最近、書くことと言えばチェロの話が多いが(笑)、今一番のマイブーム
やはりコントラバス弾きのブログに比べると圧倒的にチェロ弾きのブログは多い
まあ、演奏者人口から言ってもそうなのかもしれないが、割りと初心者の人の動画を見ると、気になるのが左手。
右手はもっと気になるのだが、こっちはそこそこ長いこと弾かないと美しくは弾けないので仕方ない
左手の何が気になるかと言えば無駄が多いこと。
ヴィブラートとかもそこそこ掛かっているのに同じ弦でのフィンガリングで無駄に高く指が上がったり、移弦の際に先に押さえたり、最後まで指を残すと言う事が出来ない。
特に指を残すというのは大切だ。
僕はコントラバスでもう何十年もそのスタイルでやって来てるので、無意識のうちにそうなるが、例えばチェロの場合だと、ドミソドミソドと言うアルペジオを弾くとする。
1stポジションで、シフトなしでこれだけのアルペジオが弾けるから羨ましいが、順番として
開放弦(C線)→3(C線)→開放弦(G線)→4(G線)→1(D線)→4(D線)→2(A線)
と言う順番になるが、多いのが、3(C線)→開放弦(G線)のタイミングで3を離す人。
もちろん、それ以前に開放弦(C線)を弾いている時に既に次の3(C線)のポジションの上に指を用意しておくと言う順番があるが、その3(C線)を押さえた後に来る開放弦(G線)を弾く時まで3(C線)をC線上へ残しておいて、実は3(C線)→4(G線)と言う具合に動かなくてはいけない。
それでは開放弦(G線)を弾いている間に何をしているかというと、4(G線)の指をそのポジションの上に用意すると言う作業をやっている。
そして、4(G線)を押さえる時に初めて3(C線)は4(G線)の後ろに移動する。
その後、4(G線)→1(D線)となるが、少なくとも1(D線)を押さえるまでは4(G線)は残す。
つまり、同時に押さえる瞬間が出来る訳だ。
最後の4(D線)→2(A線)も全く同様。
書くと長ったらしいが、右手の動きと左手の動きは同期していないと言う事だ。
これをやることで何が良いか?
手の形(フォーム)が良くなるので音程が良くなる
無駄な動きがないので速い動きができる様になる
僕の場合はもう何十年もコントラバスでその方法をやってきたので頭で考えなくとも左手が自然に動くが、楽器が変わっても全く同じだ。
特にコントラバスの場合は、弦が太く、弦高も高いし、弦と弦の間隔が広いので、これが出来るかどうかで演奏の品質に雲泥の差が出来る。
初心者で速い動きで左手がバタバタ見えるのは大抵がこれが理由で、プロ奏者などの左手がスムーズなのはこれが出来ているからだ。
もちろん、これらの動きは最小限の指の高さで出来る限り押さえている指のアーチ型を崩さない事も重要だ。
押さえる度に伸びたり縮んだりしないということ。
チェロのC線やコントラバスのE線の様に身体の内側に近い弦は若干指が伸びるが、伸びきってしまわない。
そして、動きの基本は全て指の付け根部分で行い、その先の形は弦の位置に付随して若干伸び縮みするのみで、出来る限り変えないと言う事。
※この付け根の部分からと言うのは、大人の場合は関節が硬くなっている為動きにくいかもしれないが。。
ここに書いてあることはチェロに限らず、少なくとも2本以上の弦を押さえる楽器、例えば、ギターや二胡なども全く同じであり、もっと言えばピアノでも良く言われる事で、その上、これは最初のスケールや3度などの練習の時に意識して癖を付けるようにしておけば比較的容易に身につくもので、何十年もやる必要が無いということ。
『気になる』と言うのはそう言う意味で気になるということだ。
僕自身もそうだが、折角楽器をスタートして、その後長い年月やるんだからできるだけ初心者の段階で解決しておきたい問題だと思いちょっと書いてみた。