【新型コロナによる大恐慌と混乱の下、日本のファシズム化が進み、日本へ中距離ミサイルが配備される危険性について】
新型コロナによる大恐慌と混乱の下、米欧日の大資本主導により日本のファシズム化が進み、日本へ中距離ミサイルが配備され、中国への攻撃に使われる危険性があります。日本のファシズム化を阻止し、アジア諸国との新しい安全保障枠組みを構築する必要があります。

[宮古島のミサイル基地に配備された自衛隊の地対空ミサイルおよび地対艦ミサイル ー 将来、中国本土を射程に収める中距離ミサイルが配備される可能性があります]

[アメリカのシンクタンクCSBAが提案する九州・琉球列島・奄美諸島から中国本土に対する中距離弾道ミサイル攻撃(出典: Tightening The Chain)]
1. 安倍政権による検査制限の目的
安倍政権による検査制限が続いています。その結果、新型コロナウイルスの感染拡大が放置されています。
もし人命を救うことが最優先であれば、中国や韓国が行ったように、検査を徹底的に実施し、感染者を確認して隔離施設に収容し、重症者については専用の治療施設で治療すべきです。
そのため、安倍政権が検査制限を行い、人命第一の施策を実施しないのは、安倍政権が別の目的で行動しているためと考えられます。

当初、安倍政権が検査制限を行い、感染者数と死亡者数を低く見せかけていたのは、オリンピックを予定通り強行開催するためでした。しかしながら、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大にともないオリンピックは延期されました。
にもかかわらず、その後も、安倍政権が検査制限を続けているのは、ふたつの目的のためと考えられます。
第一に、安倍政権は人命救助よりも、経済とくに株価維持を優先しています。
現在、安倍政権の新型コロナウイルス対策担当大臣は、西村”経済”再生担当大臣です。安倍政権は、人命を救うことよりも、経済が回ること、そして、株価が維持されることを優先しています。株価が急落すれば、安倍政権は退陣に追い込まれるからです。そのため、検査制限を行い、感染者数と死亡者数を低く見せかけています。
経済優先の目的の中には、感染拡大を放置し、感染者を意図的に増やしたあと、ワクチン・治療薬を開発した米欧日の巨大製薬会社に大儲けさせるというシナリオも含まれます。
第二に、安倍政権が検査制限を行い、感染者の拡大を放置している背景には、さらにより深い目的が隠されていると思われます。
それは、感染を拡大させ自作自演の非常事態を作出し、緊急事態を宣言したあと、都市封鎖が出来ない現行憲法の限界を強調しつつ、感染地域に自衛隊を投入して自衛隊を英雄視し、その上で憲法への緊急事態条項と自衛隊を明記することにあります。言い換えますと、日本のファシズム化の進行です。
2. 安倍政権が緊急事態条項と自衛隊の憲法明記を目指す背景
なぜ安倍政権は、人命救助を無視してでも、憲法を改定し、緊急事態条項と自衛隊の明記を目指すのか?。
その理解のためには、日本の国内事情だけでなく、大局的な世界情勢の流れを理解する必要があります。
現在、中国は急速な経済成長を実現し、それにともない、政治力・軍事力・国際的影響力を拡大しつつあります。中国のGDPは、間もなくアメリカに追いつき、追い越します。

中国のファーウェイは、すでに次世代移動通信の5Gの分野で事実上の世界標準を確立。その結果、中国は、5Gによって実現される自動運転やIoT、スマートシティ、AIサービスなど、近未来の巨大なビジネスチャンスを制することになります。

さらに、中国は、一帯一路政策を通じて、中国から中央アジア、中東、東ヨーロッパ、南ヨーロッパ、アフリカへも影響力を拡大しています。
通信分野を制することは、電子マネー・デジタル人民元を通じて、これらの地域における中国の金融ビジネスの拡大も意味します。その結果、機軸通貨としてのドルの地位が脅かされつつあります。

また、アフリカでは、固定電話の普及を飛び越えてスマートフォンが普及し、給与が電子マネーとして直接スマートフォンに振り込まれ、スマートフォンが財布代わりに使われ始めています。中国は、アフリカにおける5Gの普及を促進しており、それにともない、中国の電子マネーがアフリカで普及すれば、伝統的にアフリカの金融を支配してきたヨーロッパの金融機関も駆逐されることになります。
中国は、すでに次々世代移動通信の6Gの研究開発も進めており、情報通信分野での恒久的な優位性を確立しつつあります。さらに中国は、投資銀行分野にも進出しつつあります。このため、今、中国を封じ込めなければ、米欧は、先端技術分野・金融分野で、二度と中国に追いつけなくなる可能性があります。
そのため、米欧の巨大資本は、あらゆる手を使って、中国の台頭を押さえ込もうとしています。しかしながら、13億の人口と巨大市場を有する中国を、経済的に封じ込めることは困難です。
また、一帯一路を通じて、各国に影響力を拡大しつつある中国を政治的に押さえ込むことも困難です。
残る手段は中国を軍事的に押さえ込むことですが、中国はロシアと戦略的なパートナーシップを維持しており、米欧が中国を直接軍事的に攻撃することは、現実的ではありません。
このような状況の下、米欧の巨大資本が取り得る最も有効で、歴史的にもその有効性が証明されている手段は、日本をファシズム化・軍事大国化し、中国攻撃に使うという手法です。

[満州事変・日中戦争から太平洋戦争における日本の中国攻撃・侵攻]
かつて、日清戦争において、日本は欧米諸国の尖兵となり、中国を攻撃・侵略しました.
しかし、太平洋戦争後、日本は平和憲法を制定し、民主主義の国となり、戦力も不保持となりました。
そこで、再び、日本を使って中国を攻撃するためには、日本のファシズム化と軍事大国化が必要となります。
安倍政権は、アメリカ政府およびアメリカ大資本が支えることで維持されています。言い換えますと、安倍政権はアメリカの言いなりということになります。
また、日本の大資本も、アメリカのNSA(国家安全保障局)による情報収集にさらされています。企業内の公にしたくない秘密を暴露されることで、日本の企業はいつでも苦境に陥ります。
このような状況の下、安倍政権は、新型コロナウイルス対策の過程で、日本のファシズム化と軍事大国化を着々と進めています。
3. 安倍政権による緊急事態条項と自衛隊憲法明記のプロセスとその帰結
安倍政権による意図的検査制限の真の目的は、感染を拡大させ自作自演の非常事態を作出し、緊急事態を宣言、都市封鎖が出来ない現行憲法の限界を強調しつつ、感染地域に自衛隊を投入して自衛隊を英雄視、その上で憲法への緊急事態条項と自衛隊を明記することにあります。

[新型コロナ対策に動員される自衛隊衛生部隊の特殊車両]
安倍政権は、4月8日、新型肺炎特措法に基づき、7都府県に対し緊急事態宣言を行いました。
その前日の7日、安倍首相は衆院議院運営委員会で、新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、「緊急時に国家や国民がどのような役割を果たし、国難を乗り越えるか。憲法にどう位置付けるかは極めて重く大切な課題だ」と述べ、憲法改定による緊急事態条項の導入を求めました。[1]

かつて1923年の関東大震災の際、治安維持令が発布され、それが1925年の悪名高い治安維持法制定につながりました。
安倍政権は、ファシズム化を進めるため、災厄が欲しかったわけです。そこで、検査制限を行い、感染を拡大させ、自作自演の非常事態を作出したわけです。
この安倍政権の動きに、野党も翼賛体制で応えています。新型肺炎特措法改正に野党はこぞって賛成しました。
さらに維新の党や国民民主党は、現在の特措法は強制力がなく不十分だとして、特措法の再改正を求めています。野党が、ファシズム化の先棒を担いでいるわけです。[2][3]
政権は、ファシズム化を進め、反政府デモや反戦デモを押さえ込みたいと考えています。
安倍政権は、経済対策として国民1人あたり10万円を支給することを決定しましたが、その陰で検査制限は継続され、感染者の隠蔽と感染拡大は放置されたままです。その結果、緊急事態宣言は、全国に拡大されました。
感染者数を隠蔽出来るということは、感染者数の水増しも出来るという事です。今後、政権が、憲法改定や中国との軍事紛争を画策するときは、第2波、第3波のコロナ蔓延が起こったとして緊急事態を宣言すれば、反政府デモや反戦デモを封じ込める事が出来ることになります。
さらに、新型肺炎特措法の緊急事態宣言は新型コロナ蔓延のときだけに限られますが、憲法に緊急事態条項を明記すれば、新型コロナの蔓延に限らず、いつでも自作自演の非常事態を作出して、反政府デモや反戦デモを押さえ込むことが出来ることになります。
また、安倍政権が憲法に自衛隊を明記したいのは、事実上憲法9条を無効にするためです。法律には、「後法は前法に優先する」という原則があります。もし憲法に自衛隊が明記されれば、事実上の軍隊である自衛隊が憲法上明記されたのだから、それと矛盾する憲法9条の戦力不保持や戦争放棄は無効となる、という解釈が成り立つことになります。そのため、憲法への自衛隊明記は、攻撃的兵器の配備や軍事的威嚇、さらに軍事紛争への参加の道を開くことになります。
かつてドイツでは、ヒトラー率いるナチスが、憲法の緊急事態条項を悪用して、事実上議会を機能停止に追い込み、ヒトラー総統に権限を集中させ、独裁制を実現しました。それと同じことが日本で行われようとしています。

ちなみに、ファシズム化したドイツは、1942年、ソ連に侵攻し、社会主義国ソ連で殺戮と破壊を行いました。
現在、日本のファシズム化が進められているのは、米欧大資本が、ファシズム日本を使って中国を攻撃するためです。
ちなみに、経産省のタカ派官僚が、間違った勢力均衡論に基づき、中国に対抗するために日本は軍事力を増大すべきだと主張しています。この官僚は、「アメリカの覇権パワーが音を立てて崩れるなか、2000年代以降、日中の軍事力の格差は、飛躍的に拡大した。戦争を避けるためには、このような勢力不均衡をつくってはならなかった」と指摘しています。言い換えますと、日中の軍事力の格差を解消するため、日本は軍事力を急拡大すべきだということになります。ファシズムは、軍国主義の拡大と共に進行します。ファシズムの下、経済産業省は、経済”軍需”省となります。[4]
今月、アメリカ第7艦隊の空母セオドア・ルーズベルトとロナルド・レーガンの乗員に新型コロナが蔓延し、2隻とも機能停止に追い込まれました。空母が生物兵器に対しきわめて脆弱であることが露呈したわけです。今後、抑止力の中心は、空母からミサイルへ取って代わられていくことになります。
そのため、日本を使った対中国軍事力拡大は、中国を射程に収める中距離ミサイルの配備が柱となります。当初は、アメリカの中距離ミサイルが沖縄、奄美諸島に配備され、やがて自衛隊の中距離ミサイルや巡航ミサイルの配備へと進むでしょう。

[2019年8月、アメリカが実施した地上発射型中距離ミサイル発射実験]

[奄美大島・大熊地区の自衛隊ミサイル基地]

[宮古島の自衛隊ミサイル基地]
アメリカのシンクタンクCSBAのレポートは、九州・琉球列島・奄美諸島から中国本土に対する中距離弾道ミサイル攻撃を行うことを想定しています。[5]

[九州・琉球列島・奄美諸島から中国本土に対する中距離弾道ミサイル攻撃(出典: Tightening The Chain)]

[宮古島のミサイル基地に配備された自衛隊の地対空ミサイルおよび地対艦ミサイル ー 将来、中国本土を射程に収める中距離ミサイルが配備される可能性があります]
当然、日本国内ではミサイル配備に反対の声が上がりますが、憲法に緊急事態条項があれば、反政府デモも反戦デモも押さえ込むことが可能となります。
4. 安倍首相が国民世論を無視してまで憲法改定に突き進む可能性
ただ、もし安倍首相が側近官僚と共謀し、国民世論を無視して強引に憲法改定へ突き進み、憲法改定の発議そして国民投票の実施を行った場合、それが彼らにとって裏目に出る可能性もあります。
衆参両院で3分の2以上の議席があれば憲法改定の発議は可能ですが、問題は国民投票です。投票者の過半数が賛成する必要があるため、非常にハードルが高く、否決される可能性もあります。その場合、内閣が責任を取って総辞職するのはもちろん、集団的自衛権を認めた安保法制の正当性にも疑問が生じ、日本を中国攻撃に使うことが難しくなってしまいます。
そのため、安倍首相があくまで憲法改定に執念を燃やし、側近官僚と共謀し、国民世論を無視してまで憲法改定の発議そして国民投票へと強引に進めようとする場合、アメリカ保守派はすでに成立している安保法制を守るために安倍首相を退陣させるかも知れません。
アメリカ保守派にすれば、憲法を改定しなくとも、安保法制があれば、日本を中国攻撃に使うことは可能なわけです。緊急事態条項についても、憲法に明記しなくとも、通常立法で一般的な緊急事態法を制定すれば、反政府デモや反戦デモを押さえ込むことが可能となります。中距離ミサイルの配備も、あくまでも敵基地攻撃のためとして、憲法の認める専守防衛の範囲内と強弁する可能性があります。[6]
ちなみに、敵基地を攻撃すれば当然相手国の反撃を受けるため、敵基地攻撃力論は、相手国の反撃を許さないだけの強力な攻撃力を持つ必要があるという主張を生み、核武装論・核搭載中距離ミサイル配備論につながる危険性があります。アメリカ保守派の狙いは、日本と中国の間で地域的な核戦争を起こさせることです。
安倍は、内閣人事局、安保法制、共謀罪法、新型肺炎特措法など、制度的・法的仕組みを整備し、ミサイル基地を建設する役割を果たしたところで、使い捨てにされるかも知れません。[7]
閣内または自民党内で総理の座が横滑りされるかも知れません。
石破茂は、非核三原則見直し論者です。
あるいは、新型コロナ対策で評価を上げた地方自治体の首長または元首長が中央政界入りし、安倍が築いた制度的・構造的なファシズム体制を引き継ぐ可能性もあります。
小池百合子は、核武装論者です。
5. 日本が台湾危機に巻き込まれる可能性
この記事をお読みの方の中には、日本が中国を攻撃することは考えにくいという方がいらっしゃるかも知れません。
しかしながら、仮に台湾が独立を宣言し、台湾危機が発生した場合、日本は集団的自衛権により台湾危機に巻き込まれます。現在の台湾の蔡英文総統は独立派です。
中国は、台湾の独立を阻止するため、必ず軍事介入します。中国は、国内法の「反国家分裂法」により、仮に台湾が独立宣言をした場合、軍事力を使って、必ずこれを阻止すると定めています。
台湾は、アメリカに支援を求めます。アメリカは、国内法の「台湾関係法」により、台湾が攻撃を受けた場合、台湾を防衛することになっています。

台湾とアメリカは、日本に対し支援を要請します。日本は、安保法制に基づき、台湾とアメリカを支援するため、集団的自衛権を発動、中国を攻撃することになります。集団的自衛権を発動した場合、日本が攻撃を受けていなくても、日本は、中国を攻撃することになります。
ちなみに、報道によると、ロシアの安全保障専門家が、もしアメリカの中距離ミサイルが日本に配備されれば、ロシアと中国は正式に軍事同盟を結ぶだろうと発言したそうです。[8]
一方、アメリカは、Inside-Out戦略を採用しており、アメリカ軍はOutside Forceとして、中国の中距離弾道ミサイルの射程範囲外から海上封鎖をかけるのに対し、日本の自衛隊はInside Forceとして、中国の弾道ミサイルの射程範囲内で作戦行動を取ることになります。[9]

[第1列島線とINSIDE-FORCEおよびOUTSIDE-FORCE(出典: Tightening The Chain)]
そのため、日本に中距離ミサイルが配備された場合、台湾危機が生ずれば、日本は、事実上単独で、中国・ロシア連合軍と対峙することになります。鎖の一番弱い輪を突くのが戦闘の常道ですから、自衛隊は集中攻撃を受けるでしょう。
なお、報道によると、2016年に、中国の雲南省で、元中国共産党員の男が、外国勢力と共謀して、雲南省昆明市の公安局や軍の兵器庫などを襲撃し、市政府を転覆させる計画を立てていたそうです。男は、中国当局により逮捕されました。[10]
アメリカの狙いは、中国を軍事的に制圧することではありません。アメリカの狙いは、中国を地域紛争に引きずり込み、その機に乗じ中国国内で複数の地域的クーデターを勃発させ、中国の体制に揺さぶりをかけることにあると考えられます。台湾と日本は、いわばアメリカが中国の体制に揺さぶりをかける際の「捨て駒」にされるわけです。
6. ファシズム阻止のための強力かつ広範な国民運動の必要性
日本のファシズム化阻止のため、強力かつ広範な国民運動を組織し、展開する必要があります。
これは、単に安倍を取り除けば済むという問題ではありません。安部を取り除いても、制度的・構造的なファシズム体制は維持され、進行して行くからです。
閣内または自民党内で総理の座が横滑りされるかも知れません。
あるいは、新型コロナ対策で評価を上げた地方自治体の首長または元首長が中央政界入りし、安倍が築いた制度的・構造的なファシズム体制を引き継ぐ可能性もあります。
そのため、ファシズム化の背景にある、日本および米欧の大資本を批判し、攻撃する必要があります。
憲法改定を阻止するだけでは防げません。現行憲法の下でも、解釈改憲でファシズム化と中距離ミサイル配備は進みます。
政権交代しても変わりません。現在の野党は、すでに翼賛体質化しており、ファシズムを止める気力も能力もないからです。むしろ、野党は国民の反対の声を吸収し、何もしないという役割を果たしています。
国民自身が、ファシズム阻止のために立ち上がる必要があります。市民団体、労働組合、反戦平和団体、反原発団体、人権団体、法曹団体、学生団体、地方自治体、労働者、主婦、学生、高齢者、等々の民主的諸団体・諸個人が横の連携を強め、ファシズム阻止で共通行動を取る必要があります。
ファシズムの進行を阻止するため、政治家任せにせず、国民が【ファシズム阻止国民連絡会議】を立ち上げるべきです。政権とメディア・広告代理店の癒着、事実隠蔽、警察権・検察権の濫用、自衛隊の治安維持活動投入などを阻止するため、訴訟、不買運動、ストライキ、不服従などの実力行使を行います。

[1983年、西ドイツにおける中距離核ミサイル配備に反対する長さ110キロに及ぶ人間の鎖 ー このあとアメリカは西ドイツへの中距離核ミサイル配備を断念しました]
自由と権利、平和と独立を得たいのであれば、国民が決定権を持つ必要があります。そのためには、ドイツのように労働組合活動を活発化させ、各地域に多様で活力のある中小企業を成立させ、地方政府の権限を強め、再生可能エネルギーを通じた分散型の経済成長を実現させる必要があります。



外交的には、日米安保条約への依存を脱却し、アジア諸国との新しい安全保障枠組みを構築すべきです。アジア諸国の国民との連携が大切です。
具体的には、CICA(アジア相互協力信頼醸成措置会議)をベースに、そこにASEAN地域フォーラムを合体させ、新しいアジア地域の集団安全保障の仕組みを構築すべきです。日本は、CICAにオブザーバーとして参加しています。日本は、CICAに正式に加盟し、集団安全保障の一翼を担うべきです。(⇒2019年6月17日付
弊ブログ記事をご参照下さい。)

民主主義は、共同行動です。自分ひとりが得をしようとするのでなく、みんなで協力して権利と自由を獲得して行く。それが、民主主義です。
国民が、自ら真実の情報を集め、自ら議論し、自ら決定する。それが、民主主義です。
政治家や政党が提供する政策メニューを受動的に受け入れるのでなく、国民のみなさん自身が政策レベルで決定権を持つ必要があります。国民のみなさん自身が、日本をどういう国にしたいのか、ヴィジョンを持つ必要があります。細かい規定や細目は、政治家や官僚にさせれば良いことです。しかしながら、内政・外交における大原則は、国民のみなさん自身が決定する必要があります。
日本国民のみなさんが民主主義を進化させ、決定権を持たない限り、たとえ政権交代が起こっても、今後も、官僚であれ、アメリカ保守派であれ、国際金融資本であれ、国民のみなさん自身以外の勢力が決定権を持ち続けることになるでしょう。その結果、日本国民のみなさんは、権利と自由、さらに平和的生存権までをも失うことになるでしょう。
参照資料:
(1) 「首相、緊急事態条項の改憲議論促す」、2020年4月7日、日本経済新聞
(2) 「外出自粛に罰則、首相は慎重姿勢 緊急事態宣言めぐり」、2020年4月2日、朝日新聞
(3) 「『罰則つき外出制限』含む『ロックダウン法案』検討 国民・玉木氏が指示、『100%休業補償』も」、2020年4月8日、ニコニコニュース
(4) 「『コロナ禍』でさらに緊張が高まる、
日本を取り巻く国際政治の“残酷な真実”」、2020年4月11日、DIAMOND online
(5) Tightening The Chain, 2019, CSBA
(6) ミサイル増強すすめる中国軍、なのに具体的な議論ができない日本の問題、2020年4月30日、朝日新聞GLOBE+
(7) 「首相コロナ対策失態続出で二階氏と公明党にポスト安倍の動き」、2020年4月22日、週間ポスト
(8) "China-Russia alliance on horizon as nuclear arms treaties crumble", April 21st 2020, Nikkei Asian Review
(9) Tightening The Chain, 2019, CSBA
(10) "Chinese state security organs unveil retired official’s plot to subvert state power", April 16th 2020, Global Times
註記: 上記の見解は、私個人のものであり、いかなる団体あるいは政党の見解をも反映するものではありません。
私自身は、いずれの政党・政治団体にも所属していません。あくまでも一人の市民として、個人として発言しています。民主主義と平和を実現するために発言しています。
新型コロナによる大恐慌と混乱の下、米欧日の大資本主導により日本のファシズム化が進み、日本へ中距離ミサイルが配備され、中国への攻撃に使われる危険性があります。日本のファシズム化を阻止し、アジア諸国との新しい安全保障枠組みを構築する必要があります。

[宮古島のミサイル基地に配備された自衛隊の地対空ミサイルおよび地対艦ミサイル ー 将来、中国本土を射程に収める中距離ミサイルが配備される可能性があります]

[アメリカのシンクタンクCSBAが提案する九州・琉球列島・奄美諸島から中国本土に対する中距離弾道ミサイル攻撃(出典: Tightening The Chain)]
1. 安倍政権による検査制限の目的
安倍政権による検査制限が続いています。その結果、新型コロナウイルスの感染拡大が放置されています。
もし人命を救うことが最優先であれば、中国や韓国が行ったように、検査を徹底的に実施し、感染者を確認して隔離施設に収容し、重症者については専用の治療施設で治療すべきです。
そのため、安倍政権が検査制限を行い、人命第一の施策を実施しないのは、安倍政権が別の目的で行動しているためと考えられます。

当初、安倍政権が検査制限を行い、感染者数と死亡者数を低く見せかけていたのは、オリンピックを予定通り強行開催するためでした。しかしながら、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大にともないオリンピックは延期されました。
にもかかわらず、その後も、安倍政権が検査制限を続けているのは、ふたつの目的のためと考えられます。
第一に、安倍政権は人命救助よりも、経済とくに株価維持を優先しています。
現在、安倍政権の新型コロナウイルス対策担当大臣は、西村”経済”再生担当大臣です。安倍政権は、人命を救うことよりも、経済が回ること、そして、株価が維持されることを優先しています。株価が急落すれば、安倍政権は退陣に追い込まれるからです。そのため、検査制限を行い、感染者数と死亡者数を低く見せかけています。
経済優先の目的の中には、感染拡大を放置し、感染者を意図的に増やしたあと、ワクチン・治療薬を開発した米欧日の巨大製薬会社に大儲けさせるというシナリオも含まれます。
第二に、安倍政権が検査制限を行い、感染者の拡大を放置している背景には、さらにより深い目的が隠されていると思われます。
それは、感染を拡大させ自作自演の非常事態を作出し、緊急事態を宣言したあと、都市封鎖が出来ない現行憲法の限界を強調しつつ、感染地域に自衛隊を投入して自衛隊を英雄視し、その上で憲法への緊急事態条項と自衛隊を明記することにあります。言い換えますと、日本のファシズム化の進行です。
2. 安倍政権が緊急事態条項と自衛隊の憲法明記を目指す背景
なぜ安倍政権は、人命救助を無視してでも、憲法を改定し、緊急事態条項と自衛隊の明記を目指すのか?。
その理解のためには、日本の国内事情だけでなく、大局的な世界情勢の流れを理解する必要があります。
現在、中国は急速な経済成長を実現し、それにともない、政治力・軍事力・国際的影響力を拡大しつつあります。中国のGDPは、間もなくアメリカに追いつき、追い越します。

中国のファーウェイは、すでに次世代移動通信の5Gの分野で事実上の世界標準を確立。その結果、中国は、5Gによって実現される自動運転やIoT、スマートシティ、AIサービスなど、近未来の巨大なビジネスチャンスを制することになります。

さらに、中国は、一帯一路政策を通じて、中国から中央アジア、中東、東ヨーロッパ、南ヨーロッパ、アフリカへも影響力を拡大しています。
通信分野を制することは、電子マネー・デジタル人民元を通じて、これらの地域における中国の金融ビジネスの拡大も意味します。その結果、機軸通貨としてのドルの地位が脅かされつつあります。

また、アフリカでは、固定電話の普及を飛び越えてスマートフォンが普及し、給与が電子マネーとして直接スマートフォンに振り込まれ、スマートフォンが財布代わりに使われ始めています。中国は、アフリカにおける5Gの普及を促進しており、それにともない、中国の電子マネーがアフリカで普及すれば、伝統的にアフリカの金融を支配してきたヨーロッパの金融機関も駆逐されることになります。
中国は、すでに次々世代移動通信の6Gの研究開発も進めており、情報通信分野での恒久的な優位性を確立しつつあります。さらに中国は、投資銀行分野にも進出しつつあります。このため、今、中国を封じ込めなければ、米欧は、先端技術分野・金融分野で、二度と中国に追いつけなくなる可能性があります。
そのため、米欧の巨大資本は、あらゆる手を使って、中国の台頭を押さえ込もうとしています。しかしながら、13億の人口と巨大市場を有する中国を、経済的に封じ込めることは困難です。
また、一帯一路を通じて、各国に影響力を拡大しつつある中国を政治的に押さえ込むことも困難です。
残る手段は中国を軍事的に押さえ込むことですが、中国はロシアと戦略的なパートナーシップを維持しており、米欧が中国を直接軍事的に攻撃することは、現実的ではありません。
このような状況の下、米欧の巨大資本が取り得る最も有効で、歴史的にもその有効性が証明されている手段は、日本をファシズム化・軍事大国化し、中国攻撃に使うという手法です。

[満州事変・日中戦争から太平洋戦争における日本の中国攻撃・侵攻]
かつて、日清戦争において、日本は欧米諸国の尖兵となり、中国を攻撃・侵略しました.
しかし、太平洋戦争後、日本は平和憲法を制定し、民主主義の国となり、戦力も不保持となりました。
そこで、再び、日本を使って中国を攻撃するためには、日本のファシズム化と軍事大国化が必要となります。
安倍政権は、アメリカ政府およびアメリカ大資本が支えることで維持されています。言い換えますと、安倍政権はアメリカの言いなりということになります。
また、日本の大資本も、アメリカのNSA(国家安全保障局)による情報収集にさらされています。企業内の公にしたくない秘密を暴露されることで、日本の企業はいつでも苦境に陥ります。
このような状況の下、安倍政権は、新型コロナウイルス対策の過程で、日本のファシズム化と軍事大国化を着々と進めています。
3. 安倍政権による緊急事態条項と自衛隊憲法明記のプロセスとその帰結
安倍政権による意図的検査制限の真の目的は、感染を拡大させ自作自演の非常事態を作出し、緊急事態を宣言、都市封鎖が出来ない現行憲法の限界を強調しつつ、感染地域に自衛隊を投入して自衛隊を英雄視、その上で憲法への緊急事態条項と自衛隊を明記することにあります。

[新型コロナ対策に動員される自衛隊衛生部隊の特殊車両]
安倍政権は、4月8日、新型肺炎特措法に基づき、7都府県に対し緊急事態宣言を行いました。
その前日の7日、安倍首相は衆院議院運営委員会で、新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、「緊急時に国家や国民がどのような役割を果たし、国難を乗り越えるか。憲法にどう位置付けるかは極めて重く大切な課題だ」と述べ、憲法改定による緊急事態条項の導入を求めました。[1]

かつて1923年の関東大震災の際、治安維持令が発布され、それが1925年の悪名高い治安維持法制定につながりました。
安倍政権は、ファシズム化を進めるため、災厄が欲しかったわけです。そこで、検査制限を行い、感染を拡大させ、自作自演の非常事態を作出したわけです。
この安倍政権の動きに、野党も翼賛体制で応えています。新型肺炎特措法改正に野党はこぞって賛成しました。
さらに維新の党や国民民主党は、現在の特措法は強制力がなく不十分だとして、特措法の再改正を求めています。野党が、ファシズム化の先棒を担いでいるわけです。[2][3]
政権は、ファシズム化を進め、反政府デモや反戦デモを押さえ込みたいと考えています。
安倍政権は、経済対策として国民1人あたり10万円を支給することを決定しましたが、その陰で検査制限は継続され、感染者の隠蔽と感染拡大は放置されたままです。その結果、緊急事態宣言は、全国に拡大されました。
感染者数を隠蔽出来るということは、感染者数の水増しも出来るという事です。今後、政権が、憲法改定や中国との軍事紛争を画策するときは、第2波、第3波のコロナ蔓延が起こったとして緊急事態を宣言すれば、反政府デモや反戦デモを封じ込める事が出来ることになります。
さらに、新型肺炎特措法の緊急事態宣言は新型コロナ蔓延のときだけに限られますが、憲法に緊急事態条項を明記すれば、新型コロナの蔓延に限らず、いつでも自作自演の非常事態を作出して、反政府デモや反戦デモを押さえ込むことが出来ることになります。
また、安倍政権が憲法に自衛隊を明記したいのは、事実上憲法9条を無効にするためです。法律には、「後法は前法に優先する」という原則があります。もし憲法に自衛隊が明記されれば、事実上の軍隊である自衛隊が憲法上明記されたのだから、それと矛盾する憲法9条の戦力不保持や戦争放棄は無効となる、という解釈が成り立つことになります。そのため、憲法への自衛隊明記は、攻撃的兵器の配備や軍事的威嚇、さらに軍事紛争への参加の道を開くことになります。
かつてドイツでは、ヒトラー率いるナチスが、憲法の緊急事態条項を悪用して、事実上議会を機能停止に追い込み、ヒトラー総統に権限を集中させ、独裁制を実現しました。それと同じことが日本で行われようとしています。

ちなみに、ファシズム化したドイツは、1942年、ソ連に侵攻し、社会主義国ソ連で殺戮と破壊を行いました。
現在、日本のファシズム化が進められているのは、米欧大資本が、ファシズム日本を使って中国を攻撃するためです。
ちなみに、経産省のタカ派官僚が、間違った勢力均衡論に基づき、中国に対抗するために日本は軍事力を増大すべきだと主張しています。この官僚は、「アメリカの覇権パワーが音を立てて崩れるなか、2000年代以降、日中の軍事力の格差は、飛躍的に拡大した。戦争を避けるためには、このような勢力不均衡をつくってはならなかった」と指摘しています。言い換えますと、日中の軍事力の格差を解消するため、日本は軍事力を急拡大すべきだということになります。ファシズムは、軍国主義の拡大と共に進行します。ファシズムの下、経済産業省は、経済”軍需”省となります。[4]
今月、アメリカ第7艦隊の空母セオドア・ルーズベルトとロナルド・レーガンの乗員に新型コロナが蔓延し、2隻とも機能停止に追い込まれました。空母が生物兵器に対しきわめて脆弱であることが露呈したわけです。今後、抑止力の中心は、空母からミサイルへ取って代わられていくことになります。
そのため、日本を使った対中国軍事力拡大は、中国を射程に収める中距離ミサイルの配備が柱となります。当初は、アメリカの中距離ミサイルが沖縄、奄美諸島に配備され、やがて自衛隊の中距離ミサイルや巡航ミサイルの配備へと進むでしょう。

[2019年8月、アメリカが実施した地上発射型中距離ミサイル発射実験]

[奄美大島・大熊地区の自衛隊ミサイル基地]

[宮古島の自衛隊ミサイル基地]
アメリカのシンクタンクCSBAのレポートは、九州・琉球列島・奄美諸島から中国本土に対する中距離弾道ミサイル攻撃を行うことを想定しています。[5]

[九州・琉球列島・奄美諸島から中国本土に対する中距離弾道ミサイル攻撃(出典: Tightening The Chain)]

[宮古島のミサイル基地に配備された自衛隊の地対空ミサイルおよび地対艦ミサイル ー 将来、中国本土を射程に収める中距離ミサイルが配備される可能性があります]
当然、日本国内ではミサイル配備に反対の声が上がりますが、憲法に緊急事態条項があれば、反政府デモも反戦デモも押さえ込むことが可能となります。
4. 安倍首相が国民世論を無視してまで憲法改定に突き進む可能性
ただ、もし安倍首相が側近官僚と共謀し、国民世論を無視して強引に憲法改定へ突き進み、憲法改定の発議そして国民投票の実施を行った場合、それが彼らにとって裏目に出る可能性もあります。
衆参両院で3分の2以上の議席があれば憲法改定の発議は可能ですが、問題は国民投票です。投票者の過半数が賛成する必要があるため、非常にハードルが高く、否決される可能性もあります。その場合、内閣が責任を取って総辞職するのはもちろん、集団的自衛権を認めた安保法制の正当性にも疑問が生じ、日本を中国攻撃に使うことが難しくなってしまいます。
そのため、安倍首相があくまで憲法改定に執念を燃やし、側近官僚と共謀し、国民世論を無視してまで憲法改定の発議そして国民投票へと強引に進めようとする場合、アメリカ保守派はすでに成立している安保法制を守るために安倍首相を退陣させるかも知れません。
アメリカ保守派にすれば、憲法を改定しなくとも、安保法制があれば、日本を中国攻撃に使うことは可能なわけです。緊急事態条項についても、憲法に明記しなくとも、通常立法で一般的な緊急事態法を制定すれば、反政府デモや反戦デモを押さえ込むことが可能となります。中距離ミサイルの配備も、あくまでも敵基地攻撃のためとして、憲法の認める専守防衛の範囲内と強弁する可能性があります。[6]
ちなみに、敵基地を攻撃すれば当然相手国の反撃を受けるため、敵基地攻撃力論は、相手国の反撃を許さないだけの強力な攻撃力を持つ必要があるという主張を生み、核武装論・核搭載中距離ミサイル配備論につながる危険性があります。アメリカ保守派の狙いは、日本と中国の間で地域的な核戦争を起こさせることです。
安倍は、内閣人事局、安保法制、共謀罪法、新型肺炎特措法など、制度的・法的仕組みを整備し、ミサイル基地を建設する役割を果たしたところで、使い捨てにされるかも知れません。[7]
閣内または自民党内で総理の座が横滑りされるかも知れません。
石破茂は、非核三原則見直し論者です。
あるいは、新型コロナ対策で評価を上げた地方自治体の首長または元首長が中央政界入りし、安倍が築いた制度的・構造的なファシズム体制を引き継ぐ可能性もあります。
小池百合子は、核武装論者です。
5. 日本が台湾危機に巻き込まれる可能性
この記事をお読みの方の中には、日本が中国を攻撃することは考えにくいという方がいらっしゃるかも知れません。
しかしながら、仮に台湾が独立を宣言し、台湾危機が発生した場合、日本は集団的自衛権により台湾危機に巻き込まれます。現在の台湾の蔡英文総統は独立派です。
中国は、台湾の独立を阻止するため、必ず軍事介入します。中国は、国内法の「反国家分裂法」により、仮に台湾が独立宣言をした場合、軍事力を使って、必ずこれを阻止すると定めています。
台湾は、アメリカに支援を求めます。アメリカは、国内法の「台湾関係法」により、台湾が攻撃を受けた場合、台湾を防衛することになっています。

台湾とアメリカは、日本に対し支援を要請します。日本は、安保法制に基づき、台湾とアメリカを支援するため、集団的自衛権を発動、中国を攻撃することになります。集団的自衛権を発動した場合、日本が攻撃を受けていなくても、日本は、中国を攻撃することになります。
ちなみに、報道によると、ロシアの安全保障専門家が、もしアメリカの中距離ミサイルが日本に配備されれば、ロシアと中国は正式に軍事同盟を結ぶだろうと発言したそうです。[8]
一方、アメリカは、Inside-Out戦略を採用しており、アメリカ軍はOutside Forceとして、中国の中距離弾道ミサイルの射程範囲外から海上封鎖をかけるのに対し、日本の自衛隊はInside Forceとして、中国の弾道ミサイルの射程範囲内で作戦行動を取ることになります。[9]

[第1列島線とINSIDE-FORCEおよびOUTSIDE-FORCE(出典: Tightening The Chain)]
そのため、日本に中距離ミサイルが配備された場合、台湾危機が生ずれば、日本は、事実上単独で、中国・ロシア連合軍と対峙することになります。鎖の一番弱い輪を突くのが戦闘の常道ですから、自衛隊は集中攻撃を受けるでしょう。
なお、報道によると、2016年に、中国の雲南省で、元中国共産党員の男が、外国勢力と共謀して、雲南省昆明市の公安局や軍の兵器庫などを襲撃し、市政府を転覆させる計画を立てていたそうです。男は、中国当局により逮捕されました。[10]
アメリカの狙いは、中国を軍事的に制圧することではありません。アメリカの狙いは、中国を地域紛争に引きずり込み、その機に乗じ中国国内で複数の地域的クーデターを勃発させ、中国の体制に揺さぶりをかけることにあると考えられます。台湾と日本は、いわばアメリカが中国の体制に揺さぶりをかける際の「捨て駒」にされるわけです。
6. ファシズム阻止のための強力かつ広範な国民運動の必要性
日本のファシズム化阻止のため、強力かつ広範な国民運動を組織し、展開する必要があります。
これは、単に安倍を取り除けば済むという問題ではありません。安部を取り除いても、制度的・構造的なファシズム体制は維持され、進行して行くからです。
閣内または自民党内で総理の座が横滑りされるかも知れません。
あるいは、新型コロナ対策で評価を上げた地方自治体の首長または元首長が中央政界入りし、安倍が築いた制度的・構造的なファシズム体制を引き継ぐ可能性もあります。
そのため、ファシズム化の背景にある、日本および米欧の大資本を批判し、攻撃する必要があります。
憲法改定を阻止するだけでは防げません。現行憲法の下でも、解釈改憲でファシズム化と中距離ミサイル配備は進みます。
政権交代しても変わりません。現在の野党は、すでに翼賛体質化しており、ファシズムを止める気力も能力もないからです。むしろ、野党は国民の反対の声を吸収し、何もしないという役割を果たしています。
国民自身が、ファシズム阻止のために立ち上がる必要があります。市民団体、労働組合、反戦平和団体、反原発団体、人権団体、法曹団体、学生団体、地方自治体、労働者、主婦、学生、高齢者、等々の民主的諸団体・諸個人が横の連携を強め、ファシズム阻止で共通行動を取る必要があります。
ファシズムの進行を阻止するため、政治家任せにせず、国民が【ファシズム阻止国民連絡会議】を立ち上げるべきです。政権とメディア・広告代理店の癒着、事実隠蔽、警察権・検察権の濫用、自衛隊の治安維持活動投入などを阻止するため、訴訟、不買運動、ストライキ、不服従などの実力行使を行います。

[1983年、西ドイツにおける中距離核ミサイル配備に反対する長さ110キロに及ぶ人間の鎖 ー このあとアメリカは西ドイツへの中距離核ミサイル配備を断念しました]
自由と権利、平和と独立を得たいのであれば、国民が決定権を持つ必要があります。そのためには、ドイツのように労働組合活動を活発化させ、各地域に多様で活力のある中小企業を成立させ、地方政府の権限を強め、再生可能エネルギーを通じた分散型の経済成長を実現させる必要があります。



外交的には、日米安保条約への依存を脱却し、アジア諸国との新しい安全保障枠組みを構築すべきです。アジア諸国の国民との連携が大切です。
具体的には、CICA(アジア相互協力信頼醸成措置会議)をベースに、そこにASEAN地域フォーラムを合体させ、新しいアジア地域の集団安全保障の仕組みを構築すべきです。日本は、CICAにオブザーバーとして参加しています。日本は、CICAに正式に加盟し、集団安全保障の一翼を担うべきです。(⇒2019年6月17日付
弊ブログ記事をご参照下さい。)

民主主義は、共同行動です。自分ひとりが得をしようとするのでなく、みんなで協力して権利と自由を獲得して行く。それが、民主主義です。
国民が、自ら真実の情報を集め、自ら議論し、自ら決定する。それが、民主主義です。
政治家や政党が提供する政策メニューを受動的に受け入れるのでなく、国民のみなさん自身が政策レベルで決定権を持つ必要があります。国民のみなさん自身が、日本をどういう国にしたいのか、ヴィジョンを持つ必要があります。細かい規定や細目は、政治家や官僚にさせれば良いことです。しかしながら、内政・外交における大原則は、国民のみなさん自身が決定する必要があります。
日本国民のみなさんが民主主義を進化させ、決定権を持たない限り、たとえ政権交代が起こっても、今後も、官僚であれ、アメリカ保守派であれ、国際金融資本であれ、国民のみなさん自身以外の勢力が決定権を持ち続けることになるでしょう。その結果、日本国民のみなさんは、権利と自由、さらに平和的生存権までをも失うことになるでしょう。
参照資料:
(1) 「首相、緊急事態条項の改憲議論促す」、2020年4月7日、日本経済新聞
(2) 「外出自粛に罰則、首相は慎重姿勢 緊急事態宣言めぐり」、2020年4月2日、朝日新聞
(3) 「『罰則つき外出制限』含む『ロックダウン法案』検討 国民・玉木氏が指示、『100%休業補償』も」、2020年4月8日、ニコニコニュース
(4) 「『コロナ禍』でさらに緊張が高まる、
日本を取り巻く国際政治の“残酷な真実”」、2020年4月11日、DIAMOND online
(5) Tightening The Chain, 2019, CSBA
(6) ミサイル増強すすめる中国軍、なのに具体的な議論ができない日本の問題、2020年4月30日、朝日新聞GLOBE+
(7) 「首相コロナ対策失態続出で二階氏と公明党にポスト安倍の動き」、2020年4月22日、週間ポスト
(8) "China-Russia alliance on horizon as nuclear arms treaties crumble", April 21st 2020, Nikkei Asian Review
(9) Tightening The Chain, 2019, CSBA
(10) "Chinese state security organs unveil retired official’s plot to subvert state power", April 16th 2020, Global Times
註記: 上記の見解は、私個人のものであり、いかなる団体あるいは政党の見解をも反映するものではありません。
私自身は、いずれの政党・政治団体にも所属していません。あくまでも一人の市民として、個人として発言しています。民主主義と平和を実現するために発言しています。