先週の記事「風邪と肺炎・メモ 【NHK教育TV・名医にQ】 」の続編。
以下前回同様に番組の内容メモ。
あなどるな!かぜと肺炎 視聴者からの質問と答え
Q)気管支拡張症で服薬中だが肺炎球菌ワクチン接種はしたほうがよいか?
A)高リスク者なのでしたほうが良い
Q)58歳男性糖尿病から慢性腎不全、55歳女性関節リュウマチステロイド服用中ワクチン投与の効果はあるか?
A)再接種は五年間すぎると可能。ステロイド投与中でもワクチンの効果あり。
Q)2年ほど前から年2-3回肺炎を発症。主治医に誤嚥性肺炎の可能性ありと告げられた。「枕を高くして寝る」事を指導されている。他に大腸がん、胃がん、脾臓摘出の経歴。
A)睡眠中の誤嚥を防ぐために頭だけでなく背中上部から徐々に傾斜をつけ、顎を引きすぎないような姿勢で頭を上げる。また腹圧の掛かる動作、姿勢は避ける(前屈動作など)。
Q)58歳男性、風邪から気管支炎を起し易いが防ぐ方法はあるか?
A)早めの治療を心がける。気管支炎を防ぐにはまず風邪の予防。
Q)老人介護施設など要介護の人の口腔ケアは?
A)介護用歯ブラシとしてスポンジブラシがあるが、口腔粘膜(上下)、舌、歯茎、頬と歯の間に用いる。歯の間、奥歯の一番奥は歯間ブラシ、デンタルブロス、
舌用ブラシは舌をなるべく前に出した状態で。口内の掃除後は、汚れを出すためにうがい、出来なければふき取る
Q)熱だけ40度の肺炎、他の症状無し、ストレスとの関係は?
A)発熱は体の抵抗力の証でもあるので熱のみで驚かないように。ウイルス性の可能性高い。定期的検査は不要、症状が出たら医療機関へ。ストレスだけでは掛からない。
Q)肺結核と肺炎との見分けるポイントは?
A)肺結核は結核菌の感染、空気感染による。感染者10人に1-2人程しか発病しない。発病まで2年程掛かることもある。結核の初期症状は風邪と同じ。2週間以上咳や痰が続く場合はレントゲン検査で判断。或いは血液検査QFTもある。
Q)75歳女性、ここ一年間頻繁に咳と痰が出るため、咳止め薬を日常的に服用しているが、市販の咳止め薬を飲む事で肺炎になり易くないか?
A)長期に渡る症状なので慢性気管支性疾患の可能性あり。咳止め薬を服用する事で肺炎になることはないが、他の重篤な疾患の可能性もあるため、医療機関を受診するべきである。
Q)94歳の男性、肺炎から抗菌薬投与、解熱しCRPも下がっているが、レントゲンの影が残っている。
A)レントゲンの影がなくなるには炎症が治まった後も時間が掛かる。実際には完治に近い状態。
Q)糖尿病のある高齢男性が老人ホームに入所中。インフルエンザワクチンの他に肺炎球菌ワクチンも必要か?
A)ワクチン接種は望ましい。老人ホームは感染リスクが高い。
正しい手洗いとうがいのポイント(からだイキイキ)
手洗い
・手のひらをしっかり洗う
・両手を重ねて手の甲を洗う
・親指は付け根から握って捻じる様に
・指を手を組んで間を洗う
・爪先は手のひらを引っ掻く様にして
・手首は握って捻じる様に
うがい
・うがいは「ああー」ではなく「おおー」と発音する方が、水が喉の奥まで届く
脳卒中後の肺炎予防は?(マルチオピニオン)
食事の際にむせると止まらない。主治医に誤嚥性肺炎に注意とされている。
症状の改善法はないか?
1)嚥下改善薬と睡眠時の姿勢
・飲み込む際の嚥下反射を改善する薬(ACE阻害薬、シロスタゾール)がある
・誤嚥性肺炎は夜眠っている際に起こることが多いので、上体を少し上げて寝るなどの姿勢が有効
2)食事の際の姿勢
・後遺症として飲み込む力が弱まっている可能性がある。正しい姿勢で良く噛み、飲み込み易い食事をとる
3)ワクチン
・インフルエンザワクチン(65歳以上に推奨)、肺炎球菌ワクチン(とくに65歳以上、肺の持病、糖尿病、脳卒中後等)
予防(嚥下機能改善)
・良く話しをし、歌う事は嚥下する機能改善に繋がる。
・摂食嚥下機能のリハビリ法はあるが、個人により方法に大きな差があるので、専門医に受診してリハビリを指導してもらう。
・喉仏を持ち上げるのが嚥下作用の一つの動き。仰向けに寝て頭を持ち上げる動作の反復により、首(喉)の筋肉を鍛えることができる。
・主治医と良く相談して、肺炎予防対策を立てる。特に風邪、インフルエンザ等の感染を防ぐ。