先日、
久しぶりに、
よく晴れた休日でした。
せっかくのお休みなので、
朝から、
たくさんの洗濯物をしました。
シーツも、
タオルも、
家族の洋服も、
まとめて、
一気に洗いました。
こういうのって、
やっぱり気持ちがいいですよね。
お日さまの匂いがする洗濯物を想像すると、
それだけで、
ちょっと嬉しくなります。
我が家では、
晴れた日には、
必ずたくさんの洗濯物を干すようにしています。
これは、
我が家の、
ちょっとしたこだわりです。
では、
いざ干そうと、
洗濯カゴを持ち上げました。
すると、
どうでしょう。
『洗濯物』
が、
思った以上に、
大量に入っていました。
カゴから、
あふれんばかりの、
洋服たちです。
ここで、
問題になるのが、
『終わりの見えない量』
というものです。
一つひとつは、
ただの靴下だったり、
タオルのような、
日常の小さな布きれです。
けれど、
それが集まると、
まるで、
巨大な山のように見えてきます。
ベランダに出て、
物干し竿を見上げました。
空は、
どこまでも青く、
風が心地よく吹いています。
でも、
私の心は、
少しだけ曇ってしまいました。
『これ、
本当に今日中に終わるのかな…』
思わず、
そんな言葉が、
口をついて出てしまいました。
こういうときって、
ありますよね。
洗濯機を回したときは、
あんなに爽やかな気持ちだったのに。
いざ干す段階になると、
途方に暮れてしまう。
これは、
私の家だけでしょうか。
それとも、
全国の主婦のみなさんも、
同じような経験をしているのでしょうか。
ここで、
ちょっと、
話しは変わりますが、
よく、
テレビや雑誌なんかで、
効率的な家事のコツ、
みたいな特集をやっていますよね。
パパッと終わらせて、
自分の時間を作りましょう、
という感じのものです。
見ているときは、
「なるほどなあ」
なんて思うのですが。
いざ、
自分の現実に戻ってみると、
まったく役に立ちません。
『現実の洗濯物』
は、
そんな綺麗な理論通りには、
動いてくれないのです。
ハンガーが足りなくなったり、
干す順番を間違えて、
途中でスペースがなくなったり。
小さな絶望が、
何度も、
やってきます。
ピンチハンガーに、
靴下をひとつずつ挟んでいきます。
右に靴下。
左にも靴下。
まるで、
終わりのない、
単純作業のようです。
こういう作業をしていると、
ふと、
色々なことを考えてしまいます。
私は、
何のために、
こんなにたくさんの布を、
毎日洗っているのだろう、と。
人間は、
服を着る生き物です。
だから、
汚れます。
汚れるから、
洗います。
洗うから、
干します。
干すから、
また着ます。
そう考えると、
これは、
終わりのない、
無限ループなのではないでしょうか。
『洗濯の輪廻(りんね)』
とでも言うのでしょうか。
大げさかもしれませんが、
ベランダの端っこで、
そんな哲学的なことを、
考えてしまいました。
少し、
手が疲れてきました。
まだ、
カゴの底には、
たくさんの衣類が眠っています。
底の見えない、
底なし沼のような、
洗濯カゴです。
こういうとき、
私はいつも、
あることを思います。
もしも、
魔法使いが現れて、
「この洗濯物を、
一瞬ですべて綺麗に畳んであげましょう」
と言ってくれたら。
私は、
迷わず、
全財産を差し出すかもしれません。
いや、
そこまで言うのは、
ちょっと大げさですね。
でも、
それくらい、
今の私にとっては、
大問題なのです。
ふうっと、
小さく息をつきました。
ベランダの柵に手をかけ、
遠くの空を眺めてみます。
お隣の家からも、
たくさんの洗濯物が風に揺られています。
みんな、
同じように戦っているんだな。
そう思うと、
なんだか、
少しだけ勇気が湧いてきました。
自分だけじゃない。
世界中の家庭で、
今この瞬間も、
同じような戦いが繰り広げられている。
そう考えると、
この終わらない洗濯物も、
愛おしく……は、
やっぱりならないのですが。
でも、
生活をしているという証拠なのかな、
とは思います。
綺麗に洗って、
干して、
乾かして、
また身につける。
この当たり前の毎日の繰り返しこそが、
私たちの生きている証なのかもしれません。
なんて、
かっこいいことを考えつつも、
現実は、
まだ半分以上残っています。
ぼーっとしている暇は、
ありません。
ここで、
手を止めたら、
今日の夕方までに終わらなくなってしまいます。
気持ちを切り替えて、
再び、
ハンガーを手に取りました。
「よいしょ、
よいしょ」
声に出しながら、
一枚ずつ、
丁寧に干していきます。
不思議なもので、
あんなに絶望していたのに、
手を動かし始めると、
だんだん調子が出てくるものです。
リズムよく、
タオルをピンと伸ばし、
風通しが良くなるように、
間隔を空けて並べていきます。
青空の下、
きれいに並んだ洗濯物たちを見ていると、
さっきまでの大げさな不安が、
嘘のように消えていきました。
『達成感』
という言葉が、
ぴったりの状態です。
すべてのハンガーが埋まり、
洗濯カゴが空っぽになった瞬間。
それは、
小さな冒険を終えたような、
そんな爽快感でした。
疲れたけれど、
嫌いじゃない。
むしろ、
こういう時間に、
自分の心が整えられているような気がします。
家事って、
面倒くさいことばかりです。
終わりがないし、
誰も褒めてくれないし、
すぐにまた元に戻ってしまう。
それでも、
やっぱり、
私はこういう日常が好きなんだと思います。
お日さまの匂いがするベランダで、
深呼吸をひとつしました。
風が、
とても心地よかったです。
さて、
洗濯物が乾くまでの間に、
ちょっと、
温かいお茶でも飲もうかなと思います。
がんばった自分への、
小さなご褒美です。
みなさんは、
今日の休日を、
どのように過ごしているでしょうか。
もしかしたら、
同じように、
終わらない家事に、
悪戦苦闘しているかもしれませんね。
そういうときは、
無理をせず、
途中で休憩しながら、
自分のペースで進めていきましょう。
終わらないものなんて、
この世にはありません。
いつかは必ず、
終わりがやってきます。
だから、
大丈夫なのです。
今度は、
天気のいい日に、
お気に入りのカフェへでも、
足を伸ばしてみようかな。
そんなことを考えながら、
リビングへ戻る、
今日の私なのでした。
あたたかいお茶を淹れるために、
キッチンへ向かいました。
お気に入りのマグカップを取り出して、
お湯を沸かします。
シュンシュンと湯気が立ち上る音が、
静かな部屋に響きます。
こういう音って、
なんだか心が落ち着くんですよね。
カップに注いだのは、
ほうじ茶です。
香ばしい香りが、
ふわりと広がります。
ひとくち飲むと、
体の芯からじんわりと温まっていくのが分かります。
あぁ、
生き返るような心地がします。
こういう時間こそが、
私にとっての『贅沢』なのかなと思います。
特別な場所に出かけなくても、
高いものを買わなくても、
日常の中に、
幸せの種はたくさん転がっているのです。
問題は、
それに気づけるかどうか、
それだけな気がします。
忙しい毎日を送っていると、
どうしても目の前のことだけに囚われてしまいます。
あれもしなくちゃ、
これもしなくちゃ、
そんなふうに焦ってしまうこともありますよね。
私の場合は、
心がトゲトゲしてくると、
だいたい部屋の中が散らかってきます。
不思議なもので、
心の状態と部屋の状態って、
見事にリンクしているんですよね。
だからこそ、
そんなときは、
あえて立ち止まるようにしています。
無理に動くのをやめて、
お茶を飲んだり、
ぼんやり空を眺めたりする。
そうやって、
一度リセットすることが大切なんだと思います。
みなさんは、
心が疲れたとき、
どのようにして癒やしているでしょうか。
甘いものを食べることでしょうか。
それとも、
お風呂にゆっくり浸かることでしょうか。
人によって、
その方法はさまざまだと思います。
どれが正解ということはありません。
自分が心地よいと感じるなら、
それが一番の正解なのです。
そういえば、
先週買った本が、
リビングのテーブルの上に置きっぱなしになっていました。
少し、
話しは変わりますが、
最近読んでいる小説が、
とっても面白いんです。
普段は、
実用書や雑誌を選ぶことが多いのですが、
たまには小説の世界に浸るのもいいなと思って手に取りました。
物語の舞台は、
古い港町です。
潮の香りが漂ってきそうな描写や、
そこで暮らす人々の温かいやり取りに、
すっかり魅了されてしまいました。
ページをめくる手が止まらなくて、
夜更かししてしまったほどです。
こういう出会いがあるから、
本を読むのってやめられないんですよね。
読書をしている間は、
現実の忙しさを忘れて、
まったく別の人生を体験することができます。
いわば、
心の小旅行といったところでしょうか。
お出かけする時間がないときでも、
本を開くだけで、
どこか遠くへ行ったような気分になれるのです。
そういう意味では、
本も立派なお出かけの相棒と言えるかもしれません。
次の休日は、
お気に入りの本を持って、
近所の公園のベンチで読書でもしようかな。
木漏れ日の下でページをめくるなんて、
想像しただけで、
なんだか優雅な気持ちになってきます。
想像するのは自由ですからね。
それだけでも、
ちょっとワクワクしてきます。
お茶を飲み終えて、
マグカップを洗いました。
シンクがきれいになると、
それだけで気分がすっきりします。
やっぱり、
水回りが片付いていると気持ちがいいですね。
洗濯物も、そろそろ乾いた頃でしょうか。
ベランダに出てみると、
お日さまの光をたっぷり浴びた洗濯物が、
気持ちよさそうに揺れていました。
一枚ずつ丁寧に畳んでいきます。
タオルからは、
お日さまのいい匂いがします。
この匂いを嗅ぐと、
なんだか幸せだなとしみじみ感じてしまいます。
大きな出来事なんてなくてもいい。
美味しいお茶を飲んで、
本の世界に浸って、
洗濯物がきれいに乾く。
そんな当たり前の日常のなかにこそ、
本当の豊かさがあるような気がします。
そろそろ、
夕飯の支度を考えないといけない時間ですね。
今日の献立は、
何にしようかな。
冷蔵庫の中身を思い出してみます。
豚肉とキャベツがあったはずだから、
野菜炒めでも作ろうかな。
たまには、
ちょっとニンニクを効かせて、
スタミナのつく味付けにするのもいいかもしれません。
料理も、
面倒くさいときは本当に億劫ですが、
こうして献立を考えている時間は、
嫌いじゃありません。
家族が「美味しいね」と言って食べてくれる姿を想像すると、
もうひと頑張りしようかなという気持ちになります。
毎日の繰り返し。
それは時に退屈で、
逃げ出したくなることもあるけれど、
その中にある小さな楽しみを見つけていくことで、
彩りのある毎日になっていくのだと思います。
今日の休日は、
いつもと変わらない普通の休日でした。
特別なドラマは何も起きていません。
それでも、
私の心は、
とても穏やかで満たされています。
こういう日があるから、
また明日から頑張れるんですよね。
夕暮れ時の空が、
少しずつオレンジ色に染まってきました。
グラデーションの空を見上げながら、
今日も一日、
よく頑張りましたと、
自分に心の中で声をかけてあげます。
さて、
エプロンをつけて、
夕飯の準備を始めるとしましょうか。
みなさんも、
どうぞ温かくして、
穏やかな夕方の時間をお過ごしください。
また次の休日には、
どこか素敵な場所へ出かけられますように。