最近、一日に一回ハングルを耳にしないと落ち着かない。
と言うのは冗談だが、その位の頻度で韓流ドラマを見ている(笑)
元々、ドラマ好きなので、今やってるのも大抵見ているが、期待していた「南極大陸」も良かったのは1,2回で、徐々に「キムタク妙に熱くてカッコイイ物語」となって来ている。
僕は見てないが、「宇宙戦艦ヤマト」もこんな感じだったのかな??
この「ベートーベン・ウィルス」は、もう三年程前にやってたらしい再放送で、こっちで朝の8時からやっていたが、今日が最終回だった。
再放送と言っても僕は初めて見るが、今、人気の「グン様」(チャン・グンソクだっけ?)もメインキャストの一人だ。
僕は酒のCMしか知らなかったが、今のロン毛の「グン様」よりも、こちらの方が圧倒的にカッコいい。
メインキャストはこの三人で、男×二人、女×一人というのはどうやら韓流のお決まりの様だ。
結局、歌舞伎役者の様な顔したこの役者(例によって名前を覚えてない)が主役なのだが、役名はマエストロ「カン・ゴヌ」通称「カンマエ」と呼ばれていた。
で、何故か、「グン様」も同じ役名で、二人の「カン・ゴヌ」と言う訳だ。
で、その間で揺れるのがこの女性、役名は「トゥ・ルミ」
整形かどうかはともかく美人女優の多い韓国で、それ程の美人と言う感じでも無いなぁとか思っていたが、回を追う毎にチャーミングさに惹かれた。やっぱり、女性は「愛嬌」である。
細かい話は省略するが、非常に面白かった。
僕はてっきり「のだめ」のパクリ?と思っていたのだが、話は全く違っていた。
特に、この「カンマエ」、性格が悪く口が悪い。
元々韓国語はリズミカルで、普通に喋ってても「怒ってる?」って感じの言葉なのに、すぐに怒るので、劇中の80%くらいは怒っている(笑)
良くまあこんな辛辣なセリフが出て来ると毎回思うのだが、実はシャイなだけで、基本、憎めないやつと言う設定になっている。
「のだめ」は音大生が中心の話で、どっちかと言うと「お気楽モード」だが、こちらは、プロオケ・セミプロオケの話で、その中には「貧困」「老人問題」「障害」「政治」「生活と音楽」と色々な要素が入っていて奥が深い。
「のだめ」同様、クラシック業界を少し知ってる人なら、「なこたぁ~ないやろう」と思う事も多かったが、色々な状況を細かく描いており、この辺は回数の多い韓国ドラマらしいところだ。
ちなみに、ベースの弾きっぷりは大したこと無かったが(笑)コントラバス奏者役で、「済衆院」で主役の「ファンジョン」の幼なじみ役をやっていた役者が出ていた。
例によって名前を覚えておらず、顔が何となく似てたので、僕は勝手に「韓国の下條アトム」と呼んでいたが、韓国ドラマと言うのはある程度役者と役柄が決まっているらしく、きっとこの人は主役をサポートする役が多いのだろう。
ヒロインの「トゥ・ルミ」の音大の先輩と言う設定で、「家族を抱えて音大を出てプロになる夢を諦めてサラリーマンをやっていた」と言う設定で、その後会社を辞めて「ルミ」達を支えて行くと言う様になっていた。
しかし、何より面白いのは、二人の主役の指揮者ぶりだろう。
始まって数回は、まあ、こんなもんかぁ。と言う感じだったが、回を追う毎に上手くなり、「カンマエ」なんか本当にマエストロに見えるし、「グン様」などは若手のイキイキした指揮者ぶりが感じられるからすごい。
「のだめ」の千秋をやった玉木宏も最後の方は中々だったが、僕の目からは「グン様」の方が遥かに本物っぽかった。
又、「カンマエ」が時々吐く、音楽に絡む名言も何処から探してきてるのか、本物で、音楽をやってる人間にはグッと来るセリフも多かった。
僕が印象深かったのは名セリフでは無いが、若い「ゴヌ」に指揮の打点を教える時に、キレの悪い「ゴヌ」に「熱いものを触った時の様に手を動かせ」と言う事を言っていた。
僕はこれを聞いて「あ!」と思った。
僕は指揮の勉強はした事が無いが、齋藤秀雄的に「叩き」と「シャクイ」と言われる指揮の動作の一つに対するイマジネーションが非常に湧く言葉だと思った。
と色々あげたが、僕は原語+「字幕」で見るのが好きなので、耳の不自由な義母も例によって毎回ハマって見ていたし、多少、音楽の知識がある僕も毎日楽しめたドラマで、何かあっと言う間に終わって残念だ。
これは、これまで「済衆院」「製パン王キムタック」「ベートーベン・ウィルス」と3本ほど韓国ドラマを見た共通の印象だが、「話は波乱万丈、あれこれあって結構長いのに終わる時は呆気ないほど簡単に終わる」(笑)
まるで韓国語のイントネーションと似ている感じで、複雑な子音があって、始まりは勢いのある言葉が多いのに「ヨ-」とか「ウン」とか終わりは何となくハッキリしない。
人の性格に通じるものなのか、韓国ドラマに出て来るヒロインの性格も波乱万丈(笑)良く言えば自由奔放でマイペース。悪く言えば自分勝手ですぐ気が変わる。自分が意識してなくとも周りの男性を振り回すのだが、これが憎めない。
一方で、意外に男尊女卑が強く、家庭に入ると途端に女性などは相当虐げられている様子で、独身者のそれとは結構違う感じだ。
又、儒教の国らしく「親」との繋がりは結構深い様で、その辺の描き方も濃いし、「出生の秘密」なんてのもテーマの一つだったりする。
非常に独断と偏見だが、何となくドラマにもお国柄が見えそうだから面白い。
日本のドラマからは何が見えるのだろうか。