昨日は自分のオーケストラの本番だった。
楽器を弾いて30数年経つが、大学を卒業してからはずっとエキストラだけでオーケストラをやっていたので、自分のオーケストラでの初陣と言っていいだろう。
長年オーケストラで演奏していても、メンバーになるとやはり雑用があるんだとあらためて気がついた。
練習場の椅子や譜面台並べ、楽器の運搬、チラシ挟み、本番だとホールでの準備や受付の準備と簡単な雑用だけじゃなく、運営等も関わるともっと大変だろう。
勿論、参加する為の団費を払ったり、チケットのノルマもある。
昔は「何でお金払ってまで楽器を弾かなきゃいけないの?」とか思っていたが、ここ半年、そう言う事を含めて新鮮で楽しいし、寧ろお金を払う事でメンバーとして楽しめるなら良いやん。と言う気になって来た。
又、裏へ回ると、裏方の人達も大切だと言うのもわかる。
昨日知ったが、このオケは後援会の人が120名も居るらしい。すごい!
客席は満席だったが、そういう人達がコンサートへ来て頂いたりチケットを売ったり受付をやったりしてくれているから演奏会が出来るのだ。
当然、来て頂いた沢山のお客さんの為に良い演奏をしなければならない。
だからこそ、演奏にも気合が入るし、打ち上げの酒も美味しく飲み過ぎる(笑)
演奏そのものはもう数え切れないくらいやっているので特に新鮮では無かったが、演奏会を作ると言う点では新鮮だった。
みんなでワイワイ言いながらコンサートをやると言うのは楽しいもんだ。
僕はふと「苦あれば楽あり」と言う諺が浮かんだ。
これは日本では『苦しいことがあれば、あとで楽しいことがある。逆に楽しいことがあれば苦しい時もある。人生良い事ばかりでも、悪いことばかりでもない。』と言う意味で使われる。
いわゆる『人間万事塞翁が馬』と同じ意味で、水戸黄門で歌われていた『人生楽ありゃ苦もあるさ~』と言う事だ。
実は英語の方で相当する言葉はこんな感じだ。
Pleasure is the source of pain, pain is the source of pleasure.
There is no pleasure without pain.
He that will have the pleasure must endure the pain
日本の場合は、どちらも「運命的なもの」「宿命的なもの」と言うイメージで、苦と楽には関連性は無いが、英語の場合はニュアンスが違う。
sourceやwithout、mustが使ってあることからも「必ず必要なもの」なのだ。
この辺はさすがに移民の国から出発したヤンキーだけあってたくましい。その辺は尊敬する。
色々な事は、あれこれ苦労するからこそ楽しさがある。と今更ながらに、今回のコンサートで感じた。
逆に言えば、本当に楽しむためには苦労をしなければならないのだ。
そう言う意味では、僕は数十年の間、本来のアマチュアオーケストラの楽しさの半分くらいしか経験して来なかったようだ(笑)
何とも勿体無い話だ。
そう言えば、僕が子どもの頃に大好きだった映画解説の淀川長治さんの好きな言葉に「苦労来い」(ウエルカム・トラブル)と言うのがあった。
淀川長治さんは洋画ファンだったが、恐らく、考え方もどちからと言えば日本的では無かったのかもしれないし、それが無ければ喜びが無いのを知っていたからこの言葉を言うことが怖くは無かったのだろう。
昨日は成人式だったが、僕は若い人達にこの意味での「苦あれば楽あり」と言う言葉をプレゼントしたい。
それともう一つ。今回のコンサートを通して気がついたことがあったのだが、偶然、僕の気持ちをそのまま書いたようなこの素敵なお話に出会ったのでこちらを読んで欲しい。
http://ameblo.jp/3-milk/entry-11131442652.html