一方で、先日から元作家の東○都知事が、離れ島を購入すると言う話が話題となっている。
都知事と言う立場以上に、暴言、放言がマスコミを喜ばせるのだろう。
「妄言ターミネーターが中国を挑発」などと韓国のマスコミまで書かれている。
個人的に、この老人を見てると、自分の父親を思い出す。
技術者としては、非常に優れた人で、世界的な特許を取得したある製品を中心に、様々な油圧機器を開発して製造販売していた人で、最盛期には、某工業団地に、それなりの工場を立てて、50人ほどの従業員を雇っていた。
ちなみに、僕も大学を出て9年ほど、その会社に居たが、その当時を振り返っても、父は技術者としては素晴らしかったが、非常にワンマンな人で、人を育てることが全く出来ない人だった。
自分が優れているから、他人が出来ないのが良くわからなかったのかもしれない。
中には、優秀なエンジニアもいたが、結局、皆辞めてしまって、僕が辞めて10年ほどして、倒産寸前となり、最後は会社は人手に渡ってしまった。
父は、専務だった兄ともあまり仲が良くなく、僕はそうなることを予測していて、身内の会社だったが、それ以前に電子機器担当のエンジニアだった僕は、戻るつもりも無く「修行へ出る」と言う口実で、他所の会社へ行った。
只、父の言ってる事も、もっともな事は多かった。と言うより殆どはもっとな事だったと思う。
しかし、それを伝える時に怒鳴りつけたり、相手の話を聞かずに、一方的に決めつけたりする事により、言いたいことは相手の耳に届かず、結果、「口うるさい社長」としか扱われてなかった。
もし、父が人を育てられる人であれば、会社はもっと大きくなり、今頃、僕もこんなブログを書いていないだろう(笑)。
先の、都知事の話に戻るが、元々、この話をする予告として『危険な話をする』とマスコミへ期待させ、口を開けば、期待通りのまさに喧嘩腰で、挑発ともとれる発言。
中には、都民には全く図られる事も無く『購入することに決めた』などと言う勝手な発言や『東京が日本を守る』など、「東京は俺のもんだ」とでも思ってるのか、この老人には選挙で選ばれている感覚が無い事がうかがえる。
会見の内容も、元作家とは思えないような貧弱なボキャブラリーで、感情に任せて発言しているのか、彼の言いたいことが都民にも、国民にも、他国へもちゃんと伝わることは無いだろう。
そんな話は政治家を引退して評論家にでもなってから言ってくれ。
この際、話題の島の領土問題はここでは論じ無い。
僕なんかがここで演説をぶっても何の意味もないし、歴史的な知識もない。
個人的には、あちこちの国が、自国の領土と言っている事は「はあ?」と言う感じで、当然気になるが、少なくとも島を買う買わないで解決出来るとは思えない。
もし、この都知事に、領土に対してなんらかの意図があるならば、真摯に都民や国民、国や相手国へ訴え、ちゃんと伝わる言葉で伝えることが先だろう。
今のやり方では、問題は全く解決する筈もなく、右翼政治家と言われているが本気で戦争でもしたいのだろうかと思ってしまう?
政治家と言うのは、相手にちゃんと意図を伝えることも仕事の一つだし、必要な技術でもある。
随分前に「チャーチルメモ」の話を書いたことがある。
チャーチルは1940年から5年間の間イギリスの首相として、強力な指導力で、第二次世界大戦中のイギリス国民を引っ張り、トレードマークの葉巻と共に有名な人だが、チャーチルは演説の名手だった。
http://ameblo.jp/iphone-fan/entry-10654808790.html
自分の言いたい事を言って、やりたい事を勝手にやり、自分に反対する者は切り捨てれば済むのは政治家では無い。そんなのは300、400年くらい前の日本に戻って領主か何かになってやってくれ。
最近も、この都知事と似たような体質で、バラエティ番組のゲスト出身の大阪市長を、都知事と合せてこの国のリーダーへなどと言う声が聞かれるが、不偏の意志を持っている事と強い発言が出来る事を混同している人間が多い。
これでは、昔、ヒットラーに踊らされたドイツ国民とたいして変わりがない。
「維新」と言う言葉を簡単に使うが、明治維新前夜に坂本龍馬と暗殺された中岡慎太郎は熱血漢ではあったが、議論の人でもあり、徹底的に相手と議論をして、相手を納得させたと言う。
彼の言葉による説得と、坂本龍馬の商才で、薩長が手を繋ぎ明治維新へと進んで行ったのであり、長州藩の高杉晋作にしても、藩内を倒幕へ導く為に、説得に奔走した。
民主主義など無い明治の頃でさへ、相手や仲間を納得させると言うのは当然の事だった。
彼らの中にもあったと思うが、大切なのは、その不偏の意志が国民や国の為になるのか?と言うこととその意志で相手に伝わる言葉で納得させることだろう。
付け加えるが、明治維新は「幕府」対「統幕軍」の単なる暴力革命であり、結果も単なる権力闘争に終わってしまい、最終的に政治の中心に座ったのは明治維新で美味しい思いをした連中だけで、情熱を持って活躍した連中は殆ど命を落とし、その美味しい思いをした連中が現在の日本の礎を作っている事を忘れてはならない。
都合の良い事や面白そうな事はどんどん放送して番組を盛り上げ、合わない者は切り捨てる、そんなメディに踊らされて、この国を何処に引っ張っていくのか分からないような連中に国を委ねようなどとは、少なくとも僕は思わない。