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バリバリの海軍大尉が任務で子供のお守りをする話。
コメディーだけど、スパイ映画の要素もあり面白かった。
グダグダの子供達を軍隊方式で鍛えていく様は、
なかなか笑えるし、こういうのも良いかも、と思わされる。
私は子育て経験はないが、子供に言うこと聞かせるのは
なかなか難しいものだということは知っている。
どんどんキビキビしていく子供達を見ながら、
昔、海外旅行で一緒の部屋になったNを思い出した。
ヨーロッパ巡りのツアーに友人と申し込んだら、
友人は体調不良で成田でドタキャン。ありえね~!
学生向けの激安ツアーだったこともあり、
もともと一人参加の卒業旅行の学生と相部屋を依頼され、
まぁいいでしょうとOKしたのが運の尽き。
当時私は27歳。
Nは美術短大を卒業したばかりの20歳。
海外は初めてで、親に金を出され飛行機に乗せられた娘。
別に自分は行きたくはなかったとのたまう。
太っていて動作がのろい。冴えた感じがまったく感じられない。
世間知らずで、な~んにも知らないし、不勉強。ホテルもはじめて。
ガイドブックひとつ持ってきていなかった。
理由をきくと「誰かがいると思ったから」である。呆れる。
Nは自由行動のためのプランなどまるで考えてきておらず、
常に私のあとをついて来た。
Nは愚鈍でマイペース過ぎ、集合時間を守れないので
添乗員さんにまで「見せしめ」にバチカンに置き去りにされたのだが、
持ち前の天然で、他の日本人団体にくっついて行動しているうちに
美術館で合流してきたりした、恐るべき天然娘である。
ヨーロッパの教会は広くて、端と端ではコンタクトはとれない。
私がそろそろ出たいと思って入り口で待っていても、
そういうことにまったく気が回らないNは、奥の方でマイペースに見物している。
時間に対する意識もゼロ。
そもそもNのお守りをする義務はないのだから、
勝手についてきたNに自分のプランを乱されてはかなわない、と、
教会に置き去りにしてみた。小さい町だったし。
夕刻、Nは先に部屋に帰っており、
「わたしがきらいなの~?」とメソメソ涙を流した。
あまりに子供っぽいのでウンザリして、
私は軍曹になった。
「一緒に行動したいなら私の指示に従い、時間厳守!
こちらのプランどおりに行動せよ!」である。
「いやなら迷惑なので相部屋を解消してもらう!」とも。
ここからNの行動が変わっていった。
それまでは起こさないと起きなかったが、自力で起きるようになったし、
集合時間にいつもビリだったのが、少しづつ早くなった。
後半のロンドンでは、私をだしぬき「先に下りているね」などと
言うほどになり、ツアーの仲間達からも
「あなたがあの娘を変えた」と絶賛された。
添乗員さんは、Nがひとり部屋になると自分がやっかいを背負うので、
私がへそを曲げないように気を使っていたように思う。
たのむ、子守をやめないでくれ、と顔に書いてあった。
そうそう、夜は化粧の指導をしましたね。そういえば。
だって、ニベアしか持ってなかったのだよ。20歳の女性が。見かねた。
帰るときには、洒落たフランスの化粧品をたくさんバッグに詰めて
うれしそうなNであった。
ある意味忘れられない思い出である。
Nがいなければ、もっとヨーロッパの文化を落ち着いて見る事ができたであろう。
もう少しお洒落な思い出話をすることも出来たかもしれない。
相部屋になったことを後悔はしていないが、
運が悪かったとは思っている。
つまり、まぁ、何事も経験である、ってことなんだな。
Nについては、まだまだエピソードがある。
希望があれば語ります(笑)。