(初回投稿2017年1月15日)
皮下点滴1回に入れる量はどれくらいが良いですか?
自宅で皮下点滴をされている方から
よく受ける質問です。
ネコさん(体重3~4kg)では75~125mlくらい、
犬の場合は小型犬で50~100mlくらいで指示を受ける事が多いと思います。
色々な要素を考えて、皮下点滴の量や頻度を考えます。
- 動物の体重
- 脱水の程度
- 貧血の程度
- 高血圧の有無 などなど
皮下点滴とほぼ同じ意味で「補液」と言いますが、
脱水している体液を点滴で"補う"というのが本来の目的です。
脱水の程度を計算しながら、
"補"液する量を決めるのが、
理にかなった方法だと思います。
👇大幅に加筆いたしました。
そもそも脱水してるのかな・・・?というのは、
👆こちらもご覧ください。
腎臓病だけど脱水していない猫さんに、
機械的に皮下点滴をしていると、
血管の中の水分量が増えて、
高血圧や肺水腫を引き起こすことも考えられます。
皮下点滴をしたら息が早い・呼吸がしんどそうな場合は、
点滴量・頻度が多いかもしれません。
👆高血圧かどうか・・・?
まだまだ、ちょっとお値段がしますが、
家庭用動物の血圧計も市販されるようになりました。
血圧測定をしながら1回の量を適宜調節できれば、
より良いなと思います。
皮下点滴は脱水を緩和させるあくまでも補助的な手段で、
可能な限り、飲水や食べ物で水分を摂ってほしいものです。
👆みるみる飲水量が増えるウォーターファウンテンなどを使ってみるのもオススメです。
※ ウォーターファウンテンは、分解洗浄がしやすいものがお奨めです。
👆ゲル状のイメージとしてはinゼリー的な・・・。
補水フードも販売されています。
食べる点滴といったイメージ。
【まとめ】
- 皮下点滴1回に入れる量は、○○mlが正解という数字はなく、
その子その子の脱水の程度によって決める。
- 軽度な脱水の子に、機械的にどんどん補液をすると、
肺水腫や高血圧を引き起こすことがある。
- 自宅用の血圧計が市販されていますが、ちょっとまだ高価かな…。
- 補液よりも、口から水分を摂取する方がずっと大事。
脱水してなければ、皮下点滴は不要です。
(追記)
皮下点滴は"点滴"という名称から、
栄養を入れていると思われていることがありますが、
水分の補給(=補液)であって、
栄養は食べ物を口から入れなければ身体に入りません。