さて、青春時代たった2年間であったが修行の
旅から吹けば飛ぶよな家具屋に戻った僕の20歳からの
青春時代である。
今弟たちに聞けば、僕は地元には、女がいねえ
とぼやいていたらしい。
修行時代は女優並の女性たちがたくさんいたのであるが
地元に戻ると、さびれた町並み、いい女はどこかへ隠れて
僕の目の前にはおばあさんか、おばちゃんばかりで
とんといい女に巡り合わないのであった。
それでも商工会青年部に入って、花見で大きな声で
うたったり、盆踊り、のど自慢大会、忘年会
男同士大いに青春を楽しんでいた。
そういう中、共産党の人が青年部に入っていて
僕たちは人物であるその人を尊敬していたから
何のわだかまりもなく付き合っていた。
だが、警察のリストには僕もリストアップされていたと
後で聞いたものだ。
戦後、20年からたった時でもまだ戦前のように
赤は警察の警戒に入っていたのである。
何とも古い体質を引きずっているから竹原市長のように
警察を敵に回してでも頑張るとんでもない人が
現れるのかもしれない。
街には舟木一夫の高校三年生、吉永小百合のデビュー。
僕もサユリストになって行った。