基礎実習のはなし その4
あたって砕けてしまった援助計画。
完全に行き詰った感丸出しでヘコんでいてもしかたないのでそのやりとりを指導者と看護師長に報告してみる。
師長 『ん~、あの人はほっといてほしい人なのかもね~』
指導者 「あまり無理に誘わずほど良い距離を保った方がいいかもね…」
あ、やっぱりそうなる??
あんまりガツガツしない方がいいのねやっぱ。
これは失敗じゃないんです、鬼瓦さんに当たって砕けたことで 『うまくいかない方法がわかった』 のです。
そうやって自分に言い聞かせてみるけどやっぱりヘコむもんです。
『難しいなぁ…』
このあと鬼瓦さんのとこに行って、午後からは何もしないことと勝手なこと言ってしまってごめんなさいってことを伝えました。
「別にいいよ」 だって。怒ってないみたいからよかったけど…
明日から何すりゃいいんだろ。
そうか、何もしなけりゃいいのか。
実習も残り3日。
鬼瓦さんと一緒に過ごす時間を減らしてみることに。
バイタルサインの測定を終えると、いつもはベットサイドに腰掛けて話をする。
今日からは話をせずに病室を後にする。その後は30分に一度くらいの頻度で訪室して様子を見に行く。
ちょくちょく見にいくけども鬼瓦さんはだいたい寝てる。
すぐ寝る良く寝るかなり寝る。ねるねるねーるね鬼瓦。
起きてるときにどうしてそんなに眠いのか聞いてみると夜はあまり寝れないのだとか。昼間はそうでもないみたいけど夜は頻尿ですぐ目が覚めちゃうらしい。
あまり熟睡できないからついつい昼も眠くなるそうだ。
僕と一緒にいるときは眠くても我慢して起きててくれたんだろう。
これまで近くに居過ぎたのか少し距離を置いてみるとこれまで見えなかった部分が見えた気がする。
(マンネリカップルみたい…)
皮肉なことに一緒に過ごす時間が少なくなったことで会話も少しは弾むようになる。
鬼瓦さんは眠れるように薬を飲んでるんだけど薬を飲んでぐっすり眠っちゃうとおしっこにも気が付かないくらいのぐっすりっぷりらしい。
トイレの失敗が嫌だから薬は飲みたくないみたい。
こんな話は病棟の看護師にもしてないらしい。やっぱり言いにくいもんね。
僕が直接その問題を解決できるかは別として、こうして悩みを話してくれたことが嬉しい。
こうやって患者の悩みとか問題を知ることができれば何らかの解決策を考えることができる。解決できなくても患者の悩みを聞くだけでもその人は楽な気持ちになれるかもしれない。
なんか根本的なとこが間違ってたのかもしれないって思った。
『患者に為に何ができるか』
『 患 者 の 為 』 聞こえは良いけどそこに患者の意思は無い。
自分の主観での『患者の為』。
“患者の意思を尊重した…”
なんてそれらしい目標を立ててたんだけど実際に自分がやってたことってのは
“自分の意思での援助”
だったわけでその背景には実習生としての焦りであったり、鬼瓦さんを『援助が必要な高齢者』としか見てなかったこと。
援助とか以前の問題ですごく大切なことに気が付いたように思う。
『受け持ち患者に日常生活援助を行って学んだこと』
ばっちり学んでるわ。
患者の思いを知ることとかその思いに沿うことの大切さとか。
自分の考え方が間違ってたってことに気がつけたのは一番大きいかな。
終わってみればなかなか良い実習になったね。
そして最終日…
や 『鬼瓦さんバイタルも安定してますね。昨日の夜は寝れましたか??』
鬼 「まあまあやね。それより今日は頭と足を洗いたいなぁ、お願いできるかね?」
や 『もちろんです!準備してきますね!!』
最終日ってことで鬼瓦さんが気を使ってくれたのかどうかはわかりません。正直あのやりとりだけは心残りだったんだけどまさか鬼瓦さんから言ってくれるとは思わなかったからビックリした。
2週間の感謝をこめて洗髪と足浴をする。終わったのはもう昼過ぎでちょうどご飯の時間だった。
僕は鬼瓦さんのとこに昼食を配膳して部屋を出る。
「ありがとね」
後ろでボソッとつぶやくような声が聞こえた。
2週間一緒に過ごして一度も聞いたことなかった言葉。
部屋を出たら思わずガッツポーズしちゃった。
近くにいたおばあちゃんが不思議そうにこっちを見てたけど目が合ったら笑ってくれた。
んで僕もこらえてたんだけど嬉しくて思わずニヤけてた。
月曜からまた実習始まるけど次はどんな患者さんに出会えるか。
期待と不安があるけれど間違いなく勉強になるだろうと思ってます。
来週もがんばるぞーーー!!!!!
おわり。
アメリカンジョーク
その1
農場の息子が、とうもろこしを満載した荷馬車を倒してしまった。
その大きな音を聞きつけた近所の農夫が、彼に大声で呼びかけた。
「おーい、!大丈夫か!元気だして、とりあえずうちにおいで!あとで車を起こすのは手伝うからよ!」
「それはどうもありがとう!でも、おやじがなんて言うか・・・」
「いいから、おいでよ。」と親切な農夫。
「じゃあ、お邪魔しようかな・・・」彼は結局行くことに。「でもおやじがなんて言うか・・・」
あたたかい夕食の一時が済み、彼は農夫にお礼を言った。
「ありがとうおじさん、だいぶ元気がでたよ。でも、おやじが怒るだろうな・・・」
「馬鹿言うな、大丈夫だよ!」
農夫は笑顔で元気付けた。
「ところでおやじさん、どこにいるんだい?」
「馬車の下に・・」
その2
ある男が病院に行き、医者に症状を伝えた。「先生、かなりヒドイ頭痛がするんです。どうしたら良いでしょうか?」。
すると先生は、「そうだなあ、私の場合は、私の妻とセックスをするだけで頭痛は治るよ」。
ふたりで笑った。
一週間後、その男がまたやって来た。先生が「具合はどうだい?」と聞くと、男は上機嫌で
「先生に言われた通りにしました! おかげさまでかなり調子が良いです。それにしても、先生のご自宅は立派ですね」。
その3
ある日曜の午後。わたしが,いつものゴルフ場の第二ホールでプレーしている最中のことだった。緑色の大きなカエルに出会ったのは。カエルはこんな風に鳴いていた。
「ケロケロ。ナインアイアン」
わたしは,冗談気分でナインアイアンを選んだ。
──その結果は,バーディ!
わたしは,カエルを見つめた。カエルはそしらぬ顔で「ケロケロ。ラッキー。ラッキー」と鳴き続けている。わたしは,半信半疑の気分でカエルを掌に乗せて,次のホールへ向かったのである。
「ケロケロ。スリーウッド」
──なんと,ホールインワンだった。
その日,わたしは,神懸かり的なスコアーで,生涯最高のゴルフを楽しんだのである。
二日後。
わたしは,会社を無理矢理休んで,ラス・ヴェガスにいた。もちろん,例のカエルもいっしょだ。
「ケロケロ。ルーレット」
さっそく,カエルの指示にしたがって,わたしはルーレットのテーブルに座ったのである。
「ケロケロ。クロの6」
それは,100万分の1の確率である。しかし,わたしはカエルを信じて,有り金全てをチップに変えると黒の6に賭けた。結果は,大当たり。
チップの山が,テーブルの向こうから押し寄せてきた・・・
その晩。
わたしは,ラス・ヴェガスのホテルの一番高い部屋に泊まっていた。
「ありがとう」わたしは,神妙な面持ちでベッドの上に座っているカエルに頭を下げた。「何とお礼を言ったらいいものか...」
すると,カエルはこう鳴いたのである。
「ケロケロ。キス。キス」
もちろん,いくらなんだって,カエルとキスするなんて趣味じゃない・・・しかし,相手は大恩ある不思議なカエルである。わたしは,ひざまづいてカエルにキスした。
一瞬,眩しい光がカエルを包み込み,やがてカエルは,美しい14歳の美少女に変身したのだった。
「・・・というわけで,あの少女がわたしの部屋にいたのです。裁判長。」
その4
飛行機に乗っていた教授が、隣の席の助手に提案をした。
「退屈しのぎにゲームをしないか?交代で質問を出し合って、答えられなければ相手に罰金を払う。君の罰金は5ドル。私の罰金は・・・そうだな、ハンデとして50ドルでどうかね」
「受けてたちましょう。先生からどうぞ」
「地球から太陽までの距離は分かるかね?」
助手は黙って5ドル払った。
「勉強が足りん。約1億5000万kmだ。『1天文単位』でも正解にしたがね。君の番だ」
「では先生、丘に上がるときは3本脚で、降りる時は4本脚のものをご存じですか?」
教授は必死に考えたが解らず、とうとう目的地に着いてしまったので、50ドル払って尋ねた。
「降参だ・・・解答を教えてくれ」
助手は黙って5ドル払った。
おわり。
基礎実習のはなし その3
鬼瓦さんに対してこれと言った援助を行うこともなく1週間が過ぎました。
同じ病院で実習をしているみんなの話を聞くと今日は患者さんの身体を拭いたとか今日は頭を洗ったなんていう実習らしいことしているみんなを見て焦りを感じなかったといえば嘘になる。
僕はといえば毎日バイタル測定と世間話のルーティン。
やっぱり焦ってた。
『受け持ち患者への日常生活援助を行って学んだこと』
実習の最後にこれを発表しなきゃいけない。
『何も学んでねーよ…』
このときの本音。
1週間も経てば話のネタも尽きてくるわけで、鬼瓦さんは相変わらず話をしてくれない。
自然と無言の時間は多くなるわけで、無言で座ってるのもなんだか変なのでしばらく席を外しナースステーションなどで待機することに。
ナースステーションでは看護師の皆さんが忙しそうに働いているので僕は邪魔にならないように隅っこで記録類を見る。
なんでこんなに肩身の狭い思いしなきゃいけないんだろう。こんなことする為に実習に来てるんじゃないだろう。
そんなことを思いながら何回も記録を見てその内容はほとんどメモに取った。
やっぱり何も学んでねーよ…
焦ってた。
鬼瓦さんはほっといてほしいのかもしれないけど僕はほっとけない。
僕の受け持ち患者は鬼瓦さんしかいない訳で鬼瓦さんに何かしなくちゃ学びにならない。
ほっといてほしい患者さんと一日中一緒に過ごすなんて学生のうちにしかできない体験だ。嫌がられてもいいから、喋らなくてもいいから、とにかく一緒に過ごして何かしてみよう。
『恥ずかしや Mっ気隠して S振舞う』 by M尾 芭蕉
もしかしたら鬼瓦さんはちょっと強引な方が好みなのかもしれないし。
あくまでポジティブ。
さて、まずは何ができるだろうか。
鬼瓦さんはしばらくお風呂に入っちゃいけなかったので、かれこれ1週間ほど入浴してなかった。
これだ!!
2日に一回は身体を拭いたりしていましたが頭と足は洗ってない。
僕なら2日で髪がベタベタになります。顔洗わなかったらおでこテカテカになります。
耳の後ろ辺りからはお父さんと同じ臭いがしてきます…(涙)
鬼瓦さんは一週間も頭を洗ってないのだから洗いたいに決まってます。
僕は鬼瓦さんに洗髪と足浴の援助を行うことにした。
や 『そろそろお風呂に入りたいんじゃないですか??』
鬼 「そうやね、でもまだ入れんからなぁ」
や 『頭とか足だけでも洗いたくないですか??』
鬼 「別に…」
(なぜかたまに沢尻になる)
や 『一週間くらい洗ってないですよ』
鬼 「まだいいよ。まだしばらく大丈夫、一週間くらいぜんぜん平気や」
(Mっ気隠してなんとやら、ここは押すしかない)
や 『準備するので午後からササっと洗っちゃいましょう』
鬼 「まだいいって」
や 『そんなこと言わずに、僕の勉強にもなりますから』
鬼 「そんなに洗いたいなら銭湯でも行って洗わせてもらってこい!!」
や 『そういうわけじゃなくて…入院患者さんのを洗わせてもらいたいんです』
鬼 「それやったらワシじゃなくて他の人のすればいいやろ!ワシは自分でできる!病人扱いするな!!」
や 『そ、そうですね…』
(しばらく何も言えず沈黙…)
鬼 「まあ、好きにすればいいわ。“やりたいなら好きにしてくれ”嫌やけどな」
(“やりたいなら好きにすれば” こんな言葉彼女にも言われたことないよ…)
とにかく押してみたけど全くの逆効果、
僕は鬼瓦さんを怒らせちゃったみたい。
どうすりゃいいんだ。まったく…
つづく。