みなさま、こんにちは
アルファサポート行政書士事務所の佐久間です。
先日、知り合いの留学生がアルバイト代にかかる税金が免除の対象なのに、知らずにずっと支払っていたというケースに遭遇しましたので、今日はその話題をお届けします。
法律上の義務はしっかり守らなければなりませんが、
権利もきちんと行使しましょう
■ 留学生の「義務」としての時間制限
留学生のアルバイトというと、真っ先に頭に浮かぶのは入管法上の時間制限ですよね?
週に28時間まで、長期休暇なら1日8時間までというあれです。
アルバイト時間の入管法による制限を甘くみている留学生も多いのですが、もし入管が把握することになれば、直ちに退去強制になることは少なくても、次の更新申請はまず認められません。
資格外活動という犯罪だからです。
留学生のアルバイト時間がなぜ週28時間というラインに設定されているのかという点については、
別の記事にまとめましたので、ご興味ある方はご参照ください。
【関連記事】
・留学生のアルバイト時間制限はなぜ週28時間に設定されているのか?
■ 留学生の「権利」としての税金免除
アルバイトの時間制限は、留学生にとって入管法上の義務ですが、
実は権利を行使されていない方も多いです。
払う必要のない税金をとられている留学生がけっこう多くいらっしゃいます。
税金が免除されることをご存知ないようなのです。
ただし、留学生のアルバイト代にかかる税金が免除されるかどうかは、
その留学生の国籍と、留学生が通っている学校の種別によって異なります。全員が免除されるわけではありません。
留学生のアルバイトの時間制限は、どの国籍国にも、どの学校の学生にも一律同じ規制が適用されるので認知されやすいですが、
税金の免除は国籍によって、そして同じ国籍でも通っている学校によって扱いが異なるので、なかなか認知が進まないようです。
■ 租税条約の有無と内容を知ろう
まず、相手国と日本との間に、租税条約が締結されているかを確認します。
締結されていなければ、原則通り、税金を支払うことになります。
例えば、ネパールと日本の間に租税条約は締結されていないことから、ネパール人留学生はアルバイト代について、
通常通りの源泉徴収により所得税や住民税を支払うことになります。
ご自分の国籍国と日本との間に租税条約が締結されている場合は、その内容を確認しましょう。
大別すると、次の3パターンにわかれます。
・所得税が全額免除される国
・一部免除される国
・アルバイト代については免除されない国
所得税が基本的に全額免除される国の例は中国です。
ただし同じ中国人留学生であっても、通っている学校が専門学校や日本語学校だと免除の対象となりません。
学校教育法1条に規定する学校の学生さんが対象です。
所得税が一部免除される国の例は韓国です。
ただし同じ韓国人留学生であっても、通っている学校が専門学校や日本語学校だと免除の対象となりません。
学校教育法1条に規定する学校の学生さんが対象です。
アルバイト代の所得税が免除されない国の例はベトナムです。
ベトナムと日本との間には租税条約があるのですが、海外から送金されてくるお金の税金は免除されるものの、日本国内で稼ぐお金は免税されないという内容になっています。
国別にもっと租税条約の有無や内容について知りたい方は、別記事にまとめましたので、ご参照ください。
まとめた国は、中国、ベトナム、ネパール、韓国、台湾、インドネシア、スリランカ、ミャンマー、
タイ、マレーシア、アメリカ、モンゴル、バングラデシュ、フィリピン、フランス、インド、ドイツです。
【関連記事】
・留学生のアルバイト代にかかる税金の免除について
■ 払いすぎた税金は戻ってくる!
しまった! 免税制度を知らなかったために税金をすでに支払ってしまったという留学生は、税務署に還付請求をすることで返金を受けることができます。
ではまた
ご興味のある方はどうぞ!
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