羽化直前のセミと遭遇 | ニコニコノコノコ

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セミの一生/橋本 洽二
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夜道で何かが動いていた。

セミの抜け殻はよく見るが、まだその姿のままで歩いているのは

初めて見たかもしれない。つやつやしてこんもりした茶色の虫。

これが、あの抜け殻になるのかぁ。


歩道に向かっていたので軌道修正してあげる。

歩道は自転車や歩行者に踏み潰されてしまう可能性が高い。

しかし、なかなか思うように進んでくれない。


しかたがないので、手を出しておくと、

素直に手に乗ってくる。手のひらをどんどん登ってくる。

腕を登られている感じは、成虫のセミと変わらない。

素早い虫はイヤだが、セミはのろくて平気。

子供の頃から毎夏セミを捕って遊んだものだ。

懐かしい感触。

しかしこのままでは頭のてっぺんまで登られてしまう。

大きな木に移そうとしたが、うまく木の表面をつかめないらしい。

仕方なく、草むらに下ろす。


今夜から明日にかけて、羽化するだろう。

つかまえて観察するというのも一興だったかな…。


帰り道、そこかしこでビビッ!というセミの声が上がっている。

これから、思いっきり鳴く準備をしているものと思われる。