昨日に引き続きクラシックネタだ。
昨日、奥田さんのWEBサイトで奏法のページを見ていて右手の写真を見た。
丁度、僕の師匠も以前同じアングルで写真を撮影しているがあったので並べてみる事にした。
奥田さん(僕のコントラバス奏法より http://www003.upp.so-net.ne.jp/ultrabassissimo/contents/mplaymethd.html
)
師匠(ダウン)
ちなみに、ウィーンフィルの元首席、亡きシュトライヒャー(教則本より)
奥田さんはドイツ式になるのだろうか、師匠はアメリカンなスタイル。シュトライヒャーはウィーンスタイル。
しかしこうして見ると、意外に奥田さんと師匠の弓の持ち方は似ている。
差といえば親指の掛かり方位かもしれない。
又、シュトライヒャーの手の大きさと言ったら。。ま、ハッキリ言って、こんなデカイ手はインチキだな(笑)
以下はあくまで僕のイメージや感想だが。
ウィーンにしてもドイツにしても、どちらかと言うと空気を含んだ様な音だ。
弦を良く振動させ箱を鳴らすと言う感じ。
只、ウィーン式はその度合いがより強くドイツ式はそれより少し固めかもしれない。
例えて言えばしっかり泡立てたメレンゲで作ったシフォンケーキがウィーンスタイルなら、ドイツ式は若干重たいパウンドケーキと言っても良いだろう。
今ベルリンフィルで首席をやっているサクサラのレッスンも2度程受けた事があるが、彼等はそれ程大柄では無いが、周りの空気まで振動させいてる感じだ。
まあ、シュトライヒャーの様な大きな手と身体でブンブンやればどんなデカイ楽器だって鳴るだろう(笑)
反対に、アメリカンスタイルはどちらかと言うと、音のシェイプがハッキリした、和菓子の餡をベースにした生菓子の様なイメージだ。切ると中までしっかり餡も詰まっているが、表面の細かい細工もきちんと出来ると言う感じだ。
僕は勝手に「フィンガーグリップ」と呼んでいるが、各指の働きを重視している感じがする。
一方(ドイツ系)は、どちらかと言うと包み込むように手の中に弓を配置して大きな動きで弾くイメージ。
もちろん、フィンガーグリップと言って、手先でチョコチョコ弾くのでは無い。
右腕の要は肩→背骨→腰→足となるのでその辺は同じだろう。
但し、弦を「Bite(バイト) する」と良く言われる。
Biteは日本語で「掴む」だが、指で弦を掴むイメージで弾くらしい。
この辺は恐らくドイツ式のイメージには無いイメージだと思う。
確かに、写真を見ると、親指が棹の上から乗って、しっかり掛かっている感じだ。
又、皆それぞれだが、小指がフロッシュの下からきちんと当たっているのは共通している。
意外に、この小指を疎かにする奏者が多いが、弓を下から支えると言う意味では非常に重要な働きをする。
蛇足だがこれは僕の右手(笑)
フレンチなのでスタイルが違うが、やはり師匠がアメリカンなので「フィンガーグリップ」を意識している。
又、親指をフロッシュのカーブに当てるのはアメリカやイタリアスタイルらしい。
ヴァイオリンと同様にフロッシュの先端に当てるのはフレンチスタイルらしいが、フレンチスタイルと比較して、同様に音のシェイプがハッキリする。
ベースのフレンチはどちらかと言うとダークな音色と言う印象がするが、このスタイルはどちらかと言うとジャーマンに近い明るくハッキリしたイメージの音がするし、音量もこちらの方が大きいと思われる。
物理的な証明は無いが、ジャーマンスタイルも持っている部分が弓の重心から相当離れているが、弓の重心に近いところを持つか離れた所を持つかによって、棹の振動を手がダンパーとなって吸収する帯域が変わり音色が変わっている気がする。
いずれにしてもどの指も突っ張ること無く緩やかなカーブを描くのが必須だ。
特に親指は絶対に真っ直ぐ突っ張らない。
これにより、弓の前後上下等のコントロールが可能になる。
僕の場合はジャーマンと同様に小指も弓のコントロールをする為の重要なアイテムとしている。
弓が前の物と違うが、E線やA線等の太い弦をブンブン弾く場合は、音量重視で、この様に棹の上へ指の付け根部分を乗せて上から腕全体の重さを掛けて弾く場合もある。
何れの形にしてもベースは弦が太く長い。これだけの弦を振動させて音を出すのだから一本たりとも指も無駄には出来ないし、その辺りが他の楽器とは大きく異なるだろう。