※本日はスペシャルエディションです
貿易を盛んとする砂の都ウルダハ、今ここに5人の冒険者たちが運命の出会いを果たそうとしていたー。
ヒーラー(回復)職の講習試験を終え職業安定所でもあるヒーラーギルドから依頼を受けたクゥクゥは、ウルダハのクイックサンドという酒場にきていた
クゥが依頼内容を聞き始めた矢先、唐突な悲鳴が彼らの耳をつんざいた
走り出すクゥ、
クゥが駆け出したすぐあと、2階の宿屋から降りてきた人物がいた
そう、海の都リムサロミンサからきたオーク・リサルベルテだ。クイックサンドの店主、モモディの依頼を受けるべく前乗りで二階に宿泊していたのだ。今まさに依頼内容の話をつめようとしたオークの耳に小さくない喧噪が届いた
驚くオーク。様子を確かめるべく酒場のカウンターから走り出した
クイックサンドの店内を小走りでオークが走り抜ける
その音を聞いてコーヒーを嗜んでいた一人の客が彼の走り去っていく方向に顔を上げた
「おやめください…!」
女性の悲鳴が響く。地面に転げた女性を取り囲むようにガラの悪い男たちがクイックサンドの前にたむろしていた
「そんな態度でいいと思ってんのか?不実がないなら誠意もって俺たちの証明してみろよ、肉体労働とかでな」
いさかいの主導となって女性に迫る男はその女性の体を下から上まで品定めするように見やった。ギャハハと下卑た笑いが辺りを立ち込める。おそらくそれが狙いだろう、何もしていません違いますと否定し続ける彼女にくだらない理由をつけて男たちは昼間の往来の中で女性に迫り続けていた
「さあ女罪人め、俺たちへ詫びを入れてもらおうか」
女性に襲いかかろうとした男の前にクゥクゥが立ちはだかった
クゥは男たちにこう言ってのけた
「さっきから見ていました、彼女は何もしていないと言っています。行き違いがあるなら話し合いで解決しましょう」
男たちの空気が変わった。男たちのリーダーらしき男はクゥを見て顔色を変えた
「おまえ冒険者か、なに勝手に首突っ込んできてんだ俺たちはそこの女に用があるさっさと失せろ」
苛立ちを隠さない男にクゥはひるまず言葉を発した
「いいえ、引きません。もう一度言います、女の人に乱暴しないでください。さっきから違うって言っています」
クゥがはっきりそう答えたタイミングで揉め事の後方に位置するクイックサンドの扉を開いたオークがその現場に居合わせた。またそのオークの後ろから先ほどの帽子を目深にかぶった女冒険者も顔ものぞかせた。二人の視界に飛び込んできたのは女性二人を取り囲む男たちの姿だった
クゥは最後通告のように男たちに言い放った
リーダーの男はそれを合図にクゥに近づき胸ぐらをつかみ上げた
「調子こくなよ、」
さらに男は顔をぐっと近づけてクゥを脅す
(ーいけない!!)
オークと女冒険者オクーベルは走り出した。絶体絶命のピンチがクゥに襲いかかったのだったー。
(次回に続く)