#私のおすすめする一冊 読み比べ「長いお別れ」「ロング・グッドバイ」「ザ・ロング・グッドバイ」 | パンと麺と読書の日々

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私のおすすめする一冊

「長いお別れ」「ロング・グッドバイ」「ザ・ロング・グッドバイ」

フィリップ・マーロウのシリーズ。清水俊二訳「長いお別れ」に続き。村上春樹訳「ロング・グッドバイ」さらに市川亮平訳「ザ・ロング・グッドバイ」の発売されています。

違いを検証すべく三冊を読み比べてみました

フィリップ・マーロウは泥酔し妻に置き去りにされたテリー・レノックスに出会う。何故か心が通じ合う二人。やがてテリー・レノックスは妻殺しの容疑を受け自殺する。

一方美しい女性アイリーンに作家の夫の禁酒をサポートしてほしいとの依頼を受けそこでも殺人に遭遇することに。

マーロウや男性たちを魅了するアイリーンですが自分には非常に美しいという印象しか持てませんでした。

ギムレットを通じて知り合ったリンダ・ローリング。実は被害者の姉で何度か会うことになりますが、マーロウが感じるほどの特別な魅力はわかりませんでした。

 

男性キャラクターは脇役のハウスボーイやギャングまでキャラが立っているのに女性の描写については性格の個性までわからない印象です。

 

2023年に刊行された市川亮平訳「ザ・ロング・グッドバイ」

マーロウがテリーに「おたく」と呼びかけたり、タクシー運転手が「~ッス」という語尾だったり。マーロウの口調が砕けすぎてのになじめませんでした。

地図が入っているので位置関係や家の部屋の配置などが知れる楽しみはあります。

 

2007年に刊行された村上春樹訳「ロング・グッドバイ」

あとがきによると再訳を決めたのは「長いお別れ」がかなり多くの文章や細部がおそらく意図的に省かれているという理由があるようです。原文を知る方にとっては完訳には大きな意味があると思います。

「長いお別れ」が1958年の翻訳という事で表現なども現代に沿う形にしたいという思いもあったようです。

ギャングのボス、メネンデスがマーロウに「はんちく」と呼びかけていますが清水訳では「チンピラ」となっています。後者の方がなじみがある気がしますが・・・。

 

同じ作品の訳違いで読み比べをするのがマイブームです。刊行の古い順に読んでいます。

訳の違いやどの文体が好みかを見つける楽しみがあります。

レーモンド・チャンドラーの他の本についてはこちらのブログで紹介しています。

 

 

 

 

 

 

 

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