5月11日、トゥールで朝。
トゥールからシャルトルという大きな町に行く127㌔間、
ロワール地域のロワール川(フランス最長1012㌔)が
形成した美しきロワール渓谷に点在する城の写真を撮って
行く。
まずはアンボワーズのアンボワーズ城、1453年に百年戦争が
終結した15世紀末はよき時代だったのだろう、
1496年シャルル8世はイタリアへ侵攻すると、かの国の洗練された
生活に魅せられて、建築家から庭師に料理人から仕立て職人を招き
城を完成させる。
城の存在感にデザインの良さを眺める足元の長閑さがまた良い、
マロニエに花が咲き足元には可愛らしい春の花、緩やかな流れの
ロワール川に鳥の声、周囲の一軒家は派手さはない綺麗に整い
落ち着いている、
これが洗練された田舎と言うのか、、、
シャルル8世の跡を継いだヴァロワ朝フランソワ1世はかの城に
1516年イタリアの超マルチ人間レオナルドダヴィンチを招いている、
ダヴィンチもえらくこの地を気に入ったのかこの城に墓地がある。
その後ロワーヌ川に沿ってバスをシャンボール城へと走らせて
いると何だか良い感じの町がある、運転手さんに町の名を
聞くと、
ブハァーと言った、
ちょっとバスを止められないか?と聞くと瞬時にバスを
路肩に止めてくれた、
お客様、ちょっとこの眺め写真に撮りましょうか、
町の名は、、、ブハァーです。運ちゃん振り返り僕にウィンク
をした。
お客様が写真を撮っている間地球の歩き方を開けば、そこには
ブロワと書いてあった、
さっきの城にダヴィンチを呼んだフランソワ1世の命で、、、
と書いてある。
ちょっ待てよ、僕は地球の歩き方最後のページを見る、
フランスの歴史年表だ、かの=フランス王朝ブルボン朝は1589年
パリに始まるが、その前はヴァロワ朝と言った、
実際にブロワ城はルイ12世からアンリ4世のパリ遷都までの100年間
フランス王の第1城と書いてある、
ブハァー、ブロワ、ヴァロワ朝つながった。よって古城が沢山
あるのか
、と。
目的のシャンボール城へ向かう、ここでの滞在時間は1時間と
あるがスムーズに着いたため90分は時間が取れる。
シャンボール城、なんと格好の良い城なんだ、
さっきのフランソワ1世もまたイタリア遠征でルネッサンスに
魅せられて1515年ここに狩猟古屋を造ることに、
ちょっ、今なんつった、酒量いや狩猟の古屋だって?
案内には部屋数426室、狩猟小屋としてはもちろんロワール
地域にある19の古城最大のものと、
狩猟の古屋だけに周囲に広がる森=庭(現在の森林公園)は
パリの面積と同じ欧州最大のものだと、
さらにはフランソワ1世が心酔いしたダヴィンチ設計であろう
設計が各所に施されている、と地球の歩き方。
内部が見たくなった、時間はある、聞けば11ユーロのところ
団体なら8ユーロでとのこと、全員で中を見学した。
屋敷の中央にダヴィンチ設計と言われる螺旋階段の芯、
螺旋は2重になっており人がすれ違わずに昇降できる匠の技術。
屋上に上がる、これが螺旋階段の芯、
眺める庭はTHEフランス式。
天に突き出る幾多もの塔がまた格好良い、
2重の螺旋階段は一つだけでなく77もあるという、
玉座、
16世紀のタピストリー、
奥さんのベッド、
特別なベッド、
ヴァロワ王の肖像に、
王冠に、
栗原はるみキッチン。
そう、ここは狩猟小屋。
庭の一角に教会、ブーゲンビリア真っ盛り。
いやー良いものを見た、
そういえばルネッサンス期の城って今まであまり見ていなかった
かと思う、
百年戦争が終わった1453年、来たる1562年から始まる36年間の
宗教(ユグノー)戦争まで、ブロワを中心としたヴァロワ朝の
時代は良い時代だったんだなぁ、と一人駐車場へ向かう。