何故、甲冑を着る事をそんなに頑なに拒むのですか?
殿「甲冑を着るという事は、戦いの身支度をするという事じゃ。
儂は戦なんぞ、したくはない。
ただ、穏やかに平和に暮らしていたいのじゃ」
そこへ、姫が戦況報告にやってきました。
殿「なにゆえ、姫が甲冑なぞを着ておるのじゃ!?」
姫は、この領地を護るために、民を護るために、
戦う事を決意なされました。
殿「なんという事じゃ。
可憐な姫が甲冑を身に付けて戦う事などあってはならぬ」
殿「姫は戦いの場などに出ず、
キャッキャウフフと過ごしておれば良いのじゃ。
ほれ、姫も甲冑を脱ぎ捨て、
共にキャッキャウフフと過ごそうではないか」
殿……
殿ぉぉぉぉぉぉ!!
殿!! なんという事をおっしゃるのですか!?
殿……いえ、父上!!
幼き頃に私に教えて下さった教えはなんだったのですか!?
貴方が私に教えたものは~♪
とても大事な心の宝♪
『戦火に巻き込まれ、苦しい目に会うのは、いつも力無き民である』
そう言って、孤児たちを抱き締めて、
涙を流していた父上はどこへ行ってしまったのですか!?
キャッキャウフフと過ごしたいなら、
まず、護らねばならぬものがありますでしょう!
困惑した殿は、背中を向ける・・・
そこへ、また忍者の襲撃。
殿を守る武者達。
ゆっくりと振り向いた殿様の表情は、
力強く凛々しいものに変わっていた。
殿「しばしの間、ここを任せる。
儂の甲冑を持てい!!」
任せて!!
せっかくホントの殿が帰ってきたんだ!
邪魔はさせません!!
くノ一達も襲い掛かる。
くノ一達は強く、武者達の形勢は不利。
lこのまま負けてしまうのか???
その3に続く→