元横綱大鵬が死去と言う記事が今朝の一面にあった。
大鵬と言えば「巨人、大鵬、卵焼き」と言う言葉があった。
これは堺屋太一が考えた言葉で、当時の子どもに人気があった物と言われているが、元々は、子ども が好きな物を喜ぶ大人を揶揄した言葉らしい。
そのくらい人気だったようで、若い頃の写真を見ると力士には似つかわしくない爽やかな甘いマスクだ。
当時、大鵬が出ると銭湯の女湯が空になると言われたらしい。
昭和の力士としては長身の187センチの八頭身で、父親がウクライナ人のハーフの為色白の甘いマスクで、史上最多の優勝32回と言う人気実力共に近代では最高の横綱だったのだから当然だろう。
残念ながら、僕が物心ついて相撲を見る頃は引退寸前でそれ程最強と言う感じでは無かったが、しなやかな印象だったのは間違いない。
その大横綱も持って生まれたものだけでそこまで辿り着けたわけではない。
大鵬の好きな言葉に「体得」と言う言葉があったらしい。
「投げを打とうと思って打つうちはまだまだ甘い。身体が勝手に反応して投げる反射神経を磨かなければいけない。徹底的に身体に染み込ませるんだよ。最近の力士は稽古が少な過ぎる。体得の尊さを知って欲しい。」
と言う言葉を残している。
道は違うが楽器も似たような物で、まさに楽譜を見たら頭で考えなくとも勝手に手が動くくらい弾きこまないといけない。
こう言う時はこうすると言うのも知識で知っているだけではそれ以外の時に役に立たないが「体得したもの」はその途中で多くのものを拾っているので応用が利く。
回り道の様だが意外に王道だ。
さしもの大横綱も病気には勝てなかった様だがしっかりリハビリに取り組んでいたらしい。
王道を全うした大鵬と言う名前は歴史に刻まれる事だろう。
ご冥福をお祈りします。
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