正義を貫き通すRPG
後半ネタバレあります。
テイルズオブヴェスペリアは2008年にXBOX 360で発売されたテイルズシリーズの作品です。
2009年にはPS3でも発売。
テイルズはたくさんの作品が出されている人気のアクションRPGのシリーズです。
FFとドラクエに続く3大RPGシリーズに入るとか入らないとか。まあFFとドラクエとは人気と知名度が違いすぎますが。
そのテイルズシリーズの中でもテイルズオブヴェスペリアは最高傑作といわれることも多いらしくかなり評価は高いです。
今回プレイした理由
自分は元々テイルズやったことなくて名前くらいしか聞いたことなかったです。
昔倉木麻衣が主題歌歌ってたなーくらいの知識でした。
最近テイルズの最新作であるテイルズオブアライズが発売されて、その体験版をプレイしてみたらめちゃくちゃ面白くて興味を持ったので、そこからテイルズシリーズに興味を持ってかなり評価の高いヴェスペリアをプレイしてみました。
個人的な評価
項目別に10点満点で点数をつけると
グラフィック 10
ワールドマップ 10
サブイベやりこみ 10
キャラクター 9
育成システム 10
戦闘 9
ストーリー 8
総合 9
って感じでめちゃくちゃ面白かったです!
古き良きRPGを正統進化させた最後の傑作!
最近のゲームの方向性とは全然違うけど個人的にはほとんどの要素が神レベル。
最近のリアルを突き詰めたようなRPGじゃなくて、古き良きRPGのシステムをかなりクオリティ高くしたような印象です。
個人的な理想のRPGにかなり近かった。
特に気に入ったのがグラフィックとマップでした。
でもストーリーだけは普通に面白いレベルって感じでした。
ストーリーも面白いんですけど他の要素が良すぎたのでそれらに比べるとちょっとレベル下がってしまうかなって印象でした。
久しぶりにこういう古き良きRPGをやったなって感じなのでとても楽しめました。
個人的にはJRPGはこういう路線で進化していってほしいなって思うのですが現代のトレンドには合わないのかもですね。
それぞれの項目について細かく書いていきます。
・グラフィック
グラフィックはリアル調ではなくけっこうデフォルメされたアニメ調グラフィックです。


超キレイで実写のようなフォトリアルのグラフィックもすごいけどこの路線の方が好き。
FF13の経験でリアルなグラフィックにこだわりすぎている作品は中身がダメなイメージ(偏見w)があるので。
いい作品もあるんだろうけどなんとなく印象は良くないですね。
ヴェスペリアはアニメな雰囲気でパステルカラーが多用されている感じで見た目が優しい印象で、色のコントラストがはっきりしていてとても見やすいと感じました。
とにかくグラフィックは今までのゲームの中で一番ってくらい好きでした。
ただムービーのアニメーションは微妙でした。
普段のゲーム画面のグラフィック表現と全然違うので別の作品感があって没入感が削がれます。
ショボグラが美麗グラフィックになるムービーはいいけど、表現方法自体が変わっちゃうのは好きじゃない。
グラフィックって世界観を構成する重要な要素だと思うので。
テイルズシリーズに興味を持たなかった要因としてこのアニメーションムービーが採用されているのもありました。
激しい戦闘シーンとかはアニメーションムービーの方が描きやすいんだろうけどちょっと冷めちゃいますね。
・昔ながらのワールドマップ制
個人的にとても好きだった要素として、世界中を冒険できるワールドマップ制なのが最高でした。
最近やったRPGの中でワールドマップ制なのこれしかないです。
昔はRPGではワールドマップ制が普通だったのに、今は全くないですね。
最近は表現がリアルになってマップ表現もリアルに描く必要があるので、デフォルメされたワールドマップを冒険できなくなったのが悲しいです。
FF7で初めてミッドガルを出た時の世界の開放感とか好きだったので。
自分はけっこうなオープンワールドアンチです笑
オープンワールドはやることがわからない、ってわけではなく世界観の描き方がどうしても1都市くらいの狭い範囲になってしまうので。
FF14の吉田Pも言ってましたが、ゲームの表現がリアルになりすぎて世界観の大きな話が描きにくくなったってのはそうだなーと思うし個人的にかなり悲しいです。
洞窟を抜けると全然違うエリアのワールドマップが広がっているみたいなのも大好きだったんですけど。
ヴェスペリアはワールドマップを採用した最後のRPGかもしれない。
でも最近のゲームでワールドマップを採用しているのは他に無いので自分のワールドマップ欲を満たしてくれる最後の作品としてもうワールドマップ欲とお別れしようと思います。
街で実際に動ける範囲はかなり狭くて、これでこの街おしまい?って戸惑ったりしますがまあ許容範囲。
街の中ではカメラも自由に動かせないアングル固定なのも最初は違和感ありましたが慣れると気にならないです。
カメラ動かせるとグルグル動かして見る場所がとても増えるので個人的にはアングル固定はけっこう好きです。
その分街の数が多かったりダンジョンがしっかり作られていて良かったです。
街を少なくして作り込むより、作り込みはそこまででいいから街が多い方が好き。
でもソーサラーリングの効果音はかなりダサいと思いました。
・サブイベやりこみ
サブイベの形式もすごい好きでした。
最近のゲームみたいにサブイベがリスト化されてなくていつどこに行けば何が発生するか全くわからない不親切仕様。
これ攻略サイト見ないと絶対わからんだろ!ってイベント多数。
だから普通にスルーするサブイベもたくさんありました。
でもそれがいい!昔の攻略本見ながらゲームやるような気分になりました。
普通ならスルーしそうなイベントを回収できると嬉しい。
風呂屋イベントとかほんわかしてて好きでした。
ただおっさんは許せん。
最近のサブイベがリスト化されてマーカーが出てひたすらマーカーを辿るみたいなゲームデザインが好きじゃないです。
自分で手探りで探索する方がいろんなところを気にするのでゲームに入り込める気がします。
マーカー式だとマーカー以外は不要な情報だって認識しちゃってあまり入り込めないです。
サブイベもあっさりしたものが多いけど、攻略サイト見る限り数もけっこう多いしキャラの深掘りするようなものもあったり報酬もらえたりなどやりたくなるようなサブイベが多かったです。
・キャラクター
仲間キャラクターも嫌な奴がいなくてみんないい奴ばかりで愛着が持てます。
テイルズシリーズの主人公でも人気トップクラスのユーリがいい感じです。
ただ万能すぎて全然苦悩しないのでストーリーがかなりアッサリしてる印象を受けました。
よくあるのが主人公が苦境に立たされて成長するって物語多いですが、この主人公ユーリはもうすでに全て悟ったような万能キャラなので、大変な状況でもまあユーリなら余裕だろって感じで物語の緊張感が薄くなってしまってるなと感じました。
他のキャラも個性的でいいですね。
天才少女リタもツンデレでいいし、カロル先生が物語でとても成長していくのが良かったです。
キャラクター同士の会話が聞けるスキットもとても豊富で良かったです。
キャラが深堀りされて愛着わきますね。
・武器、育成システム
育成システムも王道な感じで好きでした。
武器ごとにスキルが設定されていて使っていくとスキルを習得していつでも使えるようになるっていうFF9のようなシステムです。
スキルが増えればできることも増えていくので新しい武器がどんどん欲しくなります。
スキル覚えさせるのがめんどくさいと感じる時もありましたが。
街の武器屋で買い物できたり、強い武器が普通に強いのが王道で良かった。
素材集めて武器の合成ができるのも楽しかったです。
・戦闘
戦闘はシンボルエンカウントのアクションRPGです。
最初はモッサリだしできることが少なすぎだしコンボも全然繋がらないしで微妙でした。
ただスキルを覚えてコンボ繋がるようになって動き方がわかると面白くなりました。
最初はけっこうツラいかもしれないですね。
アクションなのにバックステップもできないしコンボ後の硬直長くて動けないしでストレスたまりました。
バックステップも武器のスキルで入手するんですが、最初は道具屋で道具しか見てなくて武器が買えることを知らずにバックステップスキルの武器をスルーしてしまいずっとバックステップができないままプレイしていたのがツラかった。
バックステップくらい最初から使えるようにしてよって思います。
戦闘中の操作キャラ変更もある程度進めてアイテム入手しないとできないのも嫌でした。
それくらいは最初からできるようにしてもいいんじゃないかなと思います。
それまでは操作キャラ変更は戦闘前のメニューで設定して、戦闘中はずっと固定なので慣れないキャラを使ってみようと思えないです。
せっかくキャラごとに全然違う戦い方になるのに操作しようと思えないのはもったいない気がします。
最初のころにほとんど主人公ユーリを使っていたので終盤まで慣れてるユーリメインでした。
あとは攻撃出してる最中にキャンセルとか移動ができないのがかなりモッサリ感を感じました。
この前にやってたFF14が攻撃出してる時も自由に動けるシステムだったので、ヴェスペリアで攻撃中に動けないのがかなりの違和感でした。攻撃出したらキャンセルもやりづらいしコンボ終わりの硬直が長くて攻撃をくらうのもストレス。
あとはバトルフィールドを自由に動けるフリーランの終わりにジャンプが暴発するボタン配置なのがかなりストレスでした。
ある程度進んでいくとできることが増えていって、オーバーリミッツ、フェイタルストライク、バーストアーツをバンバン発動できるようになると爽快感あって楽しいです。
雑魚戦はかなりヌルくなっちゃいますが。
なので序盤は戦闘微妙だけど中盤くらいからはテンポもいいしアクションの楽しさを感じられました。
・ストーリー
※前半ネタバレなし、後半ネタバレありなのでネタバレ気にする人は気をつけてください。
ネタバレなし感想
ヴェスペリアは全体的にかなりレベル高いと思いましたがストーリーだけ飛び抜けたものがない印象でした。
ストーリー展開に致命的な欠点は無いのでそれだけでも良くできてるし普通に面白い方だと思いますが、グラフィックとかマップとか戦闘がとても面白いだけにそれらの要素と比べると見劣りしてしまう気がします。
全体を通して起伏が少なくて、プレイヤーの感情が揺さぶられるような出来事が少ないです。
この理由は主人公が万能すぎるせいでピンチになっても全然危機感がなくて、ユーリなら余裕でしょって感じであまり入り込めなかったからだと思います。
ユーリが全然苦悩しない。
心理描写もなく何かあっても全部自分の中でハッキリ答えが出てる。
よくあるストーリーは主人公達がピンチで追い詰められるとプレイヤー側もハラハラして感情移入することが多いですが、ヴェスペリアは事件がいろいろ起きるもののまあなんとかなるでしょって思えてしまうような描き方でした。
そこらへんが物語が薄く感じてしまうポイントでした。
他にもところどころ微妙だなって思うポイントはありましたが他の作品と比べてもそんなに問題なくキレイにまとまってる印象です。
ここからネタバレありの感想を書いていきます。
ネタバレ見たくない人はブラウザバック推奨。
ネタバレあり感想
ここからはネタバレありでストーリーの感想を書いていきます。
そこまで面白いところはなかったので主にツッコミをいれてくことが多いですがそこまで気にはしていません。
最初にエステルと一緒にフレンの部屋で暗殺者のザギと戦うところは、ザギが狂いすぎててアニメっぽすぎて少し冷めてしまいました。
キャラづけがやりすぎてリアリティ薄かったですね。
最初の旅立つところで街からワールドマップに出るのは感動しましたね。
めっちゃ世界広い!ってのと久しぶりのワールドマップのRPGだ!って感じで。
ただ旅立つ理由がブラスティア泥棒を追い掛けるってのがスケール小さい感じがしました。
最初はいいんですがある程度進行してもまだ泥棒追っかけてるのは微妙でした。
もっと大きな事件起きないの?って。
それでも旅先で仲間と出会っていろんな街を巡るのはとても面白かったです。
カロン先生とかリタも魅力的で好きでした。
ユーリがダークヒーロー的な感じで悪代官を暗殺するのは好きでした。
フレンとの会話でユーリの、選ぶんじゃねえ、もう選んだんだよってセリフ好き。
自分なりの正義を貫くのが好きです。
正しいことのために目の前の悪を見逃すのかってとこも考えちゃいますね。
ユーリの考えもわかるしフレンの考えもわかる。
ユーリは今困っている人達を見殺しにできないしそれだけじゃ世界は変えられないってのもわかる。
フレンは目の前のことだけじゃなくて世界の全てを変えるのに必要な考え方。
子供のころはユーリのような考え方が正しいって思ってたけど大人になると目の前のことを解決するだけじゃなくて、解決する仕組みを作ることが大切なんだと思うようになりました。
特に大きな組織に所属している時ほど問題は目の前のことだけじゃないんだなって思います。
ストーリーで気になったのが、
エステルが騎士団長アレクセイに捕まってその力を騎士団長が好き放題利用してるところが理不尽すぎてかなり嫌でした。
そもそもエステルが捕まった経緯も微妙だし、団長があんなに強力なエステルの力を好き放題に利用できる原理がよくわからないのが微妙。
ゲーム的でご都合主義的でチートすぎだろと思いました。
操る力をもっと詳しく描写してくれればまだマシだったかもしれないのに。
リスクとリターンが見合ってないようなのは理不尽なのでやめてほしい。
おっさんがシュバーン隊長なのはびっくり。
でもなんでそんなにアレクセイに従ってるのか謎でした。
結局自分を犠牲にしてユーリ達助けるし。
そして普通にパーティに復帰。いや生きてるんかい!って思いました。
ラスボスがデュークでお前なんかい!って思いました。
別に人間?同士で戦わなくてよくない?
一緒に星喰み倒そうぜ!って思っちゃいました。
星喰みはムービーで倒されるんかい!って思っちゃいました。
そんな感じでストーリーはそこまでだけどグラフィックとワールドマップが最高でとても楽しめた作品でした。
他のテイルズシリーズにも興味持ちました。
こんなゲーム増えてほしい。
それではまた。