青春時代とわが師 4 | 吹けば飛ぶよな家具屋のおやじ

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そんなこんなで堅物であったが、僕のすぐ下の弟が

進学するため夏休みに受験勉強のため山ごもりすることになった。


今なら有名な日航機が落ちた多野郡上野村のお寺を見つけてきた。

下久保ダムもない時代で下仁田からも行きにくいので、

鬼石から万場町を経由してトラックで送って行った。


3時間くらいかけてやっと着いてみれば(当時は砂利道)

川の反対側なので県道にトラックを止めて

つり橋のような川を渡り、お寺とも民家とも

思えないような家に着いた。


今でも山は深いが、当時は絶海の孤島のような

村であった。

でも人々は皆よい人で素朴な村であった。


子供たちもいたから、皆すぐ集まってきた。

どんな人が来たのかと、皆興味しんしんの顔をして

集まってきた。


そこで弟は寺子屋のように子供たちを教えながら

受験勉強していったのである。


翌年見事、現役で群馬大学工学部に合格して

そのお寺さんとは末長くおふくろが、贈り物や

手紙などで交際を続けていった。


そしたら年子のすぐ下の3番目の弟も山ごもりすることになった。

今度、見つけたのは鬼石から入った三波川の奥の御堂であった。


誰もいないさみしいお堂で川のほとりで

絶対夜お化けが出るようなふんいきの場所であったので、

彼はともだちのH君を連れて行ったものだ。


私が送って行って、帰るときさびしそうにしていた。


その後途中でインスタントラーメンなど差し入れに行った時、

二人が車の音を聞いてバタバタと走ってきた。

そして言った。

さびしかったー。


でも昼間は近所の子供たちと川遊びしていたが

夜は怖くてすぐ寝てしまっていたそうで

あまり勉強はできなかったらしい。


そんな、弟たちも今は立派になって

苦学の夏休みを選んで正解であったと思う。