福岡市博物館でやっている大北斎展が22日までで、午前中時間を作って出掛けて来た
今日は平日と言う事もあって、常設展が無料だったからか色々な学校が来ていた。
まあ、北斎展は有料で子ども達は入れなかったみたいだが、常設展は子ども達で大賑わいだった。
ちなみに、常設展には有名な「金印」が飾ってある。
博物館内にあるこの大きな達磨のタペストリーだが、実はこれは意味がある。。
その昔、北斎が巨大達磨を描くパフォーマンスを名古屋でやったのだ。
その時の様子が。。これだ。。3,2,1(ってどこかの番組の様だが)
相当な賑わいだった様で、この様子の絵も展示してあった。
それは量と言う点でもそうだし、北斎の作品の全貌を僕は知らなかったのだが、これだけ色々な作品を残している事に驚いた
僕は普段、展覧会で図録など買わないのだが、今回は買ってしまった
一冊2300円でちょっと高価だが、技術書と比較するとそれ程高く無く、内容も豊富で、これ一冊あれば北斎が全て堪能できる物になっている。
非常に素晴しい沢山の作品を全部紹介したいくらいだが、この中で唯一これと言えば下の作品だ
北斎と言えば、「北斎漫画」様なスケッチ風の作品や富嶽三十六景の様な風景が有名だが、肉筆画も多く残していて、これも色々な作風がある。
これは最晩年の「赤壁の曹操図」と言う作品だが115×32と言うそれなりに立派な肉筆画だ。
1847年の製作だから、88歳の作品だ
この絵の中に漲る気力のすごさに圧倒されてしまった。
そして、北斎は様々な技法を取り入れ、そのアイデアを含めて非常にユニークな人だったが、その画力は相当なものだった。
この作品は富嶽三十六景の駿州江尻(するがえじり)と言う作品だ。
風は描かれていないが、風が強いのが良く分かるだろう。
特に紙が飛んでいる様子など高速度撮影の写真を見ている様だ。
又、この絵は北斎が得意とした「浮絵(うきえ)」と言う透視図法を使って描かれている為、遠くの霞んだ富士山に風情があり、人物に関しても独特の顔が見えない手法を使って、より見人の想像力を高めている。
北斎の作品は、浮世絵の展覧会でも幾つかは必ず飾ってあり先日見た福岡市美術館の浮世絵展でも同じ物があったが、やはり作家と言うのは生涯を通して眺めるのが一番だと思うし、そう言う意味では良い展覧会だった。
常設展も久しぶりに見たが、ここの常設展も見応えがある。
帰りに出口へ歩いている、向こうから知った顔が。
僕の中学時代の恩師で、今は確か市立高校の校長をされているS先生では無いか
「え~どうしたんですか?引率ですか?」と聞いたら、何と高校を定年退職して博物館の職員をしているとの事。
「金印の説明も上手くなったよ」とにこやかに言われていたが、うん。人生は長い
色々な事にチャレンジしながらこれからも人生楽しまないといけない。と北斎と偶然遭った恩師から教えられた。