのだが(笑)
暫くラーセン+スピロコアCで行くつもりで使っていたが、ラーセンのA線は弦が細くてどうも気に入らない。
少し弓圧が高いと音が裏返るし、キンキンした感じは健在だった。
元々コントラバス弾きなのでチェロのA線のキンキンした音はあまり好みではない。
もちろん、ラーセンもオブリガードにしてもまだ使えそうな感じなのだが、円安誘導の政策の影響で輸入品が値上がりしつつある。
クラッシックの弦などは全て輸入品で、ここ数年は円高の恩恵で価格が安くなっていたので、安い間に入手して張り替えてみようと思いオーダしたのが
A、D線 PIRASTRO PASSIONE(パッショーネ)
G線 LARSEN MAGNACORE (ラーセン マグナコア
の組み合わせ。
C線は スピロコアのタングステンをそのまま使う予定だ。
PASSIONEはヴァイオリンなどはガット弦の様だがチェロの上の二本A,Dはスティールコア、下二本G、Cはガットコアとなっている様で、この辺はオブリガードと同じ構成。
つまり、下二本のガットコア弦と混じる音色という意味では、オブリガードに近い音色では無いかと期待している。
G線をラーセンのマグナコアにしたのも理由がある。
マグナコアと言うのは、ラーセンが名付けた素材の名前で、そのコアの外側にタングステンを巻いている構造となっているらしい。
特徴としては音量があり金属系の雑音が少ないと言うのがウリと言うことで「Spirocore Killers」とも呼ばれている様だ。
そう言う意味で、C線のスピロコアのタングステン巻とA、D線のPASSIONEの中間のポテンシャルを期待していて、スピロコアのパワフルさとPASSIONEの落ち着いた音色の中間を狙ってみた。
今のところ、スピロコアのタングステンのC線のパワフルさに匹敵するG線は同じスピロコアしかなさそうだが、反面、下二本をスピロコアにしてしまうと、上二本とのキャラクタがあまりにも違いすぎ、下のスピロコアのキャラクタに合わせると上の音色は派手な傾向になってしまう為、そのバランスを考えてみたのだ。
イメージ通りならば、中々強力なセッティングではないかと思っているが、来てのお楽しみだ。