美しいものは美しい、夜のモンサンミッシェル。 | 添乗員 森田 世界の旅

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5月9日、モンサンミッシェルの夜。

ルーアンを出て255㌔、モンサンミッシェルの標識で

高速を下りるとまずアヴランシェの町を通りすぎる。

丘の上に大聖堂と司教の屋敷を見上げるが、ジャンヌダルクに

声を届ける700年前の708年に大天使ミカエルはこの町の

オーベル司教の枕元に姿を現すと、

海に浮かぶ岩山を指差しこう言った、

かの岩山に聖堂を建ててけろ、と。

オベール司教の枕元に姿を現したのはこれで3回目、

過去の2回は司教が夢でも見たととぼけていて、

流石のミカエルも3回目には親指を頭蓋骨に突き刺して

聖堂を建ててけろ、と言ったという。

 

午後7時にモンサンミッシェルを2.5㌔先に眺めるホテルに

到着した、モンサンミッシェルを眺めながら名物の

オムレツを頂き、塩分を含んだ草を喰む羊肉でも食べた

かったが、鶏肉を頂いた。ここノルマンディー地域では

ワインでなくリンゴ酒シードルと一緒に。

5月の日没は9時20分、まだ明るい。

ミカエルの降り立ったこの聖地には1879年に満潮時でも

辿り着けるよう、また鉄道でも行けるよう2.5㌔の堤防道路が

造られた、

最大15mの干満の差があり上の様に潮が完全に退いた時には

干潟が現れるが、満ちて来ると完全に孤島となる聖地、

しかし堤防工事から100年以上の歳月が潮の流れを塞ぎ

景観を変えてしまった。

現在島にかけての750mは堤防が撤去され桟橋に変わった、

これで潮が本来の流れを取り戻せるわけだ。

つい最近まで聖地の入口まで観光バスで入ったものだが、

今はシャトルバスで近くまで行った後750mを歩く、歩く。

9世紀にお告げ通り聖堂を建て、

10世紀にベネディクト会修道院を建設、

13世紀までにおおよそ現在の姿となったモンサンミッシェル

が美しい。

夜の参道もまた美しい、

そういえば今まで昼時の2時間程しか、この町を見たことは

なかった。

帰り道、9時半を過ぎて島に明かりが灯った、

いいねー美しいよ、

世界遺産でどこが一番キレイと不毛な議論があるけれど

今夜は間違えなくここモンサンミッシェルだ。

気温は10度を少し下回り風も強く寒かったが、

どんな時もこのお姿は美しい。