センセー、
アタシまた壊れそう。
でも、センセーが気持ち整理できるまでアタシからは連絡しないって約束したから。
我慢するよ。
センセーも今は無理してくれてるから、アタシも無理する。
もぅ一度ちゃんと向き合ってくれると信じて。
やから、ここで発散して耐えなきゃ。
センセー、つらいよ。
助けて。
苦しい。
我慢。
我慢…。
分かってるケド、やっぱり限界です。
アタシやっぱり頭おかしい。次ぎ会った時、アタシがどんな姿でも抱き締めて下さい。
また感情が抑えきれなくてセンセーに送ったメール。
アタシの手首には数本の切り傷があります。
全部自分でつけた傷。
冷静になって見ると気持ち悪い。
センセーもきっとこんなアタシをもう愛してはくれない。
センセーにメールを送った時は激しい胃の痛みに襲われていました。
倒れるようにしてズット横になっていました。
気が付くとセンセーがいました。
もう夜中になっていました。
アタシは一瞬、それが現実かどうか分かりませんでした。
センセーに腕を引っ張って起こされた時、ハッとしました。
傷…きっと見られた。
アタシの姿はまたセンセーを傷付けた。
センセーは何も触れませんでした。
胃の痛みを訴えるアタシの背中を押してくれました。
アタシはカギもかけずにいたようでした。
ちゃんとカギはかけて。
センセーの言葉にもアタシはあまり反応できませんでした。
無表情のままだったと思います。
センセーは玄関に向かいながら、追いかけていかないアタシに気付いて戻ってきました。
カギして!
そう言ってアタシの手首を引っ張って立ち上がらせようとしました。
痛い!
思わず言ってしまいました。
センセーに触られると、不思議な事に手首の傷が痛みました。
それまで何も感じなかったのに。
もうギリギリや。
そう言ったセンセーの声は震えていました。
もう限界や。お前が自分の事傷付けるのも苦しむのも、もう耐えれん。俺がおらんくなった方がええんや。結局俺は誰も救えてない。患者も。
それは違うよ!おらん方がいいのはアタシやもん。センセーはみんなに必要とされとるよ。守るものだってある。待っててくれる家族もおるやん。センセーは必要な人なんよ。ちゃんと救えとる。
救えてない。俺はおらん方がええ。そしたらお前も幸せだったやろ?俺がおらんかったらお前はこんな風に自分を傷付けたりしてなかった。毎日患者に『俺はもう長くないんやろ?』って聞かれるんよ。俺はそれを聞いて『大丈夫』って笑って…
センセーは言葉を続ける事ができませんでした。
アタシも何も言えませんでした。
背負っているものが大きすぎて。
今のセンセーにとって、アタシは1番してはいけない事をしている。
でも、アタシもそんなに強くない。
自分の気持ちを押し殺して生きていけない。
お前はみんなに必要とされとるよ。お前は幸せになれる人間なんよ。
違うよ。みんな、アタシより大事なものがある。本気で必要となんかされてない。アタシはもう、大事な人に『いらない』って言われるのが嫌なんよ。大事な人を困らす事しかできん事も。もう全部やめたい。楽になりたい。
もういい。やっぱり俺がおるからや。俺がおらんくなるわ。
ダメ!絶対ダメ!お願い、変な事考えんといて。センセーはみんなに必要とされとる。アタシとは違うから。遠くに行かないで!アタシはセンセーがいなくなったら追いかけるよ!遠くに行くならアタシも連れてって。アタシ本気やで。
それぢゃ~意味がない。お前は幸せにならなアカン。
ぢゃ~もう変な事言わんといて。約束して。
…ぢゃ~お前も約束して。もう自分の事傷付けんって。
………。
『うん』という事ができませんでした。
きっとアタシはまた、自分の感情が抑えられなくなる。
そうなったら自分でも自分の行動が止められないから約束は、、できない。
今のセンセーに、アタシができる事は『もうそんな事しない』って約束する事。
でも、そばにいられないのに強く生きていく自信はない。
だからその場限りの約束なんかできない。
きっと余計に傷付ける事になるから。
お前は健康や。頭もおかしくない。ただチョット疲れてるだけやから。やからいなくなりたいなんて、そんなん言うな。
アタシそんなに強くない。
お前は強いよ。俺が弱いだけや。
弱くてもいいから遠くへ行かないで。約束して。
しばらく言い合いが続きました。
わかった。約束する。
最後にセンセーは言ってくれました。
ゴメン、お前にこんなん言うつもりぢゃなかった。もう大丈夫やから。
そう言って無理矢理笑ったセンセーの顔は全然大丈夫ぢゃありませんでした。
ちゃんと話をしたいと思いました。
今日はもう寝て。また来るから。な?
そう約束してセンセーは帰って行きました。
でも眠れるわけがありませんでした。
ねぇ、センセー。
アタシぢゃ支えにならない?
アタシはセンセーの為に何ができる??
絶対に遠くへ行かないで。
アタシを1人にしないで…
センセーと離れてからのアタシはボロボロになりました。
心も身体も。
前なんか向けなくて、周りなんか見えなくて。
センセーの為にもちゃんとしなくちゃ…
そう思って、他の人を見る努力もしました。
ホレてない男の人と2人でいる事にメッチャ苦痛を感じる性格やけど、それでも頑張って会ってみたりもしました。
でも、その人といても考えるのはセンセーの事。
アタシの為に色々してもらっても、どこかに連れてってもらっても、全然気持ちが動かない。
それどころか、
「これがセンセーと一緒なら…」
そればかりが頭をグルグル回って、一緒にいる人の顔なんて見えない。
誰かに会うたび
「この人はセンセーぢゃないんや」
そう思い知らされるだけ。
ただむなしくなるだけ。
前を向けない自分にも、センセーがいない毎日にもうんざりで、どんどん壊れていきました。
夜眠れない、食べた物は吐いてしまう、自分のしてる事が分からなくなる、自分の身体を傷付けてしまう。。
そんな自分の行動が怖くて、余計に不安定になって。
仕事には毎日行ったけど、
「元気ないね」
「何かあった?」
「いつもと違うよ」
その言葉がプレッシャーでした。
でも、1人になると自分が何をするか分からないから行くしかありませんでした。
考えて、考えて。
頭の中がグチャグチャで、それでもまた考えて。
気が付くとアタシは、いつもセンセーにメールを送っていました。
壊れていく自分が怖くて…忘れられて行く事が怖くて。
どうしていいか分からない感情をセンセーにぶつけていました。
冷静な時は分かる。
そんな事したら、センセーも追い込まれるって。
でも、自分でも分からないうちにおかしいスイッチが入ったようにセンセーを責めていました。
言葉でも行動でも。
そんな事をしたいわけぢゃない。
センセーを傷付けたいわけぢゃないのに。
そうするしかできない自分にまたうんざりして、、そのくり返し。
時間が経てばセンセーが薄れてくるかも。
そう思って最初は頑張っていました。
でも薄れていくどころか、どんどんセンセーが溢れてきて、付き合ってた時よりセンセーでイッパイで。
どんどんしんどくなって、センセーに会いたくて。
忘れられなくて。
楽になりたい。
もういなくなりたい。
そうすれば何も考えなくていい。
センセーがいないつらさに耐えなくていい。
消えたい。
そばにいられないくらいなら、違う世界に行きたい。
毎日毎日、頭に浮かぶのはそればっかり。
それをセンセーにぶつけてしまう。
センセーはそのたびに連絡をくれました。
アタシのメチャクチャな感情を精一杯受け止めようとしてくれました。
「俺にぶつけて楽になるなら、言えばいい」
「お前が苦しむなら、俺が苦しむから」
そう言ってセンセーは…静かに泣きました。
アタシが感情をぶつけたせいで、センセーは苦しんでいました。
肩を震わせて涙を流すセンセーに、アタシはかける言葉がありませんでした。
大好きな人が、こんなに愛しい人が、アタシのせいで苦しんでる。
つらい、、センセーが苦しむのはつらい。
この人にこんな顔させたくない。
そう思うのに、アタシの精神状態はもうギリギリでセンセーの為に我慢する事さえもうできなくなっていました。
アタシがいたらセンセーは幸せになれない。
離れてあげないといけない。
でも、アタシにはどうしてもセンセーが必要で離れてあげられない。
だったらもういなくなってしまうしかない。
その思いがどんどん強くなっています。
ねぇ、センセー。
アタシはどうしたらいい?