1月31日、ガリンデズ島。
南極に国籍はなく国民もいないが、調査隊はいる。
探検、捕鯨に始まり、今は多くが極地研究のベースに。
日本の昭和基地は遥か遠いが、南極半島には基地が多い。
後日予定している夏期のみイギリス人が営む商店のある
ポートロックロイには、昨年は海峡を氷山に遮られ
行けなかったが今年はどうだろうか。
本日午後予定になかったベルナツキー基地への上陸許可が
下りたとのアナウンス。
もはや手慣れた消防団の様に、部屋へパルカを取りに行き
ラウンジでライフジャケットを装着し長靴を履く。
そしてボートへ。
そこは何処に、
あった、ガリンデズ島に1947年イギリスが設営した基地は、
1996年契約切れをもって終了するはずも、取り壊さずに
売りに出した。
そしてウクライナが1ポンドで購入する。
1ポンド、買っておけば良かった。
12人の男達がひと夏を過ごす。
アパートの管理人的でもあるがしっかり極地研究も
行っている。
近年は我々のように訪問者も受け入れているようで、
お土産やもあれば、
ウォッカもある。
隊員達はこの綺麗な氷で命の水、お手製のウォッカを作る。
訪ね人の何人かはこの美味しいウォッカを飲んでいたが、
最後にバーを覗きに行くとカウンターには虹の様に
ブラジャーが積まれていた。聞けばブラをここで外し置いて
いってくれればウォッカはタダとのこと、
色やサイズ、年齢に制限はないという。
ここは地の果てベルナツキー、
南アメリカウシュアイアまで1000㌔、ニュージーランドまで
2200㌔、南アフリカ喜望峰まで4000㌔、
どこの陸も遠い。
ジェンツーペンギンの遊び場にはオオフルマカモメ注意の
看板も建っていた。
面白い訪問だった、南極で動物でなく人間に会いに行くと
言うのはまた新たな感覚だった、
対した期間、人里離れていないのに、
もう人恋しくなっているのか、
今の職をを失ったら南極で小屋の管理人でもしようかと
この音のない静かな世界で管理人でも、と思ったが、
すぐには帰れないけど、すぐに帰りたくなるだろう。
というわけで、船に戻る。
美味しい夕食を頂こう。