南極ブルー、人に会いにゆく。ポートロックロイ、 | 添乗員 森田 世界の旅

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2月1日、ポートロックロイ。

 

デッキに出ると太陽が姿を見せている、

遅ればせながら南極5日目にして初めての青空だ。

白と黒の世界も良かったけれど、

白と青の南極もまた素晴らしく新鮮で、気持ちがよい。

そして嬉しいことに船は予定通り島島が連なるパーマー諸島

を抜けていた。

 

午前7時、イカリを降ろす音がする。昨年は氷山に阻まれて

たどり着けなかった南極唯一の観光地ポートロックロイへの

訪問の合図だ。

 

7時半、シアターに集合がかかる。待っていると舞台に

カピカピの髪の毛の青年が登場、

僕らの訪問の前に島から来た青年がポートロックロイの

歴史とこの後の訪問の楽しみや注意を案内に来てくれたのだ。

 

1903年から2年間フランス南極探検隊のシャルコーにより

発見された地は、支援者であった政治かロックロイに因み

名が付けられた。

第二次世界大戦中にはドイツ軍の動きを監視すべくAベース

と呼ばれた基地が置かれ、その建物は戦後の1964年まで

英国の気象観測基地として使われた。

 

現在は英国南極史跡財団が夏期に4人を島に送り、

建物の保全だけでなく、その歴史を、また売店に

郵便局等も作り、観光地ともなっている。

 

今日の僕の役回りは船に残り最後のお客様を見送る事。

船で目の前のポートロックロイを眺めていると、

エルメスのシャンプーの香りをたなびかせるサラサラ髪

の見慣れぬ青年の姿があった。

よく見れば先ほどのカピカピ髪の青年、

基地にシャワーがないため訪問者の船が着くと

船でシャワーを浴びると言う、互助制だ。

エルメスの香りとともにお客様を島へ迎えに行く、

ユニオンジャックとジェンツーペンギンのお出迎え、

英国基地時代の歴史保存、

また一角では財団の収益のため、売店があり

郵便局がある。皆ここから日本に贈る絵葉書を準備していた。

ここからフォークランド郵便局を経由しロンドンへ、

そして成田からご自宅へ、3ヶ月程かかる手紙は良いお土産だ。

基地の周りはジェンツーペンギンの営巣地。

僕自身は一瞬の訪問だったがこの青空が何よりだ、

南極ブルー、

船に戻りクーバービル島へ向かう、

デッキで青空を拝んでいると、遠くにシャチの大群が

いるとのアナウンス、

皆の目が青空の下、白と黒のコントラスト美しいシャチを

追っていた。