安倍総理が、米国の新聞のインタビューに応じて、
中国に「根深い問題」があると指摘したとか。
尖閣諸島をめぐる、争いがここまでの反日感情にヒートアップして、
さらに、米国までが中国の軍事的な脅威について、本気にならざるを得なくなっている。
しかし、少なくとも日本、中国、米国の首脳にとって、
こんな状況を、さらにエスカレートさせたくない。 そう考えているはず。
。。。中国の指導層にとっても。
戦闘行為になって、国際社会を敵に回すことは避けたいはず。
なぜなら、いまだに中国のGDPの貿易依存度は日本の倍以上。
他国との戦闘・戦争は日本企業のみならず、中国経済や、中国民衆の
経済状況にとって、最悪のシナリオです。
さらに、存在理由である「共産主義」が 名ばかりになっている
中国共産党は、民衆の支持を失えば、暴動や革命すら起こりかねない。
経済成長が止まることや、戦争による民衆の不満が高まれば、
そのリスクは否定できなくなるから。
***
それならば、誰がまずいことをやっているから、エスカレートしてゆくのか?
お隣どおしが仲が悪いお話はどこかで聞いたことはありませんか?
始めは仲が良かったのに、何かをきっかけに仲が険悪に。。。。
なんてお話。
長い間お隣どおしだと、一つや二つ意見の対立や、トラブルはつきもの。
ちょっとした言葉に、相手が反発し、強い表現を使う。
こちらもそれに反発し。。。
となると、駅のホームでの酔っ払いのケンカみたいなもの。
それがこじれると、訳の分からない対立に発展する。
今回の問題も、お隣との関係とレベルは違っても、全く同じ構造。
背景には、中国共産党自身の、存在意義に関する不安定さがあるのは確かだが、
それでも軍事衝突リスクを避けたり、今回のような反日デモがエスカレートするような状況に
させない方法はあったのかもしれない。
少なくとも、中国の知識階級や、指導者層も、本音では望んでいないが、
弱腰を見せるのは、国内の政治基盤などを考えると
それは出来ない。。。
****
それでは、どんな方法があるのだろうか?
今の日本のやり方は、
「こんな困ったことがありました。」
そして、「日本は平和を重視するので、国際法に従って対処します」
と、公表しているのです。
それには、なんの問題もないように思えますが。。。
中国の領土と主張する尖閣諸島の問題に絡んで
しかし、中国側からすれば、日本に公然と非難されている。
。。。。だから、そう簡単には引き下がれない、ということになります。
一部の、中国国内での政治的な野望をもった人達には、
自分の存在をアピールしたいと、意図的にエスカレートさせるチャンス。。。。
中国社会ではメンツが非常に重んじられるということです。
国際法や、国際社会のルールよりも、
共産党の存続基盤が揺らいでいる原状、国民に見下される
というか、見放されるのは非常にまずい。
なので、中国国内のルール(?)であるメンツにこだわるのようなのです。
(このあたりは、いぬわたりも中国社会に詳しくはないので、各種情報源から。。)
それであれば、相手のメンツを立てながら事態を沈静化させるのが、日本政府にとっても
(中国首脳にとっても)より良い方策。
それには、こんな方法もある。。。。というのを、ちょっとだけ考えてみました。
1. トラブルが起きてもいっさい報道しない。
これが良いと言っているわけではありません。エスカレートさせない方法の話です。
日本側からは報道せず、中国側の報道を見て、相手の言い分を考慮しながら政府の公表方針を決める、といったところです。
2. トラブルが起きた際に、意図的に間違った情報を報道し、後で、あいまいな謝罪発言をする。
これはちょっと高度な方法ですので、やれるかなー?
「レーダー照射があった」という公表・報道の代わりに「ミサイルの誤射があった」と公表。
その後すぐに「先ほどの報道は誤り。陳謝する」。。。としてあいまいに。
さらに、わざと誤情報を公表し、報道官は陳謝。
総理大臣は、「情報が錯綜しているが、中国も日本も平和を愛している」などと、直接言及しない。
中国も「日本の報道を非難する」メッセージと「平和を愛するメッセージ」に使い分けて、首脳と現場と別の位置づけで対処可能になる。
3. 相手を尊敬しているというメッセージを常に流す。
中国は日本にとって長い歴史の上で、常に重要な、中心的な位置づけであった。
近代の歴史の上で起きたことは、長い歴史の上での関係からみれば、必ず改善できることである。
など。。。超超大枠で、中国はえらい、今回の出来事は小さい、というメッセージを繰り返す。
3. のバリエーション。 例えば、米国と日本の関係は戦争をしたが、今ではもっとも友好的な関係の一つ。中国と日本の関係もそのようにしたい、とだれもが「そりゃそうだ」と納得する大枠のメッセージを繰り返す。
3. のバリエーションをもう一つ。 「領土に関する意見の対立があったからといって、平和に協力関係を築くことが出来ないわけではない」というメッセージを繰り返す。実際に、過去の日本と中国の関係、フランスとドイツの関係。。など、現在関係の良好な国の例を列挙し、「棚上げ論」を暗示する。
と、まあこんな具合ですが、他にもよい方法はあると思います。
***
とにかく、領土やそこで起きる行為にクローズアップすると、お互いに相手が間違っている、という主張をせざるを得ません。
そこで、議論や論点をお互いに受け入れられる内容にシフトさせるのです。
少なくとも、「根深い問題」と正面切って、批判するのは、やはり得策ではないように思います。
そして、最低数年の冷却期間を置いて、現実の解決策に移るというのが、よりベターな方法でしょう。
まあ、しかし、中国はしつこいですよ。
こちらもしつこく、地道にやらねばなりません。(笑)
毎年政権が変わるようじゃ、難しいですよね。(笑)